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今日のニュースと「故・伊藤計劃『ハーモニー』、日本SF大賞受賞について」

[雑 記]取り急ぎ更新

故・伊藤計劃先生の「ハーモニー」が日本SF大賞に選ばれたようです。

「ハーモニー」は「死すら管理されてしまった管理社会で、二人の少女が自殺を決意する」というディストピアなSF物なのですが、本作は最初に提示されるものが「死」ということもあり非常に考えさせられるものがあります。
なぜそんなに考えさせられるのかといえば、これを執筆していた当時、伊藤計劃氏は「闘病中」だったからです。
今だからこそ分かりますが、伊藤計劃氏は肺がんで亡くなっており、作中で綴られる虚無感は自身の死すら悟っていたんじゃないかと思わせるほどです。
実際それに近い心境にあったのではないでしょうか。
自分がもうすぐ死ぬことを分かっていたからこそ、「ハーモニー」でその思いを物語として提示できたのではないか。
だからこそこの作品で描かれている「死」はこんなにも切ないものなのではないか。
一読者に過ぎない俺などはそう考えてしまうのです。読了後には「死を悟った人間はこんなにも恐ろしい物語を書けるのか……」と戦慄したものです。
同時に「こんなものを書く作家の新作にもう出会えない」という絶望と「俺はなんて馬鹿な男だ。積ん読に突っ込んでおくなんて!」と憤慨を覚えたのですが、まあその辺は「細けぇことはいいんだよ!」精神を発揮し、すっ飛ばしておきまして。
「代表作は『虐殺器官』」と言われていた伊藤計劃氏の代表作に「ハーモニー」が加えられ、こうして賞をとることで皆様に認知され、読まれることが「作家を殺さないでいる」ということなのではないのか、と思う次第です。
これは何の作品だったか、「人は二回死ぬ」という理屈と同じであります。
一つは生命的な死。もう一つは忘却による死。
我々が氏と氏の作品を忘れなければ、伊藤計劃氏はまだまだ人々の中で生き続けることになります。
それはSF作家にとってこれ以上ない供養になるんじゃないでしょうか。
また特別賞を受賞された栗本薫氏についても同じことで、彼女を忘れなければ我々はまた彼女に出会うことができるのです。
文章という奴はデータなどと違い、そこに作者の人柄を投影しますから、忘れなければ本を開く度に彼女、あるいは彼が生きていたことを思い出せるでしょう。
それはきっと素敵なことなのではないかと思います。

なお本テキストは伊藤計劃氏贔屓でありますが、栗本薫氏を敬愛していないなどということはなく、栗本薫氏に関してはきっとどこかで見れますので俺は素直に伊藤計劃氏に愛を捧ぐことと致しました。
どちらも俺が愛する作家でありますことを追記させていただきます。
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  • 2009-12-08

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