Entries

私的ループ物まとめ

『シュタインズゲート』が劇場版アニメ制作決定だそうで。



最近は「ループ物」が熱いですね!
『シュタインズゲート』は言うまでもありませんが、『魔法少女まどか☆マギカ』もほむら視点から見れば、ループ物に近い物語構造を持つ作品でありましょう。そういえば平成ライダーシリーズでは『ディケイド』と『龍騎』が見事なまでのループ構造の物語でありました。ディケイドは後付けですけど。

個人的に記憶に残っているループ物としては桜坂洋の『All you need is kill』が上がりますね。


All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2004/12/18)
桜坂 洋

商品詳細を見る


得体のしれない未知の生物との戦争に身を置く主人公はある日の任務で絶体絶命の危機に陥る。死を覚悟した彼であったが、気がつくとそこは出撃前のいつもの基地だった――というところから始まる物語なのですが、とりわけ面白かったのは「右も左も分からない新米兵士だった主人公が、ループするたびに熟練兵士へと変わっていく」というところでしょうか。
ループ構造が持つ面白さとして「短い時間を何度もループする事で、起きるイベントを把握してしまい神の視点に近づいていく」というものがありますが、それを「戦争時の結果」という客観的視点で見せられるのが大変面白い。
「最初は足を引っ張るだけだった主人公が、ループにより得られた経験で終盤では絶望的状況下を覆すほどの実力を持つ戦士へと変わっていく」というストーリーラインは非常によく考え抜かれた「ループ物ならではの成長物語」ではないかと思います。

また『シュタインズゲート』と関連付けるのであれば、やはり『紫色のクオリア』は外せないでしょう。


紫色のクオリア (電撃文庫)紫色のクオリア (電撃文庫)
(2009/07/10)
うえお 久光

商品詳細を見る


本作は何を語ってもネタバレになってしまうのが惜しいのですが、「ヒロインを救う」というシュタゲと同じモチベーションを持つ主人公に対して、突きつけられる「ヒロイン側からの視点」が興味深いですね。
あの辺りは00年代の文脈でしばしば語られる『決断主義』の影響を感じますが、あの一回性へのシフトのさせ方は見事の一言。
個人的にTVA『シュタインズゲート』が終わった今だからこそ読んでほしい作品の一つです。

『シュタゲ』と『まどか☆マギカ』に多大な影響を与えている作品としてはニトロプラスの『スマガ』がありますね。


スマガ 通常版スマガ 通常版
(2009/05/22)
Windows

商品詳細を見る


記憶喪失の主人公は死の間際に神様との交渉の末手に入れた「時を巻き戻す能力」を使って、全ての人が笑えるハッピーエンドを目指す――という物語ですが、本作のシナリオを手がけた下倉バイオは『まどか☆マギカ』の脚本家である虚淵玄と同じ会社のシナリオライターであり、『シュタインズゲート』ではプロット監修をやっていたそうな。
「魔女が戦い続け、精神的に摩耗した果てに化物に変わる」という設定や本作の持つループ構造は『まどか☆マギカ』のそれを彷彿とさせます。
インタビューでも何度も言及されていますが、『スマガ』は「神の視点に近づいていく」というループ物の特性を上手く使った「メタループ物」と言うべき物語構造になっており、「ゲーム」というメディア特性を上手く使った本作は近年のループ物を語る上では外せないのではないかと。

一風変わったループ物としては、西澤保彦の『七回死んだ男』辺りが面白かったですね。


七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男 (講談社文庫)
(1998/10/07)
西澤 保彦

商品詳細を見る


死んでしまう祖父を救うべく主人公は時を遡り、祖父を助けようとするが……? というループ物としては王道というべき物語構造を持つ作品でありますが、著者はパズラー・ミステリーの名手と言われる西澤保彦。
「何度も同じ一日を繰り返す」を上手く使ったループ物としては大変ロジカルな抜け方をしており、パズラーとしてはなかなか面白かったのですが、ループ物としてはなによりも『ループ』というシステムに対してある種の解答を出している点は注目すべき点かと。

こうして備忘録がてら書いてきましたが、「不条理を変えるために時間を遡る」が多いループ物ですが、作品によってアプローチの仕方が違うためか、受ける印象も全く違うんですね。
例えば『七回死んだ男』はパズラーと呼ばれる類のミステリーですが、『スマガ』はメタ構造を強く押し出してますし、『All you need is kill』にいたってはミリタリー物と言われてもあんまりおかしくなかったりします。
またSF的な作品が多いと言う事もなく、ジャンルも結構分かれている印象が。もっともループするギミック自体はSF的ギミックが多いんですけど。
今後はもしかしたらSF的ギミックではないループ物も出てくるのかもしれませんね。


Steins;Gate(通常版)Steins;Gate(通常版)
(2011/06/23)
Sony PSP

商品詳細を見る
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/1759-db8d4c33

0件のトラックバック

2件のコメント

[C845]

 ループものと言っていいかどうかは微妙な感じもしますけど、ロバート・A・ハインライン「輪廻の蛇 」は、古典として押さえておきたいですね。
 ゲームでは「ムジュラの仮面」が印象深いです。ゲームは多かれ少なかれループものの一種ではあるのですけど、ムジュラは頭ひとつ抜けている印象です。

[C846]

自分だとCROSS✝CHANNELとYU-NOでした。
  • 2011-09-16
  • うます
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター