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これまでの『ラブライブ!サンシャイン!!』記事のまとめ

■アニメ全話分

『ラブライブ!サンシャイン!!』μ'sと憧憬と新たなスクールアイドルの物語について
『ラブライブ!サンシャイン!!』恋と梨子と真剣な寄り道について
『ラブライブ!サンシャイン!!』千歌とスクールアイドルと最初の日について
『ラブライブ!サンシャイン!!』自己犠牲と二人の少女と星空凛について
『ラブライブ!サンシャイン!!』善子とヨハネと自分が好きでいられる場所について
『ラブライブ!サンシャイン!!』廃校と千歌の危うさと物語と接続されたライブについて
『ラブライブ!サンシャイン!!』期待と重圧と梨子の変化について
『ラブライブ!サンシャイン!!』Aqoursの未熟さと千歌の悔しさと続ける理由について
『ラブライブ!サンシャイン!!』鞠莉の未来と果南の想いとダイヤの願いについて
『ラブライブ!サンシャイン!!』合宿とコンクールと寄り道の終わりについて
『ラブライブ!サンシャイン!!』曜の疑念と千歌の願いとアニメ的なライブ演出について
『ラブライブ!サンシャイン!!』μ'sが残したものと羽ばたきの時について
『ラブライブ!サンシャイン!!』始まりへと繋がり、ファンと共に歩むAqoursについて

■アニメ放送前

『ラブライブ!サンシャイン!!』はラブライブ!の世界を広げる企画となりうるかについて
『ラブライブ!サンシャイン!!』太陽の存在を感じさせる妹分、Aqoursについて
『ラブライブ!サンシャイン!!』アニメ化に寄せて
『ラブライブ!サンシャイン!!』渡辺曜を強調する映像とアニメへと伸びる道を示した「恋になりたいAQUARIUM」について

『ラブライブ!サンシャイン!!』始まりへと繋がり、ファンと共に歩むAqoursについて

アイスタ。上田麗奈演じる白銀リリィ登場回が凄く良い。主人公であるゆめサイドとリリィの友人であるゆずサイドの二軸を立てて、ゆめサイドは「学園の七不思議を追う過程でリリィの事を知る」という客観的な評判に基づくものを描いていき、ゆずサイドは親しい関係ということで彼女の内面に迫るものを描いていく。両軸合わさる事で「白銀リリィ」のアイドルとしての実力とその評判、少女としての彼女のアイデンティティというものが見えてくる作りになっていて、一話の中でどちらか片方に寄りすぎることなく必要な情報を伝えきっている。これは凄いバランス感覚の脚本ではないかと思う。
また「体が弱く療養中だった少女が、再びステージに立つ覚悟を固める」という空気感のあるライブパートも素晴らしい。ゴシック系のファッションが似合うキャラのライブはアイカツ!時代から凄いものを作り上げてきたけれど、今回のライブは照明の使い方が素晴らしく、遠くにあるスポットライトに手を伸ばすあの仕草! S4やゆずという太陽に手を伸ばしているようで、凄くよかった。



アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』は始まりへと至る物語だ。それはつまり彼女達が我々ファンのよく知る「あの輝き」を身に纏うまでの物語だということでもある。

