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アニオタのための小林靖子講座

夏のアメコミ映画ラッシュの第一弾らしき『ダークナイト・ライジング』を見てきたわけなんだけど、この作品の評価が賛否両論になっているのは『ダークナイト』の続編!と言う意識で見るか、ダークナイト三部作の最終章!と言う意識で見るかの違いではないかと思った。
まあシナリオの運び方にちょっと粗があるのは事実なのでとやかくいう事ではないんだけど、俺はダークナイト三部作の最終章としてちゃんと「終わった」という事実があり、「バットマンの世界」にバットマンを、そしてゴッサムシティを還しているので非常に満足の行く一本だったと、アメコミが好きな一人の人間として言っておきたい。
というか全体的にデザインが素晴らしい。
今回のバットモービルのデザインもそうだけど、とりわけ語っておきたいのはキャットウーマン。
アン・ハサウェイ演じるキャットウーマンのデザインたるや、ここ最近のアメコミスーツの中では一、ニを争う素敵さ。
ケレン味あふれる元のデザインをああまで見事にリアルな方向にデザインし直されると文句のつけようがない。「アイマスクを上げるとシルエットが猫耳になる」という「二つのガジェットを一つのガジェットに詰め込む」というので、「正面から」と「横から」は正直盲点だったなぁ。
こういう三次元的なガジェットは実写であるからこその魅力なのでないだろうか。

さて、『ジョジョ』がアニメ化するというニュースが流れてから数ヶ月が経ちますが、アニメのスタッフが発表されたそうな。
公式サイトにはまだ乗ってないけどな! 反映遅いよ!

TVAジョジョの奇妙な冒険公式サイト

あくまで風の噂なんだけど、シリーズ構成は小林靖子らしいね。
どうもPVを見る限りだと一部だけアニメ化っぽいんだけど、まさか小林靖子がシリーズ構成になるとは。

小林靖子といえば現在放送中の『特命戦隊ゴーバスターズ』や『仮面ライダー電王』などの特撮作品を数多く手がけた経歴を持つ脚本家で、バトルロイヤル物のブームのキッカケの一つとなった『仮面ライダー龍騎』のあの結末を描き、『電王』では特撮好きのみならずそれ以外の客層にも支持される作品を生み出してきたお方。
その芸風は「『強さ』『正しさ』は自分で獲得するもの」というポリシーから来る「人間臭さ」ではないかと。
『仮面ライダーオーズ』では『欲望』という「生きる活力」とも言える題材を描き切っておりますし、『龍騎』では「願いに命をかける仮面ライダー達」を多方面から描いており、近年ではかなり定評がある脚本家なんだけど、では今回の『ジョジョ』のシリーズ構成がアニメ初の仕事かというとそうではありません。

例えば劇場版『トライガン』とか!


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小野坂昌也、速水奨 他

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これも小林靖子脚本で、これが結構出来が良くて俺は好きです。
『トライガン』といえば内藤泰弘の作品であり、過去にはTVアニメ化もされているんだけど、この『劇場版』はTVA本編とも原作とも関係ない作品。いや正確には原作やTVA版の「どこに挟まっていてもおかしくないエピソード」であり、本編で取り上げられるようなヴァッシュやウルフウッドの暗い部分などは一切なし!
あるのはスラップスティックでマカロニ・ウエスタン!というトライガン初期の明るく楽しく愉快な世界でした。そんな初期の芸風をそのまま継承した本作は、いつものようにどこに行くまでもなく旅を続けるヴァッシュが旅の中でアメリアと出会うのだが、彼女が狙うのは賞金首、ガスバック。しかしこのガスバックはかつてヴァッシュが命を救った男だった!というあらすじ。
先程も書いたようにこの作品は愉快な西部劇でありそれほど暗い要素はないんだけど、原作のテイストを存分に盛り込み、キャラクターの挙動一つ一つがそれらの伏線のように感じられる芸風は流石の一言。
一時間半という映画としては短い時間の中にトライガンの面白さを凝縮した本作は小林靖子の構成力とエピソードの抽出力を端的に表した一本ではないかと思います。

あとは『ウィッチブレイド』も俺は好きだよ!


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「原作のアメコミを設定だけ取り出して日本風に作りなおした!」という東映版スパイダーマンのようなことをやっている本作ですが、ウィッチブレイドに選ばれた母とその娘の関係性に焦点を当てたこの作品は、派手なアクションやエロスティックなデザインもさることながら、小林靖子の特徴の一つである「さりげなく挿入される女性的な視点」がいいんですよねぇ。
『DTB流星の双子』では蘇芳の初経シーンがあって、あれを入れようと発案したのは岡田麿里だったらしいんですが、この作品も女性脚本家ならではの視点が随所にあって、ウィッチブレイドの力によりどんどん人間じゃなくなっていく母の決意や覚悟を「母である」というアイデンティティを崩壊させずに描き切れたのは小林靖子だったからこそではないかと思います。
また敵ウィッチブレイドの描き方も見事であり、あれはあれで「女性らしい」キャラであり、そういう「女性二人」という構図は女性らしい視点で描かれたことでキャットファイト的なモノでも憎悪入り混じったものでもない、また別の魅力あふれる構図になっていたと俺は感じましたねー。


個人的にはこの他に『ブラスレイター』を加えたくもあるんですが、とりあえず「小林靖子」と言う脚本家のアニメ作品ではこの二本がお気に入りですねー。
機会があればどこかで見てほしくもあるんですが難しいかなぁ。

無理だったら『仮面ライダー龍騎』と『未来戦隊タイムレンジャー』でジョジョの重要な要素である「受け継がれていく想い」に対する小林靖子解釈を深めるためにも見るといいかもしれません!

