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『Fate/Grand Order』シャーロック・ホームズという理性的な暴力

「神聖円卓領域・キャメロット」や「悪性隔絶魔境・新宿」をクリアした時、多くの人はこう思ったのではないだろうか。
「いつシャーロック・ホームズが召喚されるのだろうか」「そしてシャーロック・ホームズはどのような強さを持つサーヴァントなのだろうか」と。
その想いが脳内を何度も何度も巡り回るほど時間が流れた頃、ようやくこの世界に登場したシャーロック・ホームズは顔と声の良さと裁定者のクラスを与えられているにも関わらず、合理性に富んで理性的に暴力を振るう存在となっていた……!

シャーロック・ホームズの暴力性は、突き詰めて言えば宝具「初歩的なことだ、友よ」の異常なまでの性能の高さに集約される。
真実を解き明かす「名探偵」の象徴であるこの宝具を発動することに成功すれば、あらゆる小細工を無力化され、急所を全て見抜かれた上に攻撃の最適化まで行うことが出来る。具体的には防御無視と無敵貫通とクリティカル威力アップが味方全体に付与され、敵対する相手全員の防御力が信じられないぐらいに下がる。
ひとつづつ順番に見ていくと、防御無視と無敵貫通はすなわち「防御行動の無力化」を意味する。無敵も回避も防御力アップもこのゲームにおいては貴重な「攻撃をやり過ごす方法」であり、その貴重さゆえに誰でも手に入れる事が容易なダビデやマシュが「防御面を考えて育てておいて損はない」と言われるほど重宝されるわけだが、ホームズの宝具の前ではそれらの方法は「小細工」として無力化され、本質を捉えられてしまう。端的に言えば回避や防御力アップと言った「敵がすると面倒な事になる行動」を「行動回数を無駄に消化した」に変えてしまう効果なのだが、これがホームズ一人ではなく味方全員に付与されるのだから何かがおかしい。守りを固めた奴を全員で袋叩きにできるのは英国紳士とは思えない暴力さ加減だ。
加えて同時に付与されるクリティカル威力アップも暴力的だ。マーリンの実装以降は顕著になったが、「積み重ねれば積み重ねるほど宝具が比較対象にすらならないほどのダメージを叩き出すクリティカル威力アップは、高ダメージを狙う上で特に重要なバフの一つなのだが、ホームズはそんなクリティカル威力を高める。
さしづめ「相手の隠したがっている急所を見抜いた」と言ったところだが、その効果時間は3ターンと比較的長め。ブレイクゲージシステムの実装により「1ターンでは絶対に殺し切れない」という局面が増えてきたため、3ターンの効果時間は大変嬉しいし、後述するがNP回収力が高さ故に宝具の重ね掛けすらも可能なので相手の急所に抉りこむような指示を飛ばすホームズは涼しげな顔をして求める事は暴力的だ
最後の防御力ダウンだが、テキストの通りなので特にいう事はない。ただ相手を丸裸同然にした上で相手の急所を仲間に教え、「何でもお見通しだよ」と無言の圧力で動揺を誘って防御を崩す名探偵は真実という刃を振りかざしすぎではないか。理性と共存した暴力的行動である。

以上のように宝具こそがホームズの暴力性を物語っているが、ではスキルや基本性能が低いかというとそうではない辺りが彼の英国紳士らしからぬところだろう。
チャージ増加も宝具発動も行わないバッドステータス「宝具封印状態」を付与しつつクリティカルスターをゴリっと増やす「天賦の見識」、自分あるいは他者が生み出したクリティカルスターを自分に集めつつデバフやバッドステータスを無効化する「仮説推論」、そしてライヘンバッハの滝から落ちた際に彼の身を救った事から回避の付与とアーツカードの強化を同時に行う「バリツ」と使用タイミングが分かりやすく、使いやすいものが揃っている。基本性能も悪くない……というかむしろ強い方に入り、陣地作成EXからくるアーツカードの性能の高さは驚異的だ。バスターやクイックも悪くなく、またルーラーであるためにバーサーカーやアヴェンジャー以外の防御力は高い。全体的に高水準過ぎて弱いところが見当たらないのは暴力的だ。単騎でも前述した二つのクラス以外なら互角以上に戦えるのはおかしいのではないか。攻撃のおまけとして星も地味にジャラジャラ出すし、そのモーションがベネディクト・カンバーバッチではなくロバート・ダウニー・Jr.の方のホームズなのも暴力的だ。そのうちダヴィンチちゃんと悪だくみしてパワードスーツを作りかねない奴である。早くマーベルに協力を取り付けて。ついでにキャスターでストレンジ出して。暴力的に。

残念な点としては「何でもできるぐらい器用なだけにどういう編成が強いのか検討するのに時間がかかる」ということと、宝具を撃つたびにその顔の良さを見せつけられることだろうか。特に後者は本気で回してると2、3ターンに一回ぐらい見ることになるので心臓に悪い。人の地雷は平気で踏み抜くクソ野郎なのになんでお前はそんなに顔がいいのだろうか。

最後に述べておく。こいつを二人並べると違法存在っぷりが跳ね上がるので軽い気持ちでやると大変な事になる。あとWマーリン編成におけるアタッカーとして組み込むともう止まらない。こちらは軽い気持ちでやってほしい。本当に止まらないので。
何にしてもホームズは上手く使えば敵に同情的になるので愉悦マインドを抱きたいときなどに使ってみてはいかがだろうか。


『プリパラ クリスマスドリームライブ2016』のBD/DVDが出たので見どころを書く

2016年12月25日に開催された『プリパラ クリスマスドリームライブ2016』のBD/DVDが発売された。クリスマスに舞パマアンフィシアターで開催された最高のライブをこれからは自宅でもどこでも円盤と再生装置がそこにある限り見ることが出来るようになったのだ。
これはプリズムの女神の祝福であり、女神ジュリィの思し召しである。記憶の中にある最高の体験は今この円盤を再生する事で記録として追体験することが、あの時あの瞬間に居合わせた頃の自分に戻ることが出来るのだ。最高だ。
そんなわけで『プリパラクリスマスドリームライブ2016』の個人的な見どころを書いていく。買う時/視聴するときの参考にしてください。

■Prizmmy☆スペシャルメドレー

まず最初の見どころとして上げたいのはオープニングアクトである「Prizmmy☆スペシャルメドレー」だ。
Prizmmy☆といえば『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』でデビューを果たし、『プリパラ』でもエンディングテーマを担当するなど、『プリティーリズム』と『プリパラ』を繋いできた立役者の一人。悲しい事に2017年3月末に解散してしまったが、そんなPrizmmy☆が『プリパラ』のステージに立っていた数少ない映像資料の一つがこの『プリパラ クリスマスドリームライブ2016』のオープニングアクトなのである。
相変わらずダンスのキレが素晴らしく、メドレーの合間の客の煽り方も気持ちが良い。現地で参加していた時も「開幕からテンションマックス!になるなぁ」と感じていたものだが、今でも若干しんみりとした心持ちにこそなるもののやっぱりテンションは上がってしまう。パフォーマンスの全てがパワフルなんだよなぁ、Prizmmy☆。

■君100%人生

『プリティーリズム』から引き続いて『プリパラ』を見てきた者にとって「山本希望の参加」は「何が何でも現地に行かなければならない理由」の一つになっていたと思うのだが、実際のパフォーマンスにおいても山本希望は凄かった。歌ったのはこの「君100%人生」と五人曲「オムオムライス」だけだったのだが、「コスモの曲は大人っぽい」「オムオムライスは口ずさんでいて気持ちの良いポップな感じ」という割りと要求難易度の高いものをきちんと演じきり、その上で「北条コスモらしさ」がそこにあった。というかほぼ北条コスモだった。ステージ上でカクテルは飲んでないけども(本編のライブパートでは飲んでいる)。
この他、なぜかインフォメーションコーナーで「パンフを適当に開いたら自分のページで上田麗奈に『コスモー!』と弄られて照れる山本希望」「唐突にラップを要求されるというわかる人にしか分からないネタをやらされる山本希望」「上田麗奈、赤﨑千夏と共に、後にうっちゃりビッグバンズを結成する三人らしい息の合いっぷりを見せながら退場していく山本希望」などが見れるので、山本希望ファンは買って見て損はないと思う。