『ラブライブ!サンシャイン!!』は静岡県沼津市内浦にある浦の星女学院で結成されたスクールアイドル「Aqours」の九人を描いた作品である。スクールアイドル活動の発起人となったのは老舗旅館の三女である高海千歌で、Aqoursのリーダーでもある彼女が沼津の美しい海と夏の爽やかさのある青空の下、「助けて、ラブライブ!」という言葉と共に2015年2月末に登場した時、μ'sとはまた違った風が吹き抜けた。発表から程なくして高海千歌以外の八人も出揃い、10月には1stシングル「君の心は輝いてるかい?」が無事に発売。2016年1月11日にはアニメ化が発表され、μ'sが全力で駆け抜けていった「今」を愛する彼女達の全力で輝く姿に期待が膨らんでいた。
しかしいざアニメが始まってみると彼女達の姿は全くもって輝いていなかった。頼りがいこそないものの、その胸に秘めた輝きは誰よりも強かった高海千歌は「自分には夢中になれるものも、生まれてから今まで積み上げてきたものも何もない」というコンプレックスを抱えていたし、桜内梨子もピアノが弾けなくなった苦しみを抱え、μ'sが救った音ノ木坂学院から浦の星女学院に逃げてきた存在だった。
三年生である松浦果南、小原鞠莉、黒澤ダイヤの三人は過去に相手を思いやるばかり、自分の本心をぶつける事が出来ずに互いを傷つけあった過去を「スクールアイドル活動の無念と後悔」として引きずっていたし、浦の星女学院に入学したばかりの一年生である黒澤ルビィと国木田花丸は「変わりたい」「スクールアイドルをやりたい」と思いながらもその気持ちを封じ込め、津島善子は我々の知る「ヨハネ」でこそあったものの、その「ヨハネ」を中核とする自身の中二病を嫌悪して辞めることを目指していた。
つまりアニメ一話においてAqoursの九人は輝きとは無縁の、どこにでもいるようなごくごく普通の少女だったのだ。
しかし彼女達は0から1へ、何もない今から輝きのある今を目指して、スクールアイドルとして走り出す。
最初は高海千歌一人。そこに「いつか千歌と一緒に何かをやりたい!」と思っていた渡辺曜が加わり、千歌の「寄り道でもいい」という言葉に誘われて桜内梨子が加わって三人に。友達や家族や生徒会長の黒澤ダイヤ、そして理事長の小原鞠莉の力を借りてどうにかファーストライブを成功させた後にはμ'sの星空凛のように「変わるための一歩」を踏み出そうとした黒澤ルビィと国木田花丸、中二病と堕天使ヨハネを受け入れた津島善子が加わり、彼女達は次第に大きな輝きへと変わり始める。
しかし「全国レベル」という視点で見た時、彼女達の持つ輝きは「お話」にもならないほど小さな輝きだった。
μ'sやA-RISEのおかげで「スクールアイドル」というものが普通の存在になり、それに伴って全体のレベルも上昇していた今の時代において、彼女達六人が今日まで努力を積み重ねてきた歌もダンスも輝きも、誰の心にも届いていなかった。前座どころか、誰も彼女達を見てなかったのである。
0。その数字が物語る無慈悲な現実に打ちのめされるAqours達。「好きでやっていることだから」と自分に言い訳して逃げる事も出来ただろう。そして逃げたとしても、誰も攻めなかっただろう。しかし彼女達は逃げなかった。悔しいという気持ちを胸に「0を1にする」という目標を掲げ、彼女達は再び走り出す事を決めたのだ。
何もない今がどうなるのか。0が1になった時、どんな光景が広がっているのか。
それが見たい!と走り出した彼女達の姿は力強く、そして輝きに満ちて美しい。
彼女達はその日、スクールアイドルとして目覚めたのである。

二年前のすれ違いと後悔に決着をつけた三年生組が九話で加入し、Aqoursはついに我々のよく知るユニットの形となった十話以降において重要だったのは「Aqoursとは何者なのか」ということだった。
「助けて、ラブライブ!」という第一報のキャッチフレーズからも分かる通り、Aqoursも『ラブライブ!サンシャイン!!』と言うプロジェクトそのものも『ラブライブ!』という先駆者があってこそのものだった。『ラブライブ!』が大成功を納めたからこそ『ラブライブ!サンシャイン!!』が生まれ、μ'sがいたからこそAqoursがいる。アニメの中においてもμ'sの存在と功績は重要視され、彼女達のお陰でスクールアイドルは今日の繁栄を得ることが出来たのだと何度も何度も繰り返し言及されてきたし、何より高海千歌がスクールアイドルを目指すきっかけとなったのはμ'sがいたからこそだ。
故に彼女達は「自分達は何者なのか」という難題に取り組むことになる。μ'sが切り開いた時代を生きるスクールアイドルであり、そしてμ'sの背中を追いかけてきた者として、答えを出さなければ絶対に前には進めないのだから。
その答えは「AqoursはAqoursであり、AqoursはAqoursにしかなれない」という当たり前の答えだった。
μ'sの後を追いかけ、μ'sになるのではない。AqoursはAqoursになるために走り続けるのだ。
そしてこの答えに彼女達が辿り着いた事とそれを描写したことで、『ラブライブ!サンシャン!!』自体も『ラブライブ!』とは全く別の企画として自立し、動き始める。
Aqoursと『ラブライブ!サンシャイン!!』と言うプロジェクト。
その双方が偉大なる先駆者の後を追いかけるのではなく、自立し始めた事が最終話へとつながってくる。
最終話において特に大切に描かれていたのは「千歌達が全力でAqoursとして駆け抜けてきた事が、浦の星女学院の生徒たち全員を動かすきっかけになった」という0が1になった瞬間と、そしてその絶対的な「1」があったからこそ、Aqoursは我々のよく知るAqoursになったという事実だった。
エピローグにおいて描かれた九人の写真が最初に公開されたキービジュアルを彷彿とさせるものなのは、その事を雄弁に物語っている。彼女達は様々な経験を経て我々と初めて出会った頃の「Aqours」になったのである。

