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アイカツ!シリーズの実績推移とそれについての雑感

今月9日にバンダイナムコホールディングスの昨年度の決算短信および補足資料を発表され、アイカツ!シリーズの昨年度の通期実績が36億円であることが分かった。二年前の通期実績は45億円なので減少幅として6億円ほど。数字の上では減少してはいるが、去年は玩具周りの商品展開が弱い――というか殆どなかったので、「アイカツモバイルなどの商品展開が無かった分を差し引いたらこの数字になった」というのが正確なところなのだろう。
一年目の結果を見ただけで即座に撤退戦に切り替えていくバンダイナムコの切り替えの早さには舌を巻くが、ともあれ実績は実績なので仕方がない。筐体こそ続投であるものの完全新作としてスタートを切った『アイカツフレンズ!』には頑張ってほしい。「男は黙ってマテリアルカラー」「女は黙ってシュガーメロディ」「トマトバジルチーズのスペシャルサンドイッチ!」とか、既にアイカツおじさん達がパワーワードを量産して待ってるぞ!

さて、実は先日から「アイカツ!とアイカツスターズ!の半年ごとの実績推移」を作って眺めていたのだが、あるユニークなことが見えてきた。それは「アイカツ!シリーズは意外なほど安定している」という事実だ。
アイカツ!シリーズは一年目の上半期(2012年10月-2013年3月)で18億円の実績を叩き出し「ロケットスタート」と呼ぶに相応しい鮮やかなスタートを決めた後は着実に売上を伸ばし、二年目上半期にはついに半年間だけで100億円を超える実績を記録。「空前絶後」と言ってもいいほど凄まじいまでの盛り上がりを見せた。二年目下半期(2014年4月-2014年9月)は流石に数字を落としたもののそれでも「クリスマス」などの大きなイベントがないにも関わらず59億円となかなかの数字を出している。
10月に三年目に突入すると同時に主人公が星宮いちごから大空あかりに交代して「あかりGENERATION」という新シリーズに切り替わっても最初の半年ほどはほぼ横ばいの数字が続いているが、三年目下半期になると24億円程度に落ち込み、四年目(と言っても放送期間は半年)は22億円程度になっている。
三年目上半期から下半期にかけて半分程度にまで落ち込んでしまったのはあまりにも痛すぎたと思うが、2014年と言えば長年のライバルだったプリティーシリーズが『プリパラ』の稼働を開始していた年なのでこればかりは仕方がない。
オンデマンド印刷機能を女児向けアーケードゲームとしては初めて搭載し、筐体のスペックそのものも向上して演出もリッチになり、「トモチケ交換」という遊びは女児はおろか大人の心にも刺さりまくっていた『プリパラ』。
そんな『プリパラ』が流れを変えるどころかむしろ自分達から作っていく姿勢を見せていた中で、既に「見慣れたもの」になっていた『アイカツ!』がきっちりと実績を上げて存在感を示し続けていたことは地味ではあるが凄いことではないかと思う。
で、『プリパラ』が大きなムーブメントを形成した事を受けてアイカツ!シリーズもオンデマンド印刷機能を搭載した新型筐体と共に『アイカツスターズ!』を発表。アニメは2016年4月から放送開始、ゲームは約一か月遅れて5月19日に稼働開始した(先行稼働として4月29日からプレイできる店舗もあった)のだが、これがあまりいい結果を出していないように見える。
『アイカツ!』の四年目は22億円程度であったが、『アイカツスターズ!』は上半期で24億円程度で、下半期には22億円程度でほぼ変化が無く推移している。ただ『アイカツスターズ!』は新型筐体での展開で、バンダイナムコもその目新しさから「10億円程度上がる」と見ている。そんな中でほぼ横ばいなので、これは「痛い」と言わざるを得ない。実に厳しい。
そうした結果を受けてなのか、『アイカツスターズ!』は二年でシリーズを終了することになったわけだが、ただ新型筐体の一件『アイカツスターズ!』は24億円→21億円→20億円→16億円と非常に安定して推移している。つまり「受け入れられていないわけではない」のだ。期待していた数字よりも下回っていただけで。
二年目下半期も冒頭にも書いたように玩具展開が殆どなかったので20億円を下回っているだけだろう。もし例年通りに出していたら20億円程度にはなっていたような。まあ仮定の話なので今更何の意味もないのだが。
でまあ最新作――つまり『アイカツフレンズ!』の話になるのだが、『アイカツスターズ!』が数字の上では安定していたところを見ると「流動的ではあるとはいえ、一定のユーザー数は確実に確保している」と見えるのでよっぽど変なことをしない限りはシリーズ存続は大丈夫だろう。ただあの筐体も今年で三年目なので『アイカツフレンズ!』の二年目があるかどうかはかなり微妙なところだ。
自分なら印刷紙も含めて一新する。あの印刷紙は触感が安っぽいので。