■コノウタトマレイヒ→0-week-old→Mon chouchou

紫京院ひびきと緑風ふわり大好き芸人なので、『クリスマスドリームライブ2015』で紫京院ひびき役の斎賀みつきがサプライズ登場した時には感極まって涙を流しながらサイリウムを振るだけの存在に成り果てたのだが、『クリスマスドリームライブ2016』は流石に事前に知らされていたので心構えはできていた。が、そんな心構えを容赦なくぶち抜いてくるのがエイベックスであり『プリパラ』である。
緑風ふわり役の佐藤あずさが「コノウタトマレイヒ」の中で「貴方が落としたのは金のひびき像?銀のひびき像?」とメイキングドラマの再現をやった流れで斎賀みつき登場。そのまま二人で「コノウタトマレイヒ」のデュエットをやった後、赤﨑千夏が「0-week-old」で場を盛り上げて、最後にトリコロール全員揃っての「Mon chouchou」で殺す。
あまりにも準備周到かつ逃げ場のない構成っぷりに「えげつねぇ」と今でも思うし、「純・アモーレ・愛」をやらないことで「今のひびきはこうですよ」と展開してくるのがまた容赦がない。メドレー形式にすることで流れそのものを意識させるのはもはや暴力だ。最高なので見ろ。

■かりすま~とGIRL☆Year!

終わった直後も思ったが、この『クリスマスドリームライブ2016』のMVPはやはり田中美海だろう。担当していたキャラクターそのものは一年目からずっと出演していたものの、アイドルデビューそのものは三年目ということで『Wake Up, Girls!』にも出演している彼女のパフォーマンスは前々から期待されていたところがあるのだが、彼女はこの『クリスマスドリームライブ2016』でトライアングルの「一人三役」を完璧に演じ分けながらダンスパフォーマンスも完璧というちょっと信じられないような離れ業をやってのけた。器用すぎる。
この後に「シュガーレス×フレンド」でまた違った演技で歌っているのでそちらも合わせて見たいところだが、ひとまず彼女の器用さがわかるので「かりすま~とGIRL☆Year!」の方を見どころとして上げておく。

■ホワット・ア・ワンダプリ・ワールド!!→アラウンド・ザ・プリパランド!

『2015』の時に見たかったものの、「大きな問題が解決したわけでもないし、やるわけにはいかないよなぁ」と思っていた「ホワット・ア・ワンダプリ・ワールド!!」が見れたのはそれだけで最高の体験だったのだが、10人で一つのステージを作り上げる「アラウンド・ザ・プリパランド!」とセットかつメドレーのように接続して展開されたのには度肝を抜かれた。
「天才には天才にしか見れない世界がある」からの「天才と努力家が手を取り合い、一つのものを作り上げる」へ。『プリパラ 2nd season』の最終クールの盛り上がりを表現するかのようなセットリストは本当に美しい。

■エンディングトーク:月川ちり

「かしこまりなさい!」の一言でファミリー席の女児ですら平伏してかしこまっている動画とか、どう考えても面白いに決まっている。

■最後に

そんな『クリスマスドリームライブ』ですが、今年はクリスマスライブではないものの冬のライブがあるので、興味がある方、興味がわいた方は是非来てみてください。メインとなるのは『アイドルタイム・プリパラ』なので、今なら予習は簡単です。

ファン心理を理解しつくした『KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE』

8月9日の無限ハグの日にシンソフィアがリリースした『KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE』は、『KING OF PRISM』初のゲーム化作品だ。
『KING OF PRISM』とは『プリティーリズム』のメディアミックスの一環として制作された『プリティーリズム・レインボーライブ』のスピンオフ作品。少年達が歌とダンスとファッションとフィギュアスケートが融合した一大エンターテイメント「プリズムショー」に己のPRIDEを賭けて打ち込む真摯な姿と、「ぶっ飛んだ」としか表現できないようなジャンプ「プリズムジャンプ」を含めたプリズムショーの演出、そしてまるでライブのような気持ちで作品の世界に飛び込める応援上映会が支持され、2016年を代表する大ヒットコンテンツとなった。
その続編である『KING OF PRISM of HERO』が絶賛公開中のその最中にリリースされた本作は、プリティーリズムの因子――プリズムの煌めきに溢れたゲームに仕上げられている。

