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『プリキュアNewStage』に見る「プリキュアってなんだろう」と言う話


映画プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち 主題歌シングル映画プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち 主題歌シングル
(2012/03/14)
池田彩 工藤真由、工藤真由 他

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日曜日に『プリキュアオールスターズ New Stage みらいのともだち』を見てきたんだけど、いやー面白かった。
今までの『プリキュアオールスターズ』はお祭り的な側面が強くて、「今年のプリキュアが先輩プリキュアと共演」以上の価値を俺は見いだせなかったんですが、今回は一本の映画として大変良いものだったかと。
脚本も演出もカチッとハマっていて、「お祭りの勢いで押し切る」ではなくて、「全体としての完成度」を高めてきている。毎年「今年も見に行くかなー」と惰性で見に行っていたんですが、今回は見に行って正解だったなー。
あまりにも面白かったので、今回はソフトを衝動買いしそうな恐怖との戦いが。店頭で見かけたら財布の中身が許すなら買ってしまいそうでこわい。

で、今回のプリキュアが良かった点は大きく分けて二つ。

一つ目は『女の子は誰でもプリキュアになれる』というテーマを持ってきたこと。
『プリキュア』と言う作品は毎年毎年様々なヒロイン像を創り上げ、全く異なるドラマを創り上げてきた作品なんだけど、概ねどの作品も「普通の女の子が偶然プリキュアになって戦うことになる」と言う作品だった。
もっとも『プリキュア』でそれらのテーマは表層に現れることはなく、あくまで潜在的に受け継がれてきたテーマなんだけど、俺は「プリキュアを構成する最も重要な要素の一つ」だと思っている。
この辺は人それぞれなので完全に余談なんだけど、「祖母がラスボスを封印したプリキュアだった」「父親が敵組織の幹部」という「因縁」の概念を持ち込んだ『ハートキャッチ!』は俺の中では異端であり、「プリキュアらしくないプリキュア」「プリキュア史上最もセーラームーンに近いプリキュア」だと俺は解釈していて、「フレッシュ!で一区切り継いた後の転換期の作品」としてちょっと特別視はいる。
まあ余談なのでその話は今回はしないけど、要するに俺は「女の子は誰でもプリキュアになれる」はプリキュアの共通テーマだと考えているわけなんだけど、『New stage』ではあえてそのテーマを中核に据えたドラマ展開をしている。
その結果が主人公がプリキュアではなく「プリキュアが好きな普通の女の子」だし、歴代プリキュアも脇役程度で今回のドラマでは中心に立つことがなく話を終えてしまうのだけれど、この「プリキュアが好きな普通の女の子」って本来のターゲット層である「女の子」のことで、それが「誰でもプリキュアになれる」というテーマにつながってくる。『プリキュア好きの普通の女の子』であるあゆみが、勇気を振り絞って「頑張る事」で「プリキュアと共闘する」というシチュエーションは、「特別な女の子だから頑張れる」ではなくて「普通の女の子でも頑張ればプリキュアと同じことができる」と言う意味になってくる。
だからこそ今回の『New stage』は熱い。
「英雄的存在としか描かれて来なかったプリキュア」が「実はちょっと頑張れるだけの普通の女の子なんだ!=だから君もプリキュアになれるんだ!」という着地点を与え、きちんと展開した上で「普通の女の子が頑張る話」に落とし込んでいて、「その頑張りが報われた瞬間」をカタルシスにしていた。
「そういう意味でいうとプリキュアの映画としては失格ではないか?」と思うかもしれないけど、俺はそうは思わない。「誰でもプリキュアになれる」と言うテーマは「あゆみだけでなく、今劇場を見ている君もプリキュアなんだ」と言う事なんだから、これも立派なプリキュアなんだろう。

二つ目はキャラ同士の対比がきちんとできていたこと
今回の主人公は先程も上げたように「プリキュア好きの普通の女の子」であるあゆみちゃんなんだけど、このあゆみちゃんは明らかに『スマイルプリキュア』のみゆきと対になるタイプのキャラクターとして作られている気がするんだよなぁ。
作中では「転校生」と言う属性しか共通項が見えてこないんだけど、みゆきというか『スマイル』勢は「普通の女の子っぽさ」があって、今までのプリキュアのような「運動神経は抜群」や「料理の腕は凄い」とかそういう属性は殆ど無い。
「絵が上手い」ということになっているやよいですらそれで持ち上げられることはなくて、「ちょっと絵がうまい女の子」ぐらいのキャラクター付けになっている。
まあこの辺りはいずみのさんが『スマイル』の四話までの分析でも書いていることではあるんだけど、

ピアノファイア:新番組『スマイルプリキュア!』4話までの雑感

そんな「普通の女の子」で「転校生」のあゆみとプリキュアであるみゆきがドラマとしてはこの二人がきちんと対比になっていて、あゆみとみゆきは同じ立ち位置なのに「みゆきには友だちがいるけど、あゆみは友達がいない」という事がきちんと描写されている。
それを踏まえて個人的に熱かったのは「私はプリキュアじゃないから……」というあゆみに対するみゆきの切り返しで、みゆきは「プリキュアは特別な女の子じゃない。頑張る女の子は誰だってプリキュアになれる!」と切り返す。
これが熱くて、みゆきは転校初日から友達を作れたわけだけど、これは彼女自身がプリキュアになれるような特別な存在だったからではないんだよね。むしろあかねややよいなど、他の人の力を借りた上で勇気を出して頑張ったから友達が出来た。
彼女自身の人柄もあるんだろうけど、少なくともみゆきは自分のステージで前に進んだから友達を獲得するに至った。
それが「あなたは特別だから!」というあゆみの意見に、少なくとも普通の女の子として描かれているみゆきが「特別なんかじゃない!=あなたもプリキュアになれるんだよ」と言ってのけるシーンにつながってくる。
だからこのシーンは凄く印象に残る作りになっていて、他のシーンに比べるとちょっと長めに構成されているんじゃないかな。


まあ今までの『オールスターズ』に比べると、お祭り感は薄く『フレッシュ』以前のプリキュアは一言も喋らないなど従来の『オールスターズ』らしさを期待すると期待はずれかもしれないんですが、映画としては上質かつ凄くいい物語なので、興味があるなら見に行っても損はしないんじゃないかな!
俺は凄く楽しめたよ!
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