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画像引用元:電撃G'sマガジン.com

「Aqoursがこの後どうなるのか」ということは語られずとも、今日まで共に歩んできた者ならば分かるはずだ。
なぜなら我々が知っているAqoursの姿が、そのままこの後のAqoursの姿になるのだから。
今から未来へと向かって走り続ける彼女達と共に、我々も最後まで走り続けたい。


アニメのクラウドファンディングとファンの支援方法について

ガールズ&パンツァー。劇場版で大洗女子の物語を描き切って無限に話を作れるようになったのに次で本当に終わるそうで。勿体無いというか寂しいというか。複雑な心境である。
最終章の発表が出た直後、自分は「大洗女子を主役に据えたシリーズが終了」という意味なのかと思っていた。劇場版までで大洗女子の物語は一通り描ききっている以上、シリーズとしてガルパンを続けていくのなら、今のキャラクター達には「最終章」と言う形でグランドフィナーレを迎えさせる必要はあるし、その方が今日まで応援してきたファンにとっては嬉しいだろうから選択としてはベストだと。でも先日公開されたPVを見る限りだとどうもそうではなくて、本当に『ガールズ&パンツァー』が終わるということみたいで。もうちょっと続きが見てみたかったなぁ。あそこまでハイクオリティな戦車ってそうそう見れるものじゃないからなぁ。
でも冷静に考えてみると、「第2次世界大戦縛り」という戦車の縛りが『ガルパン』にはある以上、ここまでの話で一通りメジャーどころはやりきっちゃったところも有るわけで。マイナーどころを攻めてしまうぐらいなら、メジャーどころを一通り出したところで終わらせてしまうのも選択肢としては全然ありだ。そのほうがマウスやカール自走臼砲といったゲテモノ達の存在も際立つし!
そういうわけで。実際見たら寂しくなるだろうけど、『ガルパン最終章』は出来る限り見ておきたいな。



前向きを通り越して前のめりな興行戦略が成功し続編が制作決定した『KING OF PRISM』に、女児向けアニメの限界に挑んだと言っても過言ではない百合描写で話題を呼んだ『劇場版アイカツスターズ!』、ジブリでしか成し遂げられていない興行収入100億円の大台にリーチをかけた『君の名は。』……。
今年の劇場版アニメ界隈も話題に事欠かないが、個人的に注目したいのは11月12日に公開を予定されている『この世界の片隅に』だ。
この『この世界の片隅に』は、『夕凪の街 桜の国』を出世作に持つこうの史代の代表作とも言える同名作品を原作とする作品で、『マイマイ新子と千年の魔法』で知られる片渕須直がその原作に惚れ込んだ事から企画が開始。前述したように今年11月に無事に公開される事が決定しているのだが、この作品のもう一つの特徴としてクラウドファンディングによる資金調達が行われたということがあげられる。