『キラッとプリ☆チャン』『アイカツフレンズ!』第一弾の所感

2018年4月からタカラトミーアーツは『キラッとプリ☆チャン』の、バンダイナムコは『アイカツフレンズ!』の稼働を開始している。
長きにわたって良き仲間でライバルとして業界を盛り上げてきたアイカツ!シリーズとプリティーシリーズが、完全に同時期に新作の稼働を開始するというのは初めてのことなので稼働開始前から注目し追い続けてきたのだが、六月に突入して第二弾が始まる前に第一弾――つまり開始時点での両者についての所感を述べておく。

先に稼働開始したのは『アイカツフレンズ!』からで、4月5日から稼働開始している。
「筐体そのものには手を入れずにソフトウェアのアップデートによって新作の稼働開始」という手法を取っているが、この手法により『アイカツスターズ!』の稼働終了から時間も手間もかけずに新作へとシームレスな移行が出来ているので個人的には好きなやり方だ。店舗側の負担も少ないのでこの点については評価したい。あと同一筐体なので『スターズ!』のマイキャラ周りの要素はほぼ全部引継ぎです。
肝心の中身はと言うと「ダイヤモンドフレンズ」というキーワードがあるように「フレンズとユニットを組む」という点をフィーチャーしていて、「友達のマイキャラとユニットを結成する」「そのユニットに自分達ならではの名前を付けられる」というのはシンプルではあるが取り上げ方としては悪くないし、「ソロアイドル」「私のアイドル活動」という印象が強かった『アイカツ!』や『アイカツスターズ!』と違った「私達のアイドル活動」という本作ならではの要素をよく協調で来ているように思う。
アイカツカードそのものについては取り立てて変化なし。『アイカツスターズ!』からオンデマンド印刷になったことで「自分のアイカツカード」を作れるようになった反面、裏面のコーデ解説やホログラム加工といった部分が削除されてカード自体の魅力が乏しくなってしまっていたのだが、新シリーズスタートに合わせてその辺を改良する事はなかった。まあ仮に手を入れるとすればプリンターから印刷紙まで全面的に改修する必要があるので、「アニメとほぼ同時に切り替わる」という動きは出来なかっただろうし、この辺は「間隔を空けない」とトレードオフだ。物理媒体が伴うだけに難しいところではあったと思う。
気になった点としては「過去の二作からの変化に乏しい」ということ。
『アイカツスターズ!』の頃から気になってはいたが、『アイカツ!』の頃からリズムゲームパートだけ一切手を入れていないのでプレイした瞬間にそこまでの新鮮さが一気に色あせたものになっていく。リズムゲームパートの出来は間違いなくいいし、難しくとも理不尽ではない適度な難易度設定はやっぱり凄いとは思うのだが、『アイカツ!』の稼働開始からもう六年近く経つわけでいい加減変えてもいいんじゃなかろうか。新規作品として立ち上げておきながら、あそこをそのまま使いまわしたい理由がよく分からない……。

