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『Fate/Grand Order』新宿のアーチャーという生物の可愛さについて

『Fate/Grand Order』が人理修復の旅に感動的な幕引きをしてから間もなく半年になろうとしています。
この半年間実に様々な出来事がありました。その全ての発想が定石に捕らわれなさすぎてこのゲームでしかまず見られないものばかりでした。そんな数々の思い出の象徴として思い出されるのが新規に追加された星5サーヴァント達です。
1月1日の宮本武蔵から始まり、この半年で新規に追加された星5サーヴァントは八騎! いずれも個性的で魅力あふれるサーヴァント達ばかりですが、その中でも一番魅力的なサーヴァントはと言うと、それはもう「新宿のアーチャー」でしょう。
「全盛期の姿で召喚される」というルールの関係上、該当するものが限られる老人として「悪性隔絶魔境 新宿」と同時に実装され、シナリオ中では記憶喪失であるが故に「新宿のアーチャー」と名乗り、ナビゲーター兼狂言回しとして八面六臂の大活躍をしたアラフィフですが、なぜこのアラフィフを自分が「一番魅力的」と称するのかというとこの男があまりにも「可愛すぎる」からであります。
新宿編での彼は熱い男でした。ハイテンションでボケもツッコミも両方を完璧にこなすオールマイティーに立ち振る舞って状況を引っ掻き回す姿がたまらなく可愛い。「くさい」と言われれば本気で傷つき、記憶喪失であることを自虐ネタとして使ってしまう。まるで「知識レベルでは知っているが、一度もやったことがないバカなことを無理をしながら全力でやっている」ような可愛さは、背伸びした子供のそれ。そんな可愛い動きを流し目がスケベかつスーツが似合うスタイルの良いアラフィフ老人がやっているのだからもう、ずるい。かわいい。
召喚された後もこのアラフィフは可愛い。なにせ自分を「悪の組織のボス」と俗物的な言葉で表しつつ、マスターのことを「裏ボス」と表現する。嫌いなものを尋ねられれば「ホームズが嫌い」といい、その理由に「イケメンなのがマジゆるさねー!!」と叫ぶ。誕生日になれば「祝え祝え!」とテンション高く祝ってくれた上に、誕生日プレゼントには鹿撃ち帽をピックアップするヴィランジョークまでかましてくれる。最終再臨を終えたときには「ともに歩んでいける」ということを喜び、感謝の言葉を口にする。「悪」「ヴィラン」がテーマとなる新宿編で登場したサーヴァントなので当然彼も悪人ではあるのですが、時たま見せる善性をジョークとテンションの高さで包み込んでしまうところが彼のヴィランとしての矜持が見えていじらしい。「慣れないこと」をテンションでゴリ押ししているという雰囲気もあり、とてもキュートですね。それを土師孝也さんが演じているので、それはもう可愛い以外の何の感情もでてこない。
こうしたキャラクターの可愛らしさの反面、攻撃手段は暴力的なのがまた新宿のアーチャーを魅力的にしているように思います。
「ミサイルや機関銃を搭載した棺桶」は完全に『ガングレイヴ』や『トライガン』のパニッシャーを意識したものに思うのですが、攻撃を仕掛けるときに排熱のために蝶の羽を模した放熱板が展開されるのが格好いい。当然のように仕込み杖を装備していて、特定のカードを最後に切った時にはその攻撃をしてくれるのもたまりませんね。B級映画好きが好きなものを積んで、本人の可愛さとのアンバランスさで魅力をより強調してくるのはずるすぎます。宝具では一斉射撃しながら突撃して至近距離での砲撃を行うし……あの戦闘スタイルは彼の趣味なんですかねぇ……。
そんな戦闘スタイルの一方でスキルやカード構成はもの凄く「黒幕」なのも素晴らしい。
邪智のカリスマで最前線で暴れ回らせたいアタッカーを大幅に強化する動きを基本としつつ、その過程で生まれた星は魔弾の射手で集めて自分が殴りに行っても良し、「蜘蛛糸の果て」で砕いて自分のNPに還元して宝具に転じても良し。
黒幕であるがゆえに、最前線で戦うキャラクターを支援しつつも自分が出るべき場面で強気に攻めていける新宿のアーチャーは実にキャラクター通りの動きをしてくれる。アーツカード三枚構成なのも「NPを支援しつつ殴りに行ける」という点では嬉しいところ。全体的にはサブアタッカー向きのキャラクターなのでメインには据えにくいですけど、「黒幕」だからまあそういうデザインの方が格好いいですよね。うちではドレイクと一緒に運用してます。豪快で派手に立ち振る舞うドレイクと裏で糸を引く新宿のアーチャーの組み合わせは互いの動きが噛み合っててあまりにも楽しい……。

以上のように新宿のアーチャーは可愛く面白い良いアラフィフなのですが、メインストーリーでナビゲーターを務めながらも恒常ガチャに追加されませんでした。一応先日唐突に復刻されましたので運営としては定期的に復刻していく予定なのかもしれませんが、今のところは入手することが出来ません。しかしこの可愛さは抗いがたいものがあるので、次に復刻が来たら是非回してみてください。素でも可愛いですけど、デレてくると本当に天元突破級の可愛さがありますよ。


