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今期の『ヴァルヴレイヴ』『マジェスティックプリンス』『ガルガンティア』の違いについて

『微熱S・O・S!!』『残酷よ希望となれ』『READY!!』という順番に歌うとやっぱりデリカシーが無い扱いされるのかどうか心配になってきたけど、そもそも無節操に色々見まくってる俺にデリカシーなんてものはディケイドに物語がないぐらい関係なかった。らぶゆー。
ちなみにこの「ディケイドには物語がない」ってのは『ディケイド』作中で否定されてるからな。念のため。

新しいアニメが始まったらとりあえずチェックする習慣が付いているので『這いよれ!ニャル子さんW』を見ながら「平成ライダーらしい演出というものの難しさ」とか思案したり、『アキバレンジャー痛』で内田真礼が赤字に苦悩するさまを見てゲラゲラ笑っていたんだけど、今期はやたらロボットアニメが多くて一体何があったというのか。
いやキッズアニメとしては『ダンボール戦機』『トランスフォーマー』がずっと存在していて、最近そこに『ジャイロゼッター』が加わってより層が厚くなっていたことは事実で、「最近ロボットアニメが少ない!」というのは妄言に過ぎず、(好みの問題はあるにせよ)「ロボットアニメ自体はずっと放送され続けていた」ということは紛れもなく事実なのだが、ではなぜ俺が今期のロボットアニメの大乱立っぷりに驚いているかというと、『翠星のガルガンティア』『革命機ヴァルヴレイヴ』『マジェスティックプリンス』と深夜帯で放送されることを前提としたロボットアニメが同時期に三本も放送開始しているからである。もうちょっと散らせよ。時間帯的にもさ。

まあ新しいロボットアニメが放送してくれるという分にはロボットアニメ好きとしてはこんなに嬉しいことはないし、どれも違った面白さが一目見て分かるように作られていたので喜びの声を上げることはあれども文句をつけることはないんだが、ただこれだけロボットアニメが集中すると「どういうロボットアニメなのか」ということがわかりにくいし整理しにくいし、何より他人に薦めづらいので一話見た雑感について書いておくこととする。

▼翠星のガルガンティア

スタッフ的には期待している『翠星のガルガンティア』


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石川界人、金元寿子 他

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「謎の外宇宙生命体と人類の生存をかけた戦争の最前線にいた主人公は撤退の最中にトラブルに遭遇し部隊からはぐれてしまう。半年後、彼が目覚めたのは戦いの地から遠く離れた地球だった!」というところから始まるこの作品は、前述したとおり人類対外宇宙生命体の生存をかけた戦争からはぐれ地球に転送された少年兵士と商工船団で海を行く地球人類との交流を描いた作品なんだけど、なんというかロボット物というよりはハードSFといった体裁の導入となっている辺りがちょっと面白い。
物語の導入こそ「ロボットパイロットの主人公が地球に降ってくる」というもので、同じロボット物としては『レイズナー』を彷彿とさせるような導入なんだけど、例えばアバンタイトルからAパートをすべて使って描かれたのは「人類対外宇宙生命体との戦争の様子」だし、ロボットは確かに登場するものの主人公が乗り込むのは量産機だし、地球人類と主人公とは文化はおろか言語すら異なっている。
個人的に良かったのは、主人公が船の中を走り回ることで自分の置かれた状況と地球人類の文化を知り、「ここが地球なんだ!」ということを知る!というところに物語の最初の山場を持ってきていることで、このためにわざわざ主人公と地球人類の言語を両方作成し、2つの言語で物語を進行させて「視聴者視点では会話は成立している」んだけど、「キャラクター同士はすれ違っている」という事をやっていたことかな。
この辺は流石虚淵玄というべきか。
相変わらずテクニカルな事をやって来る人だし、それにちゃんと答える映像だったかな、というのが一話の印象。
ただAパートはちょっと冗長なので、アバンタイトルでやめておくべきだったと思うんだけど、あのAパートの溢れんばかりの『終わりなき戦い』臭! というかハードSF臭! あれはすごく好みなので、すげー評価しづらい。大好きなんだけどなー。一話全体の構成が下手なだけで、Aパート自体の構成はよくできているだけに。

ロボットに視点を向けると、主人公機は量産機だし同型機は無数に存在しているタイプで、なんというかこの辺りは『ボトムズ』とかそういう方向性なんだけど、機体自体の挙動についても反重力で動いている感じというか、所謂バーニア機動じゃないって感じがあるなぁ。
ふわりと浮き上がって高機動で動く!というのはすごく好きだし、まだアクション自体を提示されたわけではないんだけどね。デザインだけなら今期のロボットアニメでは一番好きな系統のデザインだし、メカデザインを手がけた石渡マコトの機能性と外連味の混ぜ混み具合、曲線の使い方のどれもが好みなんだけど。

総評としては一話を見た限りだと「ロボットアニメとしてよりはハードSFとして見たほうがいいかもしれない」というところ。
このあとどう動いていくのかよくわからない作品でもあるし、高橋良輔と富野由悠季の影響を特に強く感じる一話だったんで期待できる作品ではあるかなー。
1クールアニメのようだけど、どこまで描くのか気になる作品!

▼革命機ヴァルヴレイヴ


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サンライズと言えば前期では『ラブライブ』を手がけていたり、様々な点からアニメ化はされないんじゃないかと思われていた『境界線上のホライゾン』の映像化に成功したりと最近は何でもありなスタジオという印象が俺の中にはあるが、やっぱりロボットアニメ業界(そんな業界があるのかは知らんけど)の中では一大勢力を築いているスタジオではないかと思うのだ。
俺も勇者シリーズを見て育ち、あれで色々なことを学んだ人間であるので、未だにサンライズと言えば「ロボットアニメ」または「メカ廻りの作画が素晴らしいところ」という印象があるのだが、今期のサンライズが満を持して送り出したオリジナルアニメがこの『革命機ヴァルヴレイヴ』
勝負事を嫌い、誰もが仲良く出来る世界を望む主人公が、突如国歌同士の戦いに巻き込まれてしまい、想い人を失ったことでロボットに乗り込み戦うことになる!というあらすじのこの作品の面白いところは、「イマドキっぽさ」と「ロボットアニメの老舗たるサンライズならではのロボットアクションの見せ方」にあると思う。
前者の「イマドキっぽさ」だけど、主人公の思想が「戦いを好まない」ではなくて「勝負事を嫌う」というところになっていて、主人公自身は戦うよりも平和的な解決を求める気質として描かれていて、そんな主人公が「極限状態のなかで、譲れないものを守るために戦おうとする」というところが一話の最大の山場になっていたように思うし、主人公の活躍がSNSを通じて拡散されていく様子やSNSでの発言が「大衆の声」的な演出になっていることなど、「SNS」というものを作品の中にかなり本格的に組み込んでいる印象があった。
フィクションにおけるSNSの表現って結構難しい部分があると思うんだけど、イマドキの若者を主人公に据えようと思うとその辺のSNSの描写はどうしても必要になってくるし、SNSをどうやって演出するのかと思ったらああいう使い方をしてくるのにはちょっと驚かされたし、脚本レベルで組み込むなど存在感をちゃんと主張できていたかな。
また後者についてはさすがサンライズというべきか、反重力というより「羽ばたいて飛翔する」という飛ばし方をしていたし、巨大ロボットというだけあって軽く描写するのではなくずっしりと重そうに描いていたし、『ガルガンティア』でもメカデザインを手がけている石渡マコトが描くヴァルヴレイヴは石渡マコトデザインらしい内蔵兵器の外連味の与え方を上手く絵になる形にしていたなーと思う。
さすがにあの面構えで日本刀みたいな武器を持ち出してきた時には驚いたんだがね!
一話は本当に最低限しか説明してないんだけど、人間の関係性的に『コードギアス』とかあの辺の匂いというか、ダブル主人公っぽい匂わせ方をしているし、ヴァルヴレイヴ起動時の「ニンゲンヲヤメマスカ?」がどういう意味なのか、とか謎を提示して続きが気になるような引きの作り方をしている辺りも実にいいんだけど、まじめに考えるとあの「ニンゲンヲヤメマスカ?」ってヴァルヴレイヴの生体パーツ化なんじゃ……と思う部分もあり、どういう物語になるんだろうなぁ。
この作品は分割2クールであることをアナウンスされているけど、果たして1クール目はどういう筋立てにしていくのか。二話以降も追っていきたいと思っているけど、副シリーズ構成に電撃の敏腕編集こと三木一馬とか出版社の編集が入っている辺りを見ると、なんかありそうな雰囲気。
あと何気に「初めてロボットに載った主人公が敵機を撃破する」までやってるのも面白いですわ。

