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悪鬼対悪鬼!善悪相殺が生む修羅の物語――『装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼』


装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼 【書籍】装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼 【書籍】
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先日ニトロプラスの新作として鋼屋ジン氏が脚本を手掛ける『ギルティクラウン ロストクリスマス』が発表されたわけですが、鋼屋ジン氏といえば『デモンベイン』シリーズが有名です。
「荒唐無稽スーパーロボットADV」と銘打たれた『デモンベイン』シリーズは、ニトロプラスの作品としては初めてTVアニメ化を果たし、今もなお根強いファンが多い作品なわけですが、鋼屋ジン氏といえば短編ではドラゴンと少年のセカイを描いた『竜†恋』、コンプティークでは掌小説を連載していたりとマルチな活躍を続けておられますが、そんな鋼屋ジン氏の最新作となるのが本作、『装甲悪鬼村正 妖甲秘聞 鋼』であります。

2009年にニトロプラスが「ニトロプラス十周年記念作品」として世に送り出した『装甲悪鬼村正』の外伝小説となる本作は『村正』本編で断片的に語られていた五百年前の南北朝争乱、その中でも始祖村正と二代村正の戦いに焦点を当てた物語となっております。
本作の鍵となるのは何と言っても『善悪相殺』。
この言葉は村正の根幹をなす重大なキーワードですが、この言葉は端的に言えば「敵を一人殺せば、味方も一人殺さなければならない」という始祖村正、二代村正、三代村正の三種の村正にかけられた呪いの事を指します。
本編ではこの呪いが主人公・湊斗景明を苦しめ、ラスボスを討ち、妹を救う鍵となったわけですが、本作ではこの呪いは「味方を殺す」という効果ににより物語を動かし、物語を締めくくる大事な仕掛けとなっております。
この仕掛けである『善悪相殺』により始祖村正を纏う足利某が狂気に落ちていくのですが、「始祖村正に対抗できるものは二代村正しかない」と言う現実が物語を盛り上げます。
なにせ足利を討てば二代村正は善悪相殺の呪いを発動させてしまう。
この「使わねば世界が滅ぶが、使うと人一人を殺さざるを得ない」という状況と楠木の決断こそがこの物語が肝となるわけですが、この楠木の決断までのドラマが軽快でありながら実に面白い。この辺りは決断主義的ドラマを『竜†恋』で一度執筆している鋼屋ジン氏ならではでしょう。
また奈良原一鉄氏の村正のような武術を極め切った果てに編み出された必殺技が飛び交う武者同士の空中戦とは一味違った、山風小説のような派手でけれん味の効いた必殺技が飛び交う鋼屋ジン氏の武者戦も本作を魅力の一つ。

新たに紡がれる暗黒大河ドラマの前日談。2011年今年おすすめラノベの一冊です。

どうでもいいけど、やっぱり始祖村正は化物だった。
本編ではあれほど強かった二代村正がまさか……。
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