Entries

龍盤七朝から始める最近の武侠作品


龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)龍盤七朝 DRAGONBUSTER 〈02〉 (電撃文庫)
(2012/01/07)
秋山 瑞人

商品詳細を見る


秋山瑞人の『龍盤七朝 DRAGON BUSTER』の二巻が先日発売されました。
2008年に発売された一巻からかれこれ三年と七ヵ月。ようやく発売された第二巻!
一巻の後書きで秋山瑞人が「デストロイ!」連呼してたのでてっきり作品ごとデストロイされて出ないと思っていたのですが、二巻が出てくれたのは嬉しい限り。「後書きでデストロイ書かれた秋山瑞人作品は打ち切られる」というジンクスが見事なまでに破られたわけで、この調子で第三巻を出来れば今回のような数年後とかではなく、もっと早く出して欲しいところであります。
面白かったので! 無茶苦茶いいところで終わってるので!
一巻も合わせてどうぞ!


龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)
(2008/05/10)
秋山 瑞人

商品詳細を見る


さて本作は龍盤七朝というシリーズの一作であることはご存知のとおり。
『ブラックロッド』や『超妹大戦シスマゲドン』で知られる古橋秀之とのシェアードワールド企画であり、この企画は「同一世界観のもとで二人の著者により全く異なる物語が紡がれる」という壮大な企画となっております。
つまり秋山瑞人が『DRAGON BUSTER』で物語を描いている一方で、古橋秀之は全く別の物語を進めているのです。
そんな古橋秀之の龍盤七朝がこの『ケルベロス』


龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)
(2009/12/16)
古橋 秀之

商品詳細を見る


DRAGON BUSTERはお姫様と貧民の少年の物語であるのですが、ケルベロスは化物を喰らう一頭の獣、ケルベロス。このケルベロスの誕生と活躍を描く!というのがコンセプト。本作を読めばより一層『DRAGON BUSTER』を楽しむことが出来るわけですが、ちょっとばかし作風が違いすぎるわけです。
もちろん作者の違いというのもあるんですが、この二作は「中華ファンタジー」という触れ込みにも関わらず、あまりにも武侠小説すぎるんですよねぇ。

武侠小説とは己の信条に従い、武術を修めた任侠の活躍を描いた中国の娯楽小説群のこと。中国語圏内では有名なジャンルであり、武侠小説の金字塔ともいわれる有名作家、金庸などは中国語圏内であればどこでもあると言われるほどの絶大な支持を誇ります。
物語としては様々なので一概に傾向を述べることはできませんが、多くの場合は武術を修めた武人が登場し、外功や内功といった「気」を用いたアクション作品であることが多いです。
最近の武侠小説で言うと『覇道鋼鉄テッカイオー』辺りが思い浮かびますね。


覇道鋼鉄テッカイオー (集英社スーパーダッシュ文庫)覇道鋼鉄テッカイオー (集英社スーパーダッシュ文庫)
(2011/11/25)
八針 来夏

商品詳細を見る


「心身を極限まで鍛え上げた武侠の少年が武侠にしか操れないロボットに乗り込んで戦う!」というスーパーロボット物のような感じですが、内功や外功、気の概念だけでなく、なにより「強い義侠心を持つ」主人公たちですから、舞台が多少SFチックとはいってもジャンル的には武侠小説だと言えましょう。
またSFチックな武侠だと『サイバーパンク武侠片 鬼哭街』がありますね。


鬼哭街鬼哭街
(2011/05/27)
Windows

商品詳細を見る


妹を殺したかつての戦友たちを殺すべく舞い戻ってきた侠客、コンタオローの復讐劇を描いた本作は「サイバーパンク世界観で武侠物」という一作。
武侠小説に出てくる者達はもれなく超人アクションを得意としているのですが、今作に出てくるのは主人公を除いてほぼ全て身体を機械に置き換えたサイボーグ達ばかり。機械化したことで音速を超えた生身では到底できない速度の攻撃と機械ゆえの強靭な肉体を持つ彼らに、内功しか使えないコンタオローが挑む!という構図がまた面白いわけです。
「肉体面での強さ」は武侠小説的には「外功」と言われるわけですが、サイボーグである敵とコンタオローでは明らかに敵の方が外交では上。しかしながら外功だけでは真の強さとは言えないのが武侠世界。内功の達人であるコンタオローと後天的とはいえ、外功に長けたサイボーグ軍団との死闘はまさしく武侠小説のそれでありましょう。
血反吐も吐くよ! 武侠だもの!

今まで上げたタイトルは変化球も変化球なんですが、正統派だと『武林クロスロード』がありますね。


武林クロスロード (ガガガ文庫)武林クロスロード (ガガガ文庫)
(2007/05/24)
深見 真

商品詳細を見る


邪智暴虐のルカン朝を打倒すべく最強の武術家に弟子入りした少女の活躍を描いた本作はまあ、正統派というか乱世を舞台にした作品が多い武侠小説の定義には一応当てはまりますし、王道の成長物語としての構成はなんというか、金庸の『侠客行』を彷彿とさせます。
まあ深見真先生といえばエロスとバイオレンスですから、本作もまたそのあたりは徹底的にバイオレンスかつエロティック。そもそもふたなりという単語がライトノベルで許されるのかどうか。
まあ中華思想的には陰陽の両方の特徴を持つということである意味最強の存在であることは否定しませんが、しかしながらこれは……。
まあ「王道の武侠小説」ってことならこれがまず思い浮かぶ俺もどうかと思うんですけど。




そんなわけで「最近の武侠物」と言う定義ならこの辺りが個人的に「武侠だなー」と思った作品であります。
どれも面白いよ! 最後だけは物凄く人を選ぶ気がしますが。

なお「エロゲとラノベばかりでガチな武侠物あげてないじゃないか?」と言う意見は受け付けません。
だって、だって……本場の武侠小説は……殆ど絶版じゃねーか!!!!
手に入らないものは俺も紹介できんわ!

おまけ。
「『覇道鋼鉄テッカイオー』が予想以上に武侠だった」という俺の感想に、「星方武侠よりは武侠している」と返した平和さんはさすがだった。
星方武侠アウトロースターなんてマイナー作品もいいところじゃないか……。
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/1772-21ed6da8

0件のトラックバック

3件のコメント

[C876] この定義で

武侠小説ということにすると、忍殺が完璧に武侠カテに。

[C877]

テッカイオーが武侠チックとは初耳。さっそく買ってみます。

ちなみにガチ系では古龍のマーベラスツインや陸小鳳シリーズ、柳残陽の梟覇なんかは、まだAmazonで入手可能でしたよ。(2012年1月14日現在)
あと古橋秀之のノウェムも。

しかし武侠ものってはまだマイナージャンルなのだろうか。
今年こそラノベや漫画でも流行って欲しい……。
  • 2012-01-14
  • 左右左
  • URL
  • 編集

[C1041] 承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター