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今日のニュースと「これはゾンビですか?」

[雑 記]いいえ、それはゾンビではありません。

一週間待ってください。本物のゾンビを見せてあげますよ。
そんなことを言いたくなるほど、俺のゾンビ愛を総スルーするラノベであった。つかゾンビじゃなくていいし、ゾンビって言いたいだけだろ! 最近のバイオハザードの方がよっぽどゾンビしてるわ!
ゾンビゲーとしては認めたくねぇけどな。(俺はバイオハザード原理主義者なので、アクションになった4以降と映画版はゾンビ作品とは認めません)

そんなわけで内容はさっぱり面白くなかったけど、アニメ化するらしいので『これはゾンビですか?』を読んでみたんですが、ゾンビに慕情なロイスしか取れず、琥珀色の男の夢を追いかけ続けるロンリーウルフな俺様はちとゾンビをなめてるんじゃねぇのか? お前はゾンビ映画を見たことあるのか?と問いたくなったので、ちとゾンビの話。
いやゾンビの生い立ちがブードゥーでただのネクロマンサーの使い魔だとか、昨今のゾンビはロメロが作り上げたものだとか、「初代バイオは古橋が企画に関わっているだけあって、箱庭観がすごいよね」とかそんな話ではなく、ごくごく普通のゾンビ作品の傑作のお話。
俺はゾンビ作品が大好きなので、それなりに数は見てるんですが、やっぱり数を見てくるとそれなりに良と糞の違いがわかってくるもので、その辺を書いておくこととする。
別に他意はない。憂さ晴らしとか全く思ってない。

さっきも書いたけど、「ゾンビ」という存在が現在のような「噛み付かれると、そいつはゾンビになる」「腐乱死体が歩く」「生きている人間を襲う」という設定で語られるようになった理由は、他ならぬゾンビ映画の巨匠、ロメロのおかげであります。
彼以前からゾンビ映画は確かに存在していたものの、現在のような有名な存在とは程遠く、むしろ源流であるブードゥー魔術に近い存在であり、ゾンビが単体で相手になるわけではなく、どちらかといえばゾンビを操る魔術師が相手になることがほとんどでした。
それを「大勢のゾンビが人類に襲いかかる」という「ゾンビ対人類」の構図を展開したのがロメロ監督であります。



彼が作り上げた『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』はゾンビ映画にとってはひとつの革命でした。なにせゾンビが雑魚ではなく、「噛み付かれると増える=昨日の友が今日の敵」的な設定は「下手な行動が敵を増やす」という危機感を創りだしました。
ゾンビは分裂よりも質の悪い性質を帯びたことで、肉体の脆弱さを差し引いて、数を持って人類と戦えるだけの強さを手にしたのです。



そのベクトルで言うなら、同監督の『ゾンビ』を上げなければなりません。この映画はゾンビが発生した世界でどうにかこうにか逃げ延びた人々によるショッピングモールを舞台にしたヒューマンドラマであります。
ゾンビが周囲を囲んでいるので、下手な行動をとればゾンビが増える。とはいえ、ショッピングモールは安全かと言うと、そうではありません。
確かに食料はあるし、水もある。
武器もありますから、ゾンビが入ってきても射殺出来る。
一見すると何ら問題がないように思えるのですが、今作のゾンビはどちらかといえば舞台装置的な役割を果たしており、メインはと言うとショッピングモールという閉鎖空間に閉じこもった極限状態における人間であります。人間が大事ということで、ゾンビ発生下における人間の多種多様、奇抜な行動がきちんと描かれておりまして、自分本位な行動をとるもの。食料を独り占めするもの。ゾンビからの恐怖で錯乱するものなどバリエーションに富んだキャラクター達をもって、ゾンビの恐怖恐怖や閉鎖空間内におけるヒューマンドラマを描いておりました。
ゾンビ映画といえば、前述した『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、そして今作の『ゾンビ』、同監督の『死霊のはらわた』の三つを持ってロメロゾンビ三部作とされるようですが、まあこの辺は古典ですから、興味がある人だけが見ればよろしい。