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6件のコメント

[C1042]

ライジングのせいで渋っていたビギンズを即座に購入してしまいました。例によっての核兵器を舐めてるハリウッド描写も楽しかったです。ゴッサムの海は確実に終了しました!
X-MENファーストジェネレーション三部作(予定)といい、来年公開のマン・オブ・スティールといいアメコミ映画が最近気になりすぎてたまりません。

[C1394] クレイモアとブラスレイター

「クレイモア」は原作どうりに話が進んでいたときは最高だったがアニメオリジナルの終わり方が最低だった。
覚醒者をさんざん倒してきたクレアが、とうとうラスボスにたどり着き、倒せるところで、ラキが
「殺しちゃダメ、殺したらクレアもプリシラと同じになる」などと、戦後レジームの塊みたいなわけのわからないセリフですがって、
結局説得されたクレアはプリシラに止めをさせなかった。
テレサだけの問題じゃない、死んでいった仲間は、それまで軽く殺されていた覚醒者たちは、この先プリシラに殺されるだろう人々はどうなるの?
この整合性のないラスト、書いたのは小林靖子では?
おかげで、クレイモアは最高から最低のクソ作品に転落。
ラキは多くの視聴者に嫌われた。
ほんとうにほんとうに残念だった。
ブラスレイターも最初は面白かったのに、結局はわけのわからないことに。
ということで、わたしの中では小林靖子は要注意人物になりました。
進撃の巨人が心配。
  • 2013-08-21
  • ぴ~ひゃら
  • URL
  • 編集

[C1411]  

進撃の巨人ではそれまでの展開、台詞、流れ、設定無視の最悪なオリジナル突っ込んできたよ。もう特撮だけやっててよ

[C1413]

>>核兵器

メリケンの核兵器なめてんだろ描写を愛せる大人になりたいです。

>>ぴ~ひゃらさん

寡聞にして浅学な人間ですので、『クレイモア』は視聴しておりませんので、それについてはコメントしかねます。
また『BLASSREITER』についてはあれでいいんじゃないかと思っている人間でして、自身もそれ以上にひどい目にあっておきながら人を恨まずに罪を罰したジョセフはそれなりに美しい結末をもたらしたと思っております。
またそこそこ信頼出来る筋から色々聞いていると、虚淵玄が脚本を放り投げたので小林靖子に出番が回ってきたらしく、それが本当だとすればむしろ上手くやった方ではないかと思っております。

>>進撃の巨人

『プリリズ』と『アイカツ』にうつつを抜かしているので、今期で視聴している数少ないアニメなんですが、個人的には展開も流れも台詞も設定も無視しているとは全く感じられません。
もしそう思うだけの理由があるのならば、具体的にどこのどういうシーンが気に入らなかったのか教えていただきたいと思っております。
  • 2013-09-28
  • 水音
  • URL
  • 編集

[C1419]

触れられてないけどシャナも台無しにしたからね、この人。
進撃も案の定微妙なアニオリ入れてきたし、ほんともうこの人はのしつけて特撮にお返ししたい。

[C1420] Re: タイトルなし

上でコメントをつけている方と同じ方でしょうか。
違う方でしたらごめんなさいなんですが、ともかく「小林靖子脚本作品でこういう作品が面白いよ」という記事に対して、「小林靖子という脚本家はオリジナル展開をぶち込んで台無しにしてくる脚本家だ」という話をして何がしたいんでしょうか。
俺に「小林靖子はダメな脚本家だ」と思わせたいのでしょうか?
だとすれば「アニメという作品は集団制作物であり、良いも悪いも脚本家一人が全て悪いというわけではない」ということをもうちょっと理解されたほうがいいのではないかと思います。脚本家が上げてきた脚本を採用するかどうかは監督やプロデューサーなどといった存在に任されているわけですし、その脚本についても打合せた上でやっている。である以上、脚本家は確かに細かい辻褄合わせや言葉選び、セリフ回し、描写の端々に対する演技の指導については関わっているでしょうが、大きな流れについては脚本家一人が本当に独断で決定していると考えるのは些か無理があるのではないでしょうか。
最初にも書きましたが、俺がこの記事で書いているのは「小林靖子が脚本家としてどう優れているか」ではなく「小林靖子脚本作品で個人的なオススメはこれだ」という事です。そこにわざわざやってきて、あなたが個人のスペースを借りる形で「小林靖子はダメな脚本家だ」といくら主張されても、それを受け取る側がどのように見るのでしょうか。少なくとも俺は「記事の趣旨を理解していない人」という印象しか残らないように思います。少なくとも書いた本人である俺は「趣旨を理解していない人だ」としか思っていませんし、あなたの主張がある程度同意できる部分がある(シャナに関しては俺も間延びしていると思っているので)とはいえ、こちらの話を聞いてない人の主張にわざわざ付き合いたいとは思わないです。

ついでに反論しておきますが、進撃の巨人のオリジナル展開について文句をつけておられますが、進撃の巨人の場合作者と綿密な打ち合わせをした上でのアニメ化である以上、作者の要望を汲み取った上で追加されたアニメオリジナルのシーンが結構多いわけです。
それらを全てとは言わずともいくつかは把握した上で「微妙」という判断をされているんでしょうか。もちろんこの「微妙だ」というのは個人の意見ですから尊重はしますが、あなたはわざわざ小林靖子個人を名指しして指摘しておられるのですから当然小林靖子が独断でやったことだとある程度の確信を持って主張しておられるのだと思います。であるのならば、何を根拠に「小林靖子の独断」であると言っておられるのでしょうか。
あなたの主張は全てあなた個人の心象のみで構成されているおりその辺りの根拠が見えてこない以上、進撃の巨人のオリジナル要素を肯定的に見ている人間としてはあなたの言うことは理解できないというしかありません。
  • 2013-10-01
  • 水音
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