『アイドルタイム・プリパラ』価値観の断絶とパンと米について

先日放送された『アイドルタイム・プリパラ』10話「助っ人アイドル始めたっす!」でついに虹原にのがアイドルデビューを果たした。
最初は「スポーツに比べればアイドルは全然熱くない」と、ゆい以外のパパラ宿の人間達と同じようにアイドルに関しては無関心だった虹原にのが、スポーツ万能の自分に根性でついてきたらぁらとゆいを見て「アイドルも意外とやる」と見直し、アイドル武者修行中の東堂シオンに負けた事で「アイドルは滅茶苦茶熱いのでは?」と認識を改めてアイドルデビューをする流れは、「プリパラは楽しいけどアイドルはまだちょっと……」というパパラ宿の少女達が徐々に変わり、アイドルが次々と誕生する予兆を感じさせる熱い展開であった。スポーツ系少女に対して合わせる楽曲がテクノポップというのも面白かったのだが、この虹原にののアイドルデビューで特に面白かったのは「価値観の衝突」が何度となく描かれていた事だ。
そもそも『アイドルタイム・プリパラ』の前身に当たる『プリパラ』の時点でアイドル達は決して一枚岩の存在ではなく、プリパラの中は様々な価値観で溢れていた。
神アイドルをひたむきに目指しているアイドルがいる一方で、「友達と一緒に思い出を作りたい」というゆるい理由でアイドルをやっている存在もいた。そもそもアイドルデビューをすることなく、アイドルを応援することに心血を注いでいる女の子もいた。様々な価値観を内包するのが「プリパラ」と言う場所で、それ故にアイドル達は異なる価値観を持つアイドル達と衝突することもコミカルな形ではあるがしばしば描かれた。
『2nd season』ではそんな「価値観の違いと衝突」がテーマの一つとなっていて、らぁら達の「みんな友達!みんなアイドル!」と、紫京院ひびきの選ばれた者だけがステージに立つ資格を得るべきだという価値観が衝突。相手の価値観を認める=ひびきの考え方もプリパラの重要な要素の一つとすることで、物語は完結へとたどり着いたわけだが、『アイドルタイム・プリパラ』の最大の敵は「無関心」で、虹色にのもまたプリパラに関しては「熱いものではある」と認めながらも関心を持つことはなかった。相手の価値観を認めないだけで一応は熱い想いを持っていたひびきとは違う無関心は語り合う余地すらなく、らぁらやゆいがどれだけ熱く「プリパラの熱さ」について言葉を尽くしたとしても、虹色にのには全くといって伝わっていなかった。無関心は何よりも強く、何よりも残酷だ。そしてそんな価値観の違いと断絶具合を「米派ではなくパン派」という形で強調しているのがなんとも『プリパラ』らしい。
ここまで積み重ねてきた「小型の炊飯器を肩から下げている」「ライスをおかずに米を食べられる」「とりあえず米」という夢川ゆいのキャラクター付けを活かした演出だと言えよう。

ところで東堂シオンといいそらみスマイルといい、『アイドルタイム・プリパラ』における『プリパラ』から続投したキャラクター達の描き方はゆい達よりも遥かに上の実力であるという点で一貫しているのは面白い。そらみスマイルは「スーパーサイリウムコーデを容易く入手できる」という形で表現されていたが、東堂シオンの場合は「カルタ大会でにのをも上回る実力を見せる」という形で表現されていた。
らぁらが常に出ている事もあり、この辺りの強さの表現においては細心の注意が払われていると思うが、視点をゆいやにのに合わせることで「今のらぁら達が本当に天上の存在である」という事を何度も何度も見せてくるのは素晴らしい。キャラクターの格を損なわないのは良い事だ。
そしてだからといってゆいやにのが実力面でらぁら達に劣っているわけではないのが面白い。特にライブ中は個性が押し出されている事もあって、二人のライブ中での魅力はらぁら達と比べても決して見劣りはしていない。そのうえでらぁら達はサインが表示されるため、若干リッチに見えるのが楽しい。キャラクターの格と演出の折り合いのつけ方については『アイドルタイム・プリパラ』は見習うべき点が多い作品だ。

物語はそろそろ1クール目を終えようとしているが、パパラ宿のプリパラにはまだまだ課題が多い。
しかしプリパラは決して「アイドルになるための場所」ではなく、「女の子の夢を叶える場所」であるという事実が周知され始めているなど変革を目前に控えている事は確かだ。ちあ子がヘアメイクアーティストへの道をプリパラで歩み始めるエピソードなどはゆいやらぁら達だけがプリパラを作っていくのではなく、少女達が自分達の意思で自分達の夢を叶えていく事こそがプリパラをより良い場所に変える重要な要素であることを伺わせるもので、『プリパラ』の新たな魅力を発見させるものだったといえる。こうしたエピソードの積み重ねを丁寧に出来るのは4クールアニメだからこその利点で、最高に面白い。
だんだんゆい=そらみスマイルの弟子、にの=ドレッシングパフェの弟子という師弟物の要素を帯びつつあるが、はたしてみちるはガァルマゲドンの弟子になるのか、はたまたトリコロールの弟子になるのか。楽しみにしていきたい。