クトゥルフ神話がダーレスの手によって、体系だてられたことで世に広まったように、大事なのは、ロメロゾンビを面白いと感じ、影響を受け、広めた人達であります。



ええと、その話になるとまずは『バタリアン』でしょうか。
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のオマージュ作品というべき映画でありますが、ゾンビにキャラクター性を与えることでゾンビを属性化することに成功したコメディ映画であります。
まあロメロゾンビにあるような「ゆっくり歩いてくる怖さ」と言うのは薄らぎますし、知能があるのでどっちかつーと怪物映画のノリなのですが、とはいえ、キャラクター性を与えたと言うことは、のちのゾンビ観において多大な影響を与えたことは事実であります。



またシリアス方向では『ドーン・オブ・ザ・デッド』がありますね。
ドーン~はロメロの『ゾンビ』のリメイク作品という位置づけでありますが、ロメロゾンビが人間に主眼を当てたのに対して、本作では純粋なゾンビの怖さを表現しているホラー映画と言ってもいいでしょう。
『バタリアン』でも見られた要素ですが、「走るゾンビ」という要素はロメロゾンビにはなかった要素です。『ゾンビ』のゾンビは愚鈍だからこそ、モールにひきこもった奴らは喧嘩したり出来たわけですが、本作のゾンビは賢くはないものの、とにかく足が速いため、人間程度の脚力では容易に追いつかれてしまうのです。
というわけですから、モールからの脱出は絶望的ですし、「喧嘩している場合じゃねぇな」と人間達もいがみ合うことはありません。
いや一部の人間は勝手な行動をとって周囲を困らせることがあるのですが、それはゾンビ映画のお約束と言っても良い要素ですからおいておくことに致します。
そんなわけですから、「喋って走るゾンビ」の『バタリアン』、「喋らないけど、とにかく肉体が頑強なゾンビ」の『ドーン・オブ・ザ・デッド』の二作は別のベクトルからロメロゾンビというものの解体に向かった作品と言ってもいいでしょう。

しかしながらロメロ的には「あいつら何も分かってねぇな」らしく、のちに『ランド・オブ・ザ・デッド』で「銃を撃つゾンビ」と言う画期的な要素が登場したときには度肝を抜かれたのですが、喋る事と銃を撃つ事がどう違うのかさっぱり分からんので、やっぱり同族嫌悪か悔しかったんじゃなかろうか、と、俺などは思うわけですが。

閉話休題。

日本では『バイオハザード』のヒットの影響で、「ゾンビ」と言う存在が幅広い年代層に知られることになったわけですが、一部のゾンビ好きからは余り評価が高い作品ではありませんでした。何故かと言えば、別にゾンビじゃなくてもいいからですな。
とはいえ、ホラー映画の演出を多分に含み、あの操作性の悪さから来る焦りが面白おかしく見せていたことは事実でありますし、現在にいたるまで様々な続編が作られていることからも、やはり日本における「ゾンビのヒット」要因から『バイオハザード』を外すことはできません。
しかしながら、本家本元である映画業界ではゾンビと言う存在は忘れられつつありました。
様々な監督がゾンビに挑んだことで飽きられつつあったんですな。
そこでロメロは先ほどもあげましたが、『ランド・オブ・ザ・デッド』などのゾンビ映画を作っていたのですが、まあ日本人の中にゾンビ好きは一握りでありますから「カルトムービー」という位置づけで落ち着くこととなりました。
そんなゾンビに風当たりが強い時代の中、イギリスからはエドガー・ライト監督が現れます。



彼が世に送り出したのは『ショーン・オブ・ザ・デッド』という傑作映画であります。
いやマジに傑作映画なので、いちど見ておくことをオススメいたします。
こんな名作が日本未公開と言う現実を映画業界はもう一度噛みしめなければなりませんし、いくら広報が面倒くせェつっても『ホット・ファズ』のような、映画にうるさいアメリカ人が大絶賛している映画を未公開で終わらせようとしたつー辺りは、「日本の映画業界が衰退していくのは当然ではないか」と感じたりなんかしたのですが、まあそれはともかく。
なぜ『ショーン~』が革命だったかといえば、『バタリアン』がロメロゾンビの観念をぶち壊したことで成功したコメディ映画ならば、『ショーン~』はロメロゾンビの観念を守りながら成功した映画だからであります。
いわゆる原点回帰とも言うべき映画でありまして、様々なゾンビ映画のパロディやオマージュを含んでいるのですが、シナリオの元になっているのは『ゾンビ』。つまり、『ドーン~』と同じなんですな。
しかしながら、俺は『ドーン~』がやったことを突破だとするなら、『ショーン~』は昇華何だと思う次第で、随所に『ゾンビ』への愛が感じられるゾンビ映画としての一面を守りつつ、一方できちんとコメディとして消化されている点は『バタリアン』や『ドーン~』になかった要素でした。
またコメディ映画であるためか、新たな層を取り込むことに成功している点など、『ゾンビ映画』と言うカルト的人気しかないジャンルにおいて、エドガー・ライトの功績は計り知れません。
またロメロ監督の『ゾンビ』のリメイクとしては、『ドーン~』よりも評判がよろしいらしく、ロメロ監督は彼らのことを絶賛しておりました。(その結果がランドにおけるゾンビ出演なわけですが、まあその辺は置いておくとして)
かくして『ショーン~』はゾンビ映画の復権に一役買う事となったのでした。

