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『新世界樹の迷宮』に思うあれこれについて

『世界樹の迷宮』といえばアトラスのRPGシリーズであり、ニンテンドーDSのタッチパネルを活かした手書きマッピングと工夫すれば突破可能というギリギリの難易度などの特徴により「古き良きRPGを彷彿とさせる新しいRPG」という位置づけで、2007年のシリーズ一作目発売以降、定期的にナンバリングタイトルを発表し続け、現在は『4』まで発売されている作品群である。
そんな『世界樹の迷宮』シリーズの新作として『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』が発表されたわけなのだが。

「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 公式サイト

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(2013/06/27)
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……まさかキャラクターメイキングが廃止された世界樹が出てこようとは。
あとここまでがっちりとしたキャラクター設定を詰め込んだ世界樹が登場させ、シナリオについても相当強化してきそうな匂いがプンプンするし、公式サイトオープンと同時に開設されたブログではディレクターを務める小森さんが今回の『新世界樹』のコンセプトや方向性について触れている。

新・世界樹の迷宮ブログ:【小森D】第1回:開発者ブログ、スタートです。

うーむ。新規ファンのために間口を広げたいという小森さんの意図はわかるし、本気で好きだからこそ「もっと知ってほしい」ということなんだろうな、ということも理解はできる。
『世界樹』は既にシリーズ四作までリリースされており、その過程でサブクラスなどの新システムが搭載された事で複雑化した部分は確かに存在しているし、サブクラスの解禁がいくら中盤だろうとも3の航海や4の探索などの面倒な操作を要求される局面は多くなってきているので、一度それらを排除してスッキリさせた『世界樹』を出して、新規ファンを増やしたいというのは分かる。
分かるのだが、それでもこの采配にはちょっと疑問が残るなーというのが個人的な感想である。
問題は、「世界樹からキャラクターメイキングを廃止することは意味が無いんじゃないのか?」と言う事だと思うのだ。
小森Dは「キャラクターメイキング型からプレロールドキャラクター型へ」「今回は用意されたキャラクターを使って遊んでみようか?という気持ちでいてもらえると嬉しいです。」と語っているし、そうしてキャラクターメイキングを撤廃しても「世界樹らしさは失われていない」「シナリオや演出を強化している」ということは語っているのだが、そもそも『世界樹』というシリーズは「キャラクターメイキング型だからこその没入感」というものがゲームにおける作劇面でも演出面でも効果的に使われてきた。
それはゲームブックを思い出させる独特の語り口もあるが、「このパーティ編成なら楽に勝てたけど、このパーティ編成では苦戦した」という「パーティ編成によって敵に対する認識が大きく変わる」「この特技がないからこの階層は辛い」ということもあるし、追加クラスによっては「今までとは別文化を持つ存在」となることで「異邦人物」というドラマを生み出すことが出来た。
そうして世界樹のキャラクターメイキングというものは、プレイヤー側に全ての采配を委ねることでキャラクター一人一人に愛着を持ってもらい、だからこそ「成長させる」とともに「プレイヤーと共に冒険していく」という面白さを生み出し、プレイヤー一人一人のドラマを構築し、「同じゲームで遊んでいるんだけど、見てきたドラマは微妙に違う」という面白さをプレイヤーに提供し、『世界樹』は「ナンバーワンのシナリオ」ではなくそれぞれのプレイヤーごとの「オンリーワンのシナリオ」を構築してきたのだ。
だからシナリオが薄いという印象はプレイした人間には無いのではないかと思う。
なぜなら「○○の追体験」ではなくて「自分の体験」であり、自分がダンジョンを探索して、自分が謎を解き明かしていたのだから。だから『世界樹』に流れるシナリオとは過不足無いものだったと思うし、演出としてもゲームブック調のテキストは非常に効果的な演出として作用していて「自分の物語」というドラマを構築することにいい効果を生み出していた。
そうして「キャラクターメイキングだからこそ出来る没入感」が『世界樹の迷宮』というシリーズに何を与えたかということを今になって振り返ってみれば、それは「新規だからとかベテランだからとか関係なく、プレイヤーは勝手に補完し、自分たちの物語を紡いでいける」ということだし、だからこそ『世界樹』という作品は海洋都市だったり帝国だったりと様々な舞台を描けるようになったのではないだろうか。
つまり、「世界樹の迷宮というシリーズはそもそも設定などがガッチリとしたキャラクターやしっかりと作劇手法を凝らしたシナリオは必要としていないし、だからこそ今日のような展開があったのではないか」という話になるのだ。

そんな『世界樹』にあえて「設定のがっちりついたキャラクター」「シナリオや演出の強化」という要素を持ち込んだ今回の『新・世界樹の迷宮』であるが、俺個人としては否定的な見方をせざるを得ないし、現在の情報ではちょっと不安が残る。
「キャラクターメイキングを廃止して、世界樹の魅力は伝わるのか?」ということもあるし、「シナリオを強化することで、自分自身の物語の構築を妨げるんじゃないか?」ということも不安である。
しかしながら小森さんがブログで「しかし、どうしても自分には合わないなと思う人は...。新世界樹ではなく、ナンバリングを待って頂くのが良いかもしれません。ですが、もし可能でしたら一度は手にとって遊んでみてから自身に合うかどうか判断して頂けると嬉しいです。」と書いている辺り、この人はファンに対して誠実だし、そういう人が「楽しませてみせる」というんだから、「ちょっと買ってみてもいいかもしれない」という感情にはなりつつある。
だから「新」とつけてまでも世界樹の迷宮のナンバリングから外したのだろうし。

少なくともまだ情報は全て出揃っていないわけであるし、我々には「買う権利と買わない権利」が存在しているわけなのだから、あなたは買ってもいいし、買わなくてもいいの精神でもう少しぐらいは様子を見てもいいのかもしれない。
でも脳筋メディックでクリアしたかったぜ……。





ということを書いたところで、三森すずこのデビューシングルの話をしようかと思ったのだが、長くなるのでやめた。
とりあえず三森すずこという声優の魅力についてはまた今度書くと思うけど、このデビューシングルは三森すずこという声優の魅力が詰まっているので三森すずこが好きな人は買っても損はしないよ!とだけ書いておく。

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