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国のために王女は男として生きようとする――『デュランダル 不朽の刃』


デュランダル 1―不朽の刃 (電撃コミックス)デュランダル 1―不朽の刃 (電撃コミックス)
(2011/12/17)
前嶋 重機

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前嶋重機といえば、古橋秀之の<ケイオスヘキサ>三部作の最終巻、『ブライトライツ・ホーリーランド』やロバート・A・ハインラインの『人形つかい』『銀河市民』のイラストを手がけている事でも有名なイラストレーターなのですが、彼の作風を一言で言えば「ごちゃ混ぜだけれど調和的」というところではないでしょうか。
例えば古橋秀之との共著である『蟲忍』は前嶋重機が漫画作品として考案したものを、古橋秀之がライトノベルの形に再構成した作品なのですが、この作品は山風忍者の文脈に異形の神々をその体に宿す蟲忍の活躍を描いており、SF的ガジェットを山風的な使い方で戦うという意味で大変奇抜な作品でありましょう。
俺などは『ブライトライツ・ホーリーランド』で彼の奇抜だけど調和のとれたデザインとSF的ガジェットの発想に度肝を抜かれ、それ以降彼の作品は一通りチェックするようにしております。

そんな前島重機の最新作がこの『デュランダル 不朽の刃』
「地上の王国・グラントリアンの王女セリーヌは、仇敵サンドリヨン伯爵の攻撃から国を守るために髪を切り、男として、王として生きていく決意を固める」というところから始まる本作は作者曰く、「SFロボット嘘っこ百年戦争ファンタジー」。
そのジャンル名の通り「王女は王太子として生きていこうとする」という西洋ファンタジーではありそうな感じの大河ドラマの王道をいく導入ではありますが、月からやってきた機械兵器である機族・カトリーヌ・デュランダルの存在が本作をSFファンタジー風味な作品に。
SF的デザインとファンタジー的なデザイン、この2つは全く違うベクトルですし、SFファンタジーという作品は数あれど、ビジュアル的に成功している作品は数少ないのですが、異なるデザインの代物を見事なまでに束ねてのけ、そこにあるのが普通かのような空気感があり、さすがと唸るしか。
「月世界兵器は旧文明の遺産である」と作中でも明言されておりますが、カトリーヌのモノローグや前嶋重機氏のコメントを見るかぎりではそれだけではないらしく、「機族と人間のドラマ」と「王国を守ろうとするセリーヌのドラマ」。
この2つが「どこで融合するのか」ということと「どこまで上り詰めていくのか」というのは非常に気になるところなんですが、なにやら現状の敵対勢力であるサンドリヨン伯爵の動きも気になりますし、『∀ガンダム』よろしく「機族同士の戦いがあったりするのかなー」というのもまあ気になるわけで。
一巻しか出ていない現在のところじゃ伏線をばらまくだけばらまいた感は半端ないのですが、技術も迫力も世界観が創りだす空気感も頭一つ飛び抜けているので、この『デュランダル 不朽の刃』。
個人的には今後が気になる一冊と言った感じですが、二巻以降が楽しみです。
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