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『ラブライブ』十話の他者との絡みがキャラの深みを生むという事について

「合宿回だからネタ出てくるかなー」と放送直前まで不安で内容確認してからも更新するかどうか迷ったんだけど、せっかく真姫ちゃんに焦点があたったわけだし組み合わせの面白さとそこで生まれる化学反応についてはあんまり書いたことがないので書いておくこととする。
念のため言っておくが、俺は百合は大好きなのだがそこにストーリー上の必然性が無いとあんまり萌えないという悪癖があって、これは「物語」と「キャラクター」というのは基本的にワンセットで語られるものだという意識があるから。
会話劇と呼ばれる作劇手法が支持されている今なら別に言わなくてもわかると思うが「会話劇」という作劇手法において「キャラクターの関係性」というのはそれだけでドラマになり得るわけで、そこについてあんまり突っ込んだ話はTwitterでもしてないからひとまず書いておくというだけだ。
べ、べつに真姫ちゃんが好きだから記事を書くわけじゃないんだから!と、もはや陳腐な物と成り果てたツンデレの定型句を持ってお茶を濁そうとするのは単なる照れです。真姫ちゃん推しとしては今週の終盤での希とのアイコンタクトは大変好み。愛してると言っても過言ではない。万歳。



さて。『ラブライブ!』十話は「μ's一行が合宿に行く中で先輩・後輩という学校ありきの関係性から脱却し、対等な立場へと変化していく中で素直になれない真姫がその関係性を変化させていく」といった筋立てであり、九話が箸休めだったのなら十話は関係性を一歩先に進めるという意味では大事なエピソードだった。
この辺りの関係性というのは既にCDドラマやらなんやらでは既に変化した後だけ提示されており、いつ変化するのか楽しみにしていたのだが合宿と絡めて処理をするというのは、部活ものっぽさの混ぜ込み方といい好物だなぁ。
あとさり気なく水着もあったが艶かしく描く気はなさそうなのも個人的にいいんだが、この辺りは『リスアニ!』のインタビューでも語っている通り「女性から見ても不快感がない」の延長線じゃないかと思われる。
いや本当のところは知らないが。どうでもいいが足まわりの描き方は正直偏愛的だと思う。

で、今週気になったのはキャラクター同士の組み合わせによる化学変化というところ。
キャラクターというのは他のキャラクターとの関係性があってこそ成立する概念だと俺は考えているわけなのだが、キャラクターがいくら自分を評価してもそれは主観的なものでしか無いし自己評価にしかならない。もっと言えばキャラクターとしてはよくわからない。
「周りからどう思われているか」「どういう価値観を持っているか」というのは他のキャラクターいなければ分かりようがない。
そもそもキャラクターを一人いくら作りこんでもそれは設定の集合体でしかなくて、「キャラクターが立つ」だの「キャラクターが生きている」だの言われるものは大体「他のキャラクターと絡ませた時にどういう反応が返ってくるのか」というのが分かるという事ではないかと思うし、そうなってくると「キャラクター」という物自体が「他のキャラクターの存在なしには成立しない概念だといってもけして言い過ぎではないはずだ。(別に読者の視点でもいいんだけど、そもそも読者の視点というのは撮影者の視点通してるから他のキャラと言い切っても問題ないような気もする)
でだ。『ラブライブ』というコンテンツはアニメ化や漫画化以前はCDドラマやPVや電撃G'sマガジンのショートストーリーでしかキャラクターを確認することが出来なかったわけなのだが、それでも俺がアニメや漫画を見て「早々こういうキャラクター」と思うのはなぜかというと、PVやCDドラマできちんと「キャラクター同士が会話している」という事がされており、設定レベルで描かれている「花陽と凛は仲良し」がきちんと描写として存在しているからこそ「仲が良い」という設定が拾われているように思うし、そもそも「仲が良い」という事も曖昧な概念だしさ!きちんと描写しないと彼女達の関係性が見えてこないことではあると思うんだけどな!
凛・花陽の仲の良さとことり・穂乃果・海未の仲の良さは人数以外にも違うものがあるわけで、そこを「仲が良い友達」という設定だけの事にしておくのか、それともきちんと描写してその違いを理解させるのかでイメージというのはかなり変わってくるわけで。
また絡ませたことがないキャラ同士が絡むことで別の一面が見えてくるということもあり、今回のアニメ版『ラブライブ』十話ではその辺りの「今まで絡んだ者同士」と「今まで絡んだことがない者同士」が一話の中できちんと描写されており、今まで絡んだことがない希・真姫を組み合わせた事による化学変化で別の一面が垣間見える一話だったのではないだろうか。