一方、『キラッとプリ☆チャン』は『アイカツフレンズ!』の稼働開始から二週間後となる4月19日に稼働を開始した。
『プリパラ』が三年九か月も稼働していたので「新作発表は新型筐体と同時か?」と期待されていたが、実際には「『プリパラ』の筐体+α」といったところ。「+α」そのものはキラッとボタンとキラチケ印刷用のプリンターを内蔵しているだけなので、筐体性能そのものは『プリパラ』から大きな変化はない。強いて言うなら通信機能が強化されてリアルタイムで通信するようになった。そのおかげでこれまでは「最新のプリチケを読ませて続きをプレイする」だったところ、「会員証を読み込ませる」に変更されたので、この辺は改良と言っていいだろう。その分会員証発行のための初期投資として100円が余分に必要になったので子供的には痛いかもしれないなーとは思った。引継ぎはありだが、アイドルランクは引き継がれない。初回プレイ時にマイキャラを作成することになるが、ボイスがフェイスタイプ固定じゃなくなったのは嬉しいところ。追加で斎賀みつきと牧野由依が入ったので、マイキャラのボイスはこれで阿澄佳奈・大久保瑠美・加藤英美里・牧野由依・斎賀みつきの五人かな。
ゲームとしては大きく変更されて、全く印象が異なるゲームになった。
前作『プリパラ』は「ログイン→コーディネート→リズムゲーム→プリントするアイテムの選択→プリチケプリント」という流れで進行していて、メインとなるものはリズムゲーム部分だけだったのだが、『キラッとプリ☆チャン』ではリズムゲームパートの直後にパシャリングステーションが追加された。
このパシャリングステーションは様々なポージングをするマイキャラを八枚まで撮影できる――とどのつまりはスクショタイムなのだが、コーディネート部分で読み込んだコーデを身に纏って様々なポージングをするマイキャラを撮影するのは滅茶苦茶楽しい。「八枚しか撮影できない」という制約のおかげで否が応でもベストショットを狙いたくなるし、「パシャっとアイテム」というアイテムを読み込んでいればそのアイテムを使ったポージングも追加されるので「第二のメイン部分」としての作りこみが半端ではない。
ここで撮影した画像は「ただ撮影して終わり」というわけではなくプリチケにそのままプリントされるし、「プリスタグラムに画像をアップした」という設定によって他ユーザーも見ることがあるので俄然やる気になる。プレイ時間についてだが、パシャリングステーション分長くなっているかなーと思いきや、その分の時間はリズムゲームパートの時間を若干削って捻出しているので「ログイン→リズムゲーム→パシャリングステーション→プリントするアイテムの選択→プリチケプリント」になっても大きな変化はないかな。「サイリウムチェンジが無い分ライブパートがちと寂しい」と感じないこともないけども。
気になった点としては「デュオライブをプレイしていても、パシャリングステーションではソロ限定になっていること」と「連続購入時の時間のかかり具合」か。特に後者は二枚づつプリントするので五枚連続購入すると手持ち無沙汰な時間がそこそこ長く発生するので何とかしてほしい。
『プリパラ』の頃は見かけなかったエラーを何度か見かけるのでそこも要改良かなぁ。どれも改良すべき点は明快なので、そのうち修正されると思うけど。

第二弾については『プリチャン』はまだ出ていないので『アイカツフレンズ!』について述べておくと「そうかーやっぱり一本化かー」というのが今のところの印象。どうなるのかなー。


『劇場版プリパラ』のルート分岐の変遷

『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』の最後のルート「レインボーライブルート」がようやく公開された。
プリティーリズム三部作の全てのルートが出揃った事で「プリリズヤクザの走馬灯」と公開初日から言われてきた作品が「完全に死の間際に見る映像とはこういう映像のことを言うのだろう」へとサイリウムチェンジを果たし、映画館へと詰めかけた人々はサイリウムを握りしめながら彼岸へと渡っていく。「鑑賞料金は実質六文で、プリチケには死に装束が印刷されてる」という状態と化しているが、全ルートを見終えた今なら断言してもいいだろう。「ヤクザは一人残らず全員死ぬ」と。「スキスキセンサーマジヤバイ間違いない」と言っていた頃がまだ幸せであったと。りずむちゃんのところで悲鳴が上がるのは仕方がないね。同時期にプリズムショーを始めた親友に「才能の絶対的な差」を見せつけられたら、そりゃ心の煌めきに陰りが出るのも仕方がないというものよ(子供向けアニメです)。