ちなみにプラモ化も決定しているけど、さすがに今度はギアスの頃みたいにパーツがポロるつくりじゃないとイイナ!

▼マジェスティックプリンス


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実はあんまり期待してなかったんだが、面白かったのは『マジェスティックプリンス』
前述した『ガルガンティア』『革命機ヴァルヴレイヴ』は「主人公が状況によって戦う事を強いられていく」というタイプで、戦うことしか知らない主人公である『ガルガンティア』はともかく『革命機ヴァルヴレイヴ』は完全に巻き込まれ型主人公ではあるのだが、『マジェスティックプリンス』は『ヴァルヴレイヴ』と似たように2つの国家間での戦争物ではあるんだけど、ちょっと違うというか。
この作品の場合、主人公は確かにいるんだけど扱い方としては「チーム単位」というところが面白いところか。
一言で言えば「スーパー戦隊的」で、キャラクターも方向性がばらばらな個性を持っているし、登場するロボットも「性能をそれぞれ別方向に尖らせたものを五機」という具合。スーパー戦隊でもそうだけど、マジェスティックプリンスでも「極端な尖らせ方をしているからこそチームワークで何とかする」という部分が根っこにあって、一話でもそのあたりはちゃんと明確に表されていたかなーと思う。
さすがに射撃を得意とする機体の射撃形態だけは度肝を抜かれたが。この作品の主人公側のメカデザインをやってる谷裕司って初めて聞く名前だけど、ああいう外し方はちょっと面白いので今後も頑張って欲しい。
スタッフの話をしたからあげるけど、マジェプリは監督が元永慶一郎なんだよなー。
元々王道というよりは王道をやりながら部分的に外していくような事をやる人だけど、マジェプリでもその方向性はちゃんと感じられたし、カメラワークも他と違っていて面白かったなぁ。この作品は宇宙が主戦場になっているのでカメラワークでもその辺は意識させようとしている感じが。
物語的には今のところ何ともいえん部分があるし、「訓練生がロボットに載せられて戦って、マスコミから英雄だと持ち上げられる」という導入だったから本当にコメントできねぇな! タイバニのパロディな部分もあったんだけどさ!
この中では唯一の2クールアニメなので、連続性を意識したシナリオになってくれればいいかなーという所存。



大体今期のロボットアニメの一話を見た印象はそんなところだけど、『ダンボール戦機』も「学園モノ」ということをやっていて、レベルファイブ側の「ダンボール戦機観」がなかなか楽しいので楽しんで見れている方ではあるかな。まあロボットアニメというより玩具アニメに分類される作品ではあると思うんだけど。
『ラブライブ』が放送していた頃みたいな「一話辺りの演出論」というのは、熱量的にも体力的にも出来る気がしないけど、ひとまず今期のロボットアニメは全部違った魅力があって面白いので、書きたいことがあったら書いて行きたいところ。

とりあえず『ヴァルヴレイヴ』OPのCDはジャケット見てるとじわじわと笑いがこみ上げてくるんだが、どうにかならんかったんだろうか。こう、なあ?


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2件のコメント

[C1185]

これほどまでのロボットアニメラッシュは某ゼノグラシアの2007年以来じゃなかろうか。
案外短い周期で歴史は繰り返すんだな、と感じられ。

[C1186] Re: タイトルなし

>>ロボットアニメラッシュ

シリーズ物以外のロボットアニメが深夜枠で放送される事自体は久しぶりですけど、定期的にラッシュかけてくる辺りにロボットアニメ好きとしては楽しい部分もあり「見る時間ねぇよ!」と言いたくなる部分もあり。いや見るんですけど。
  • 2013-04-14
  • 水音
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