■ 片渕須直監督による『この世界の片隅に』(原作:こうの史代)のアニメ映画化を応援

クラウドファンディングとは不特定多数の人々に「こういう企画があるのだが、実現には資金が足りないので少しでもいいので出資して欲しい」と呼びかける事で財源確保を行う資金調達の手段の一つだ。「本来なら莫大な予算がかかる企画であったとしても、多くの人達に呼びかけ、少額でも出資してもらえれば企画が実現する可能性は高くなる」と言う発想を元に行われるクラウドファンディングだが、最近のアニメ業界では珍しくないどころか、色々なものを変えてくれるような可能性に満ちたものになりつつある。
ここ最近で個人的に「可能性を広げる」と思えたクラウドファンディングプロジェクトとしては2015年に行われた「『Dies irae』アニメ化プロジェクト」が挙げられる。
『Dies irae』とはLightが制作した同名のアダルトゲームのことで、その少年漫画のような熱い展開と魅力的なキャラクター達から不朽の作品として多くのユーザーに今もなお愛され続けている。
そんなファンに愛されている『Dies irae』をアニメ化したい。制作側がそう考える事は別段おかしなことではない。しかしながら『Dies irae』が最初に発表されたのは2007年の事であり、クラウドファンディングがスタートした2015年から考えてみても八年前の出来事である。制作側が「アニメ化したい」と思ったとしても、「ファンは果たして本当についてきてくれるのだろうか」と不安になるのも無理からぬことだろう。
この『Dies irae』のクラウドファンディングの面白い点は、スタッフの確保やパイロットフィルムの制作など「作品をより良いものにするための資金調達」という側面だけでなく、「ファンは本当にアニメ化を望んでいるのか」という事を確認するための企画でもあるということだ。企画趣旨の最初に「ファンは本当にアニメ化を望んでいるか」という事が上がってくる点から見ても、おそらくそれが一番の不安材料だった事が読み取れるが、だからこそこうした形でファンに呼びかけ、出資してくれるほどのファン達の声を集めて自分達の不安を払拭しよう!という戦略そのものは悪くない。むしろクラウドファンディングの使い方としては面白い使用例ではないだろうか。

■ Dies iraeアニメ化プロジェクト

今現在も実施中ということなら「TVアニメ「少年ハリウッド」第26話を完全版にさせたい!応援プロジェクト」も面白い事例だろう。
等身大の少年らしさと現実的なアイドル描写で高評価を得た『少年ハリウッド』。その26話は一話全てが彼ら五人のクリスマスライブの様子を描いた内容であったが、「この26話のクリスマスライブを完成させよう!」という今回のプロジェクトは言うなれば「続編に繋ぐための最初の一歩」。「次へと繋げたい!」というスタッフと、「次が見たい!」というファンの思いが見事に合致した熱い企画となっている。
「絶対」ではないとはいえソフトの売上本数次第で続編制作の可否が決定される事も多く、結果としてソフトを購入する事そのものがファンが出来るほぼ唯一の支援手段になっている昨今だが、ソフト販売とは別にクラウドファンディングのような形で支援手段があるというのは悪いことではない。むしろ「この作品のためならこれだけ出資してもいい!」と言うファンの数とファンの想いを、「お金」という形では有るものの可視化できるこのやり方は良いことではないかと思う。
このプロジェクトは現在のところ1500万円の目標金額に対して約2200万円ほど集まっており、第一目標をまずはクリアして制作が決定。現在は第三目標であるMC~「ハリウッドルール1.2.5」のライブパート制作実現に向けて動き出している。最終目標である完全版化の条件は5000万円の到達。現在は2000円コースが存在しており、少額からの支援も可能になっている。興味が有る方や面白い!と思った方は出資を検討してみてはどうだろうか。

■ TVアニメ「少年ハリウッド」第26話を完全版にさせたい!応援プロジェクト

以上のクラウドファンディングはいずれも目標金額を達成したものばかりであるが、数多あるクラウドファンディングの中には『CHIKA☆CHIKA IDOL』のように失敗したプロジェクトもある。しかしながら失敗したとは言え、「『この企画にお金を出しても良い』と思い、実際に出資したユーザーがどの程度いたか」という可視化された情報は決して無駄にはならない。
現に『CHIKA☆CHIKA IDOL』はアニメ化プロジェクトこそ失敗したものの、出資してくれたユーザー数と総出資額を鑑みてnoteにてコミック版の連載を開始。有料の支援マガジンを展開することで、次の機会を狙う戦略を選んだようだ。失敗しても次なる一手を打つ上での判断材料となったのなら、支援した人間の一人としては悪くはない印象である。

とまあ、ここまでアニメとクラウドファンディングについて述べてきたが、何はともあれ『この世界の片隅に』が11月の公開までのカウントダウンをする段階に突入したことをまずは祝福したい。そして本作が多くの人達の目に触れる作品になることを願うばかりである。

Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
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とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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    @を半角にして下さい

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