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「誰得」という批判の中身の無さについて

最近というほど最近でもないが、「誰得」という単語を用いている作品批判している人がしばしば見受けられるのだが、「誰得=誰も得していない=誰も面白いと思っていない」と誰が決めたのだろうか。

どの辺りから作品に対する批判として用いられるようになったのかは俺も調べる気がないし、今回の話に関してはどうでもいいことなのでおいておくこととするが、最近だと『惡の華』のロトスコープに対してどこぞのブログやらまとめサイトやらが「誰得キャラデザ」と揶揄したタイトルをつけていたのを確認しているし、あと俺が愛してやまない『ラブライブ!』十二話についても「誰得シリアス」という事を言っていた奴がいるのも色々なアニメサイトで見た。
それにブチ切れて『∀ガンダム』のOPの歌詞にある「時が未来に進むと誰が決めたんだ!」と『スタードライバー』で石田彰演じるヘッドが主人公達に言い放った「何が銀河美少年だ、馬鹿馬鹿しい」という台詞を混ぜて批判したのが『ラブライブ!』13話感想記事における「何が誰得シリアスだ、馬鹿馬鹿しい。誰も得してないって誰が決めたんだ!」という一文になるのだが、この話は本当にどうでもいい話でありギャグの解説なので不毛な話である。
つまり「誰得」という単語を用いてアニメサイトやまとめサイトやらがタイトルに「誰得」と入れてまでも言いたいことは結局のところ、こういうことなのだ。

「皆がそう言っているからこれはつまらないんだ」

この「誰得」という単語の意味するところというのはそういうことなのだ。
「誰」という自分以外の単語を用いて「得していない=つまらない」という言葉に接続しているのだから、これはもう「皆がつまらないといっている」という主体性もへったくれもない言葉としか言いようがないし、「皆」とは誰の事を指すのかさえ不明である辺り、本当に無意味かつ無価値な批判の仕方だなぁと思う。
あと発言に責任を持つ気がさらさらないよね。「自分以外の誰かの言葉を代弁している」というスタンスでしかこの言葉は生まれないんだから。
じゃなかったら「俺がつまらないと思ったものは皆もつまらないと思っているに違いない」ということだろうか。
そっちの方がエゴイスティックで最低な言葉だと思うけど、どちらのニュアンスで発言しているかについては俺は発言者じゃないので知らないんだけど、これが草を生やして「誰得wwww」とか言ってる分にはまだ「俺得=俺にとっては面白いの消極的な形だなぁ」という形にとれるし、それなら肯定の姿勢だからいいと思うの。
問題は批判という否定する意図を持って「誰得」を用いる場合で、この形で「誰得」という単語を使ってしまうと「自分の意見じゃないから。俺は皆を代弁しているだけだから」という台詞にしかならないのである。
またこの「誰も得していない=面白いと思っている人はいない」という辺りは「俺は面白いと思っている」という単語で容赦なく理屈が破綻する辺りが本当に中身が無い。
そういう「『皆』という正体不明の何か」の「代弁者」という主体性を失ってからじゃないと満足に自分の意見を述べる事が出来ないというのはどうなんだろう。
個人的には「誰得!」と口にした段階で真面目に受け取る気が失せるし正直白けて来る。
俺が聞きたいのは個人の意見であり感想であって、皆の言葉じゃないし、そもそも「皆」というのがよくわからない何かである以上、よくわからない何かの代弁者なんて胡散臭いにも程があるし、そんな代弁者の発言をまともな意見として扱うほうがどうかしてるぜ!

「誰得=誰も得していない」の対義語として「俺得=俺が得している」という言葉があるけど、こっちは別に使ってもいいというか「俺は面白いと思っている」という意思表示だから積極的に使っていくべき言葉だと思うんだよなぁ。
本当はもっと言語化したほうがよくて「得」よりは「面白かった!」の方が外にいる人間には伝わると思うけど、そういうことが出来る人間ばかりではないしな。
「俺にとっては面白かったです」ということをわずか二文字で表せるのだから、これは凄く便利な言葉なのではないのだろうか。製作者側にも「俺達が作ったものは間違ってなかったんだ!」ということを二文字で示せそうだしなあ。
まあ「俺得!」って俺が言う場合は大体「本当に俺しか得しなさそうなもの」であることが多いんだが。
キリストが魚でゾンビをしばき倒すカルトムービーとかな。
あれは完全に俺得だった。無駄にゾンビ映画のお約束を守ってたし、肝心のキリストがクズである辺りとかも好感度高い。
ただ「俺得」の欠点としてはスラングだから外の人間には伝わりにくいし、「俺得」と発言した人間の好みが分からない事にはどう捉えていいのか分かりづらいものがあるということか。
「会話に使う時と場所と相手を考える」ということで解消できる問題だし、多くの人間が時と場所と相手によって使うべき言葉を選んで行動しているのだろうから特に欠点になるとは思えないけども。

ところでこの文章こそが俺得なものであるということにお気づきだろうか。
まあこれから気をつけるという自戒の意味を込めて書いていることなので、本当に誰のことも考えてない雑文だなぁ、と推敲のために読みなおして自分でも思いました。



嶋大輔が芸能界引退!と聞いて、「おいおいレッドファルコンが政治家デビューとか、それ『友を裏切る方』だろ」とか思った俺はもうちょっとなんか考えるべき。

【スーパー戦隊】『超獣戦隊ライブマン』レッドファルコン役の嶋大輔さんが芸能界を引退

と思ってたら、>>13で既に上手いこと言われてて悔しい。
あなた、とってもハラショーよ。
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4件のコメント

[C1262]

誰得の”皆”の中に勝手に俺を含めるなっても思いますね-。いわゆるでかい主語ってやつでしょうかねぇ。

[C1263]

「大勢の人がそうなんだから、お前もかくあるべき。」

個人的な意見ではなく、見えない大勢によっての〝攻撃〟が効果的という考えが、「誰得」の根源的発想だとおもう。

自分自身の持つ力を超えて、ふんわりとした一般論(≠正論)を武器に取った、卑劣な言い回しだと思います。

需要が限定的かつ変人的という意味で、ネタとして使われることも多いですけどね。
  • 2013-04-25
  • Nanatu Chigasaki
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  • 編集

[C1265]

誰が得しているんだこれ
っていう疑問と
誰も得してない
って全否定は別物だと思う

[C1266]

>>マイサカさん

「俺は面白いと思ってますし!」といった時の「こいつはおかしな奴」という扱い方には本当にも怒り心頭ですわ。

>>Nanatu Chigasakiさん

やってることがイジメと変わらないですし、ネタとして用いる場合はちゃんとネタっぽく言ってもらわないと困る、という話でもありますね。

>>1265さん

その辺のニュアンスの違いは文脈によって変化する、依存してしまう部分なので、批判のための言葉として使うと全否定にしか聞こえないし、純粋に好きな奴が腹が立つ。あと俺はそういうことを言う奴の話は話半分ぐらいにしか聞かないよ、という話であります。
  • 2013-04-25
  • 水音
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