本作を一言で表現するのならば「リズムゲーム」になる。元々『KING OF PRISM』はエンディング曲だった「ドラマチックLOVE」を始め、良質な楽曲が多く、また原典に当たる『プリティーリズム』そのものがコーディネートゲームの要素を含むもののリズムゲームだったので、「リズムゲーム」になるのはプリティーリズムの継承者として当然の帰結と言えるのだが、作りそのものの手堅さとは裏腹に演出は『KING OF PRISM』らしく突き抜けている。
本作のリズムゲームパートは一条シンが作中で見せた技「プリズムラッシュ」をモチーフにしており、「画面上に表示されるリングをキャラクターが通過するときにタップする」というシンプルなものとなっている。全部で四つのセクションに分かれ、各セクションの合間には会場に居合わせた観客達に手を振ったりアイコンタクトを送ったりするミニゲームが差し込まれる。もしタイミングよく目を合わせることが出来ればボーナススコアが加算され、プリズムスタァ達はその愛にこたえるためにとびきりのプリズムジャンプを飛んでくれる。レアリティによって派手さは異なるものの、軒並みぶっ飛んだ技名のプリズムジャンプとなっており想像力をくすぐられる。そもそもプリズムジャンプとは心のきらめきで飛ぶものであり、観客も参加できるものであるので想像力を掻き立ててプリズムジャンプの中にダイブさせる演出にしたのは完全に正解だ。
『KING OF PRISM』を見たものなら理解している事だろう。我々は自転車の二人乗りをしたし、プリプリプリズム~したし、「なーにー!?」と返事したはずだ。これらの技名は確かにぶっ飛んでいるが、我々はそんなプリズムジャンプに魅せられた哀れな人間なので思わず「いいね!」を押してしまう。いや「いいね!」は女の子の楽園の言葉なので、ここでは「いいぜ!」が正しいのだが、「いいね!」という事にしておく。
四人チームになると各セクションごとに交代の過程が入り、乱入してくる際のやり取りがまた楽しい。観客達も黄色い声から野太い声まで上げて喜んでくれる辺り、この作品における「ガヤ」というものの大切さをよく理解した音響演出だと言えよう(キンプリではシリーズの伝統として「ガヤ」が一つの注目点となっており、ベテラン声優も新人声優も参加したガヤを毎回制作する。その中で面白いガヤが採用され、作品に当てられているためガヤの面白さも含めてこの作品の魅力だとするファンも多い)。
またリズムゲーム自体もプリティーリズムシリーズに存在したランウェイモードをスマートフォン向けにアレンジしたものであり、譜面調整も悪くない。明らかに『プリパラ』の経験値も反映されているようで若干甘めの判定になっているところも嬉しい。スタミナやライフと言った概念が存在しないのは「我々はスタァのパフォーマンスを見ている」という本作の設計からしても妥当なところだし、落とし込み方はかなり研究されている。このゲーム、ユーザーレベルは「ファンレベル」って言いきられてるんですよ。

リズムゲーム以外の面はというと全体的には素朴な作りで、「可もなく不可もなく」と言ったところだが、逆に言えば悪い点もこれといって見当たらないということであり、好感が持てる作りだが、ガチャ周りだけは何もかもがおかしい。おかしいのだが、そのおかしさがガチャを回す意欲を全力で掻き立ててくる。
本作のガチャ排出アイテムは全て「プリズムスタァ達のブロマイド」という設定で、ガチャを回すとブロマイドが出てくるのだが、なんと「プリズムスタァ達が全力でこちらに走ってきて、手渡ししてくる」という突き抜け方をしている。各キャラクターごとに専用の演出が用意されている辺りが本当に狂おしい。
如月ルヰは白馬に跨って全力ダッシュでやってくるし、一条シンは作中で使用していた自転車でやってくる。ママチャリで全力ダッシュしながら照れ交じりでブロマイドを渡してくるタイガきゅんは可愛いし、十王院カケルはなぜかセグウェイで全力ダッシュしてくる。この他にも色々あるが、余りにもぶっ飛びすぎていてついつい回したくなる気持ちにさせるのが本当に凄いところであり、恐ろしいところであるが、何より恐ろしいのは五連ガチャは一回分の値段が1600円であることだろう。キンプラを一回見たのと同じ値段である。つまり実質無料だ。キンプラを一回見たつもりでガチャが回せるのだ。無料と表現する他になにがあるというのだろうか。

最後にだが、坪田文氏が手掛けるシナリオはどうかというとこれもまた面白いものばかりである。
法月仁が仮面と羽団扇をつけて出てくるシナリオはもう出オチに近いものがあるが、キャラクターごとの掘り下げ方としては面白いものであり、またテレビ番組のフォーマットのものが多いということもあり、ファン解釈の介在する余地を残すなど、ここでもファンの事を気遣ったデザインが光る。メインとなるのは第一作と現在公開中の第二作の合間を繋ぐ物語だが、はたしてどうなるのか。エリートとしては今後も注目していきたい。

Appendix

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■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

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  • Author:水音
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    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

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