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『ニャル子さん』における仮面ライダーパロディの難しさについて

『這いよれ!ニャル子さん』の二期が『ニャル子さんW』なのは平成ライダー二期シリーズという扱いになっている『仮面ライダーW』のパロディなのは理解しているつもりだが、『ニャル子さん』における平成ライダーのパロディネタとしての出来があんまりよろしくないのは、おそらく元ネタに当たる平成ライダーと仮面ライダーというものがパロディにするにしては非常に厄介なシロモノで、だからこそ『ニャル子さん』のライダーネタというのは上辺だけを真似た微妙な出来になるのではないだろーか。


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(2013/05/31)
阿澄佳奈、喜多村英梨 他

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『ニャル子さん』においては割りと頻繁に仮面ライダーの変身ポーズがパロディネタとして採用される傾向があるのだが、これは原作の表紙からして仮面ライダーの変身ポーズをパロディ化しているわけで、アニメの中で登場する分には原作を再現しようとしている気概を感じられて、ニャル子さんファンとしてはスタッフの原作愛を感じずにはいられないところではある。
最新刊でもやってるけど、もっと腰を落とせと叫びたくなるがまあそれはいい。


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(2013/04/16)
逢空 万太

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だがニャル子ファンとしてはあれでよくとも、ライダー好きとして一言言わせてもらうのなら仮面ライダーの変身プロセスというものは「ベルトの装着」から始まっているものであり、そこから「構える→「変身!」→エフェクトが全身を包んで変身完了」というプロセスになっているものであって、変身ポーズだけを真似られてもベルトの装着から始まっているものの一部を切り出して「これで仮面ライダーのパロディです」みたいな顔をされても、ベルトの装着からして各ライダーごとの個性であるので、その個性を殺されても「元ネタに対する敬愛精神」とか全く感じられないのである。
これが原作であるように表紙だけであるのならば、構えだけを切り出してきて「仮面ライダーパロディ」と言われてもまあ許せるんだが、アニメで見るとこの構えだけ真似て「仮面ライダー」と言われても。せっかくの動画なんだからベルトの装着ぐらいちゃんとやってよ! そこまで含めて各ライダーの個性じゃない! 変身エフェクトまでやってるのにさ!という話である。

また『ニャル子さんW』の一話では仮面ライダーフォーゼと仮面ライダーウィザードのライダーキック(それぞれライダーロケットドリルキック、ストライクウィザード)までパロディにされていたけれど、あれについても書いておくと、少なくとも平成ライダーという作品におけるCGエフェクトというものは、あくまでスーツアクター達によるアクションありきのシロモノであり、それにアクセントとしてエフェクトが乗っているだけで、エフェクト単体で見た場合はそれほど派手ではなく、だからこそスーツアクターのアクションが映える。
しかしながらアニメという媒体では基本的に派手だし、アクションについても制限というものは少ないわけなので、平成ライダーのアクション、スーツアクターによる動きとエフェクトの関係性と相乗効果を完全に失っており、仮面ライダーのパロディではなく「ニャル子さんがただそれっぽく見えるエフェクトを付けてアクションしている」というだけにしか俺には見えなかった。
あと平成ライダーにおいては、CGを中心に起用したアクションを見せる場合、それ専用のカメラの構図を作り上げてアクションさせることで「全体を写す」ということをやっているのだが、ニャル子さんWに於いてはそのへんのカメラの構図づくりにおいても失敗しているのではないかと個人的には思うところで。
まあここまでの話を一言で言えば「特撮だから見栄えするものなので、アニメでやってもそんなに面白くはならないよね」という話になるのだが、わかりやすい所であのライダーキックを批判しておくと「ウィザードはロンダートから空中反転して飛び蹴りと叩き込むのに対して、ニャル子さんはただそれっぽいエフェクトつけて飛び蹴りをかましているようにしか見えない」ということもあるし、クー子の「ライダーロケットドリルキック」もロケットモジュールの加速による飛び蹴りであるのに対し、特に加速している描写が見られない辺りも個人的にはパロディとして徹底してないな―と感じる所ではある。

余談だけど、劇中劇として登場する『黒鋼のストライバー』って仮面ライダーというより松竹系というか。
ぶっちゃけていえば『魔弾戦記リュウケンドー』という印象が個人的には強いのだが、これは平成ライダーというものが「子供向けであった特撮作品に現代ドラマのリアリティを持ち込んだ」というところによる特異性があるからで、現代ドラマであるからこそ社会的な視点というものが度々描かれているんだけど、それを短い時間で描くのは難しいと思うし、まあそもそも平成ライダーとして描く気は全く無さそうなのであれはあれでいいんじゃないかなーと思うところ。



まあここまで書いてきた話は、俺という人間が『ニャル子さん』を心底楽しんでいるからこそ「クトゥルフ神話のパロディはきっちりしているのに、仮面ライダーのパロディは上辺だけ真似ているだけに留まっている」というのが微妙に気になってしまったというだけの話なので、適当に流してもらえると助かるところである。
ちなみに作品としてはテンポもよくコメディとしては特に欠陥は見つからず割りと楽しんで見ているし、原作も好きなので応援しているつもりではある。

ところでニャル子さんで一番「仮面ライダーリスペクト!」なところを感じるとすれば、『黒鋼のストライバー』の主題歌とEDの作詞が藤林聖子なことなんだけど、今の『キョウリュウジャー』『ウィザード』『プリキュア』のOPは藤林聖子で統一されているので、スーパー藤林聖子タイムと呼んでもいいのではないだろうか。
ちなみに俺は『ずっと Be with you』の歌詞は美しいと思う。


ずっと Be with youずっと Be with you
(2012/05/23)
RAMMに這いよるニャル子さん

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