今回の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』で「ルート分岐と称して本編内容の一部が変化する作品」も四作品目となった。もはやこのギミックは「このシリーズの劇場版アニメの特徴」と言ってもよく、自分のように「全部確認しておきたい」と思うタイプの人間は次のルートに切り替わるとワクワクしながら映画館に向かうわけだが、今回の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』はこれまで以上にギミックが洗練されたものになっていて、非常に楽しく見ることができた。
そもそも『劇場版プリパラ』シリーズでルート分岐が行われるようになったのはアトラクションのようなものを志向していたからだと言われている。
エイベックスの岩瀬氏が打ち合わせの席でライド系アトラクションに乗ってきた話をしたところ「面白いんじゃないか」という話になり、ライド系アトラクションで見かける「ルート分岐」が作品の中核へと据えられることとなった。そうして生まれたのが第一作『劇場版プリパラ み〜んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ』で、この作品は「北条コスモの導きでプリズムショーシステムへとやってきたらぁら達が巡るプリズムショーの世界」として共通パートを終えた後で四つのルートに分岐して再び共通パートに戻ってくる作品構造となっており、「何をどの程度流すのか」も含めて二回目三回目を見に行く楽しさを提供してくれていた。
とはいえ実験作でもあった点は否めないのも事実で、「分岐部分が非常にわかりやすい」「プリパラは特に新規が存在しない」など未成熟な部分はたくさんあった。それらの点をいくつか改良した作品となったのが『映画プリパラ み〜んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ』だった。
「ファルルを助けるためにアイドル達が世界中をめぐってライブを行いながらファルルのいるプリパリを目指す」という完全オリジナルの物語が存在するために「劇場版」ではなく「映画」を冠としていただくことになったこの作品は分岐そのものを「一方その頃、一緒に旅だったあのアイドル達は何をしていたのか」を三つのルートという形で掘り下げることで、全体のテンポの良さと密度の高さをそのままにボリューム感を確保。楽曲は完全新規がちゃん子の一曲しかないものの、それ以外のルートでは劇場版でしか見られない特別なものにマイナーチェンジされており、「ここでしか見られないもの」で満足感を底上げした(とりわけふわり&あじみは後のクリスマスライブでわざわざあじみのコール部分をねじ込んでくるファン――通称あじみガチ勢を生み出す狂気をもたらした)。
そんな『映画プリパラ』の路線を踏襲しつつ発展したものとして、「ぷちゅう(宇宙ではない。府中でもない)の惑星を回るライブツアー」というSF的な導入を採用した『劇場版プリパラ み〜んなでかがやけ!キラリン☆スターライブ!』が上げられる。
作中プラックホールに飲み込まれたアイドル達は「あり得たかもしれない可能性の一つ」を見る事になるが、この「可能性」を分岐シナリオに当て、「本来ならあり得ないもの」を展開する。「らぁらが現実世界での親友であるなおの誘いでデビューする」「三人で宇宙海賊を結成して暴れまわるトリコロール」「アイドルに許されない恋をしてしまったみれぃ」という三つの可能性はわざわざこのためだけに製作された完全新規となっており、シリーズが歩んできたものの一つの到達点ともいえる会心のルート分岐であった。あ、みれぃの曲はガチ。
そして例年より遅れること二か月してようやく公開と相成ったのが現在公開中の『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン』なわけだが、今回は若干省エネ的なつくりではあるものの「ルート分岐」に関してはこれまで以上の力が入れられている。
まず本作ではルート分岐を「タッキーゆめかわゲームでピンク・青・黄の三色のタッキーの誰が勝つか」で分岐を行っているが、このタッキーゆめかわゲームはルートごとに「早炊き対決」「おにぎり集め」「スロット」の三つに分けられており、小ネタも大量に放り込まれているためここだけでまず楽しい。
分岐後も各種ルートは便宜上プリティーリズム三部作のタイトルが冠されているものの、プリパラサイドのライブパートも各種作品のテーマに沿う形で散りばめてあるため前後の流れをきちんととらえると内容を理解しやすくなっている。「入口となれるように」というのはかねてから行われていることであるが、今作はそうした部分が強く表れている。今作を見てプリティーリズムに興味を持ったなら、それを見てからもう一度今作を見直すと「走馬灯」といわれる理由も良く分かるのではないだろうか!
そして最後は「Make it!」からのWITH。完璧である。応援上映会も楽しい作品として本作は過去最高レベルの面白さであった。

最後に。とりあえず自分は11回(AD3回DMF7回RL1回)見ているのだが、11回見ても飽きてないのでまた見に行くことだろう。
ああ早く円盤が欲しい……。『とびだすプリパラ』と一緒に早く円盤を出してほしい……。


Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

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