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で、μ's自体は「廃校を阻止しよう」という共通目的を持っていて、だから『僕らのLive 君とのLife』では「胸に描く場所は同じ」という歌詞があるんだけど、真姫・希のアニメ版での共通点というのはどちらも「影からμ'sを応援してきた存在である」ということだ。
真姫は四話でμ'sに加入したとはいえ、加入前は楽曲制作などによる支援に徹していたし、希も危機に陥ったμ'sにアドバイスしたりとどちらも「μ'sを陰ながら応援してきた存在」として描写されている。
そんな二人だからこそ組み合わせることでμ'sに対する想い入れというか認識が深められるし、なにより俺にとっては希の「見守ってきた」というのがファン心理とシンクロしていいシーンのように感じられた次第。
ああいう含みのある演出は大体好きな演出だが、ああいう「今まで見てきた人間だから共有できる感情」というのは連続性が強いTVアニメだから成立すると思うの。
そういえば今回脚本が花田十輝だけじゃなくてCDドラマを全般的に手がけている子安秀明が参加しているのだが、そのせいかキャラクターの描写の仕方が少し違った雰囲気だったようにも思う。
なぜ今回だけという話になると思うのだが、今回は実は繊細な真姫の内面に踏み込んでいく物語構成なので、CDドラマから参加している子安秀明が参加するのは自然な流れといえば自然な流れではある。
打ち解けて名前を呼ぶまでの過程はハッタリで押し切らずに丁寧に描写されていて、古田丈二絵コンテの躊躇する様子を目の動きだけで描写するというのが個人的にはハッタリが効いていて素敵。
こういうのでいいんだよこういうので。

そういえば十話は海で合宿回ということもあって、全体的に『夏色えがおで1,2,Jump』のパロディが多かったように思う。
九話辺りから既存PVから拾ってくるネタが多くなっていたように思う。俺も九話の段階で指摘しているのだが、最後に挿入されたカットは『WONDERFUL RUSH』に繋がる要素が散りばめられていたし、今回も海で合宿という辺りから『夏色えがお』のネタは仕込んでくると思っていたが、「ここでしかやるところないから!」と言わんばかりに挿入してきていてスタッフの愛し方がよくわかるというものである。
まあ水着は全部『夏色えがお』で使われたものと違うから、『夏色えがお』にはどうやってもつながらないんだけどな!

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よく考えりゃ八話の『僕らのLive 君とのLife』ですらそういう「PVそのものではない」という方向性だし、今回の十話での私服は『WONDERFUL RUSH』で登場した私服そのものという辺りから見ても、『夏色えがお』のセルフパロディもまたサービス的な側面が強いんじゃないかなーと思うところ。
ああいうセルフパロディというネタは一歩間違えば新規ファン(というかアニメだけ見ているファン)に取っては嫌味にしかならないと思うのだが、あれを嫌味に感じさせてないという辺りの匙加減の絶妙さはパロディ好きすぎて、真面目な話にすらパロディを混ぜ込まざるをえない者としては見習っていきたいところではある。
例え引用元が日常を切り取ったカットであっても、あのさり気なく挿入されて「気づくやつだけ気づけ」というある意味強気ともとれるスタイル! それでいながらちゃんと分かるようになっているというバランス感覚!
スタッフからもああいう愛し方をされているコンテンツなんだなーということがよく分かる映像なので、俺は好き。死ぬほど好き。

あとテーマ的な話をしておくと、今回スポットを当てられた西木野真姫というキャラクターは元々「親の期待に応え続けなければならない=いい子であり続けることを強いられている」という物語付(この辺りは四話でも示唆されている)をされていて、それがいい子であり続けるがゆえに周囲と壁を作ってしまう=素直になれない、歳相応さが出せないという性格につながっている。

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今回行われた話というのは合宿!であったり組み合わせの面白さだったりするが、同学年ユニットではないからこその「先輩・後輩」といった「壁を取っ払う」という話なわけで。
そういう意味では「誰よりも強固な無意識の壁を持つ真姫」を中心に展開したのはテーマに即した展開の仕方だと思うし、最後に真姫が「周りの人間を名前で呼ぶ」というのは「この人達の前では自分を出して良い」ということの安心感の現れではないだろーか、とも思った。

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十話は何だかんだで最終回に向けての下準備を終わらせるための話という感じではあるし俺もその方向で正しいと思うのだが、テーマ的には割と一貫されたものでこの辺りの一貫性というのは稀有なんじゃないかとも思う。
これは少なくともアニメ版においては「あなたは本当は何がしたいの?」をテーマに据えているわけで、十話の「無意識の壁を取っ払おう」という話は「本当にしたいこと」を共有していくためには大事だし、この後の話で終わらせるためのテーマを背負わせるのにはここで壁取っ払っておくのは必要なことではあるという意味だ。
まあ作品のテーマを本当に背負わせるかどうかはまた別の話だと思うが、一人にテーマを背負わせるのではなく全員に背負わせようという下地を作っている辺りはなんとなく現代的だとは思う今日このごろ。
ここ最近では『オーズ』とかそういう話だったけど、あれの物語全体のテーマの背負わせ方は昭和的だしなぁ。
まあ1クールと4クール、特撮とアニメ、子供をどこまで対象とするかという事もあるので単純比較は出来ないし、する必要もあんまりないんだけどな。あまりないけど比較しちゃう。これが人間のサガだ。



ところでBiBiとPrintempsは入ってるのに、未だにlily whiteが入らないことに憤慨する日々を過ごしているわけなんだけど、JOYSOUNDはいつになったら入れてくれるのか気になるところ。
田村ゆかりのインタビュー取ってくるのはいい。俺が『進め!愕天王!』を熱唱したら挿入して、喉を潤すために口に含んだ水を吹き出させるのもまあ許す。
でもいい加減lily whiteぐらい入れろと言いたい。
知らないLove 教えてLoveという話である。


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