貴方は何者にも縛られることなく『KING OF PRISM PRIDE the HERO』を見ればいいという話

『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の滑り出しは前作が比較にならないほど好調のようで、既に二桁回視聴の次元へと突入しているファンとしては大変喜ばしい限りだが、その一方で「見ておいた方が楽しめる作品が多すぎる」「見てない作品が多いので自分が見て楽しめるか不安」という声を多く目にした。
なるほど。確かに『PRIDE the HERO』は監督を務めた菱田正和が「全てを込めた」と語っている通り、彼の携わってきた多くの作品の要素が70分の作品とは思えないほど無数に確認することが出来る。
クライマックスの流れは『オーロラドリーム』『ディアマイフューチャー』『レインボーライブ』のクライマックスを逆の順番で展開する(つまりシリーズを遡っていく)構成だし、登場するプリズムジャンプの中には『陰陽大戦記』の要素が盛り込まれている。ストリート系の衣装の一部は『魔神英雄伝ワタル』や『魔動王グランゾート』を彷彿とさせるものだし、観客達の中には菱田監督とは縁も深い『リルリルフェアリル』の五条桜監督似のキャラクターも紛れ込んでいる。
一条シンのプリズムショーに挑む直前のやりとりは明らかに『ラブライブ!』のパロディであり、正直上げ始めるとキリがない。自分のような二桁にようやく到達した程度の人間ですら網羅出来たとは思えない。それほど多くの菱田監督にまつわる要素が本作の中に詰め込まれている。
そうした「出し惜しみせずに自分の全てを叩き込んだ」としか形容できない作品だからこそ自分は「菱田正和の七連続ジャンプ」という表現を用いたわけだが、では本作を楽しむために『KING OF PRISM』以外の知識が必要かというと自分はこう答えるだろう。
「NOだ。貴方がプリズムショーが好きであり、あの物語の続きが気になるのであればまず間違いなく100%楽しむことが出来るだろう」と。

前述したように、本作には確かに菱田正和監督が携わった数多くの作品の要素が数多く見受けられる。
例えばプリズムキングカップの進行役の声優を務めた近藤隆は『オーロラドリーム』『ディアマイフューチャー』に登場した「ショウ」を演じた声優だ。ショウといえば無限ハグを我々の前で一番最初に披露した男子プリズムスタァであり、「『プリティーリズム最終章』と語る本作でショウを演じた近藤隆を連れてきた」という事実にファンとしてぐっと来たりもするわけだが、しかしこの要素を分かったからと言って物語の本筋である「誰がプリズムキングになるのか」「ストリート系の後継者争いの行く末は?」「オバレはどうなってしまうのか」には全く少しも関係ない。小ネタに過ぎないのである。
他の要素にしてもそうである。あくまで「知っていればより味わい深くなる」「笑える」という程度の小ネタであり、菱田監督が「本当に描きたかったもの」「今まで応援してくれた、そしてこれからも応援してくれるファンたちに見せたかったもの」はこれらの小ネタを理解出来なかったからといって色褪せることはない。なので安心して1000円札と500円玉と100円玉を握りしめて映画館に行ってほしい。男達がPRIDEを賭けてぶつかり合う中で誰がプリズムキングになるのかを、そして地球が一体何色なのかをその目で確認して欲しい。『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』はいつでもどんな人でも笑顔で映画館を後に出来る最高のエンターテイメントなのだから。

なお最初に見るのであれば最前列とまでは行かないまでも前寄りの席を確保することをお勧めする。
本作の最大の見せ場であるプリズムショーパートは、会場でステージを見上げる観客の視点に近づけるべく若干煽り気味のアングルになっている。そのため後ろの方の席だと映像と自分の姿勢が合致せずに「臨場感」という意味では少し物足りなさが残る。前の方の席であれば姿勢と映像が合致し、より迫力のあるプリズムショーを堪能することが出来るため、最初に見る場合は最前列ではなくていいものの出来る限り前の方の席で鑑賞していただきたい。きっと最高の体験ができるはずだ。

余談だが、自分はまだ応援上映会に参加できていない。
なぜなら「この映像は自分如きが応援していいものなのか?」という疑念を全く払しょくできておらず、どこから応援に参加していいのか全く読めないからだ。前作が応援上映会勢により新たな楽しみ方を開拓されていく事を受けて、菱田監督は「挑戦状」として本作で幾つか挑戦的な演出を行ったという。しかしながらその全てが「自分が声を発することで作品の大事な部分が壊れてしまうのではないか」という不安感を覚えるものであり、二桁回に突入しても未だに「応援」という形で作品に介入する事が出来ていない。なんだこれ。怖い。
そのうち参加すると思うが、応援上映会を世に広めた作品が本当にとんでもないものになって帰ってきた事に色々な思いを噛み締める次第である。

Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

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  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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    @を半角にして下さい

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