またゲームではアクションゲームへとシフトした結果、ゾンビ分が薄らいでしまい、味気のないものとなったバイオハザードに失望した物達に対して光明が降り注ぎました。
ご存知、『デッドライジング』です。



こちらは『ゾンビ』よろしく、ゾンビが発生しショッピングモールにひきこもった人達を取材しに来たフランクさんを主人公に、「なぜゾンビが発生したのか」と言うそもそもの理由からアメリカの食肉業界を皮肉ったシナリオを展開していく物語でした。
出てくるゾンビはいわゆるロメロゾンビばかりなのですが、ボスがサイコパス=人間である点など、ロメロのゾンビに対するオマージュにあふれておりました。
まあそんなことはどうでも良く、熱したフライパンでゾンビを焼いたり、マネキンでゾンビを殴るお仕事が忙しかったりと、「ゾンビになった人間は人じゃねぇ」といわんばかりにはっちゃけるフランクさんにきゃっきゃする作品でもありましたが。
エンターテイメント性の強い作品ですから、箱○があるなら是非買うべきゲームの一つだと思います。
また『L4D』シリーズはゾンビが圧倒的な強者となりまして、『ドーン~』ゾンビのように素早く走るばかりか、バイオよろしく突然変異体まで登場する始末であり、一人では太刀打ち出来ない存在となりました。
ゾンビ対英雄だった構図を、もう一度ゾンビ対人間に落とし込んだ点は画期的でした。

さてさて。
記憶に新しいところでは『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』が公開されたわけですが、今夏もまたゾンビ映画が公開されるようです。
その名も『サバイバル・オブ・ザ・デッド』!
ゾンビが世界中に発生した中、主人公はとある島を訪れた。
その島は「ゾンビを保護すべき」という集団と「ゾンビはうつるからぶっ殺せ」という集団に別れて、争いを繰り返していた……という、「生きた死体は人間なのか」という問いに挑んでいるようで、いろいろな意味で楽しみな映画であります。
インタビューによると、「西部劇をモチーフにしたんだよ!」とロメロ監督は語っているようなんですが、まあ何にしても「人間→ゾンビ←人間」と言う構図は斬新でありますから、ゾンビ映画好きとしては視聴せねばなりませんのぅ。

また小説では『World War Z』がありますね。
中国で発見されたウィルスがきっかけで誕生したゾンビと人類の死闘から十年後。生き延び、勝利を勝ち取った人達は何を考えていたのか。ということをインタビュー形式で綴ったゾンビ小説の金字塔です。
これはSFとしても高い完成度を誇る本ですので一読することをおすすめします。




まあそんなわけで、『これがゾンビですか?』を読んで失意に暮れた男によるゾンビ映画与太話でした。
我々はゾンビが出現した時のことを考えて行動せねばならないということをよくよく理解していただき、是非この本も読んでいただきたい。



ゾンビってスゲェな……。こんなマニュアルまででるんだぜ……。

まあ何にしてもゾンビは大変いいものですので、是非見ていただきたく思う次第です。
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2件のコメント

[C770]

「ショーンオブザデッド」面白かったですねー。
ロメロのだめなアメリカ人はショッピングセンターに集まるのに大して、
だめなイギリス人はパブに行くのか、とw
オマージュもちゃんとしてるし(ホットファズのオーメン然り)親殺しも含めて、主人公の成長をしっかり描いていて良い作品でした。

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