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漫画版『Baby Princess』に見る「家族」というテーマについて

今月の漫画版『Baby Princess』のあまりにも良い出来だったので単行本を全巻購入して読んでいたんだけど、これが凄く面白かった。

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この作品の何が面白いのかというと、「家族」というものをきちんと描いているというところに尽きる。
そもそもこの「家族」というものは『Baby Princess』自体が元々持っていたテーマで、「一歳違いの十九人の姉妹が暮らす家に生き別れとなった長男がやってきて、そこから始まる新生活」という形で展開してきたものではある、このテーマを「家族日記」という形式で展開していたのがブログ(現在は消失)で、家族日記の中から見え隠れする姉妹の横の繋がりやキャラクター一人一人の視点の違いから見えるキャラクターの多面性、そしてやってきた長男に対する対応の仕方などから「家族」というものを描き切っていたんだけど、漫画版ではきちんと一本の話として独立させた上で、十九人+長男の視点を上手く使って「家族同士の繋がり」や「家族だからこそ共有出来る事」を使って、「家族って一体何なのか」ということをきちんと描いている。
例えば家族日記が始まった当初「一体何を書いたらいいのかわからない」という四女に対して、家族全員でその悩みというものを共有し、自分なりの方法で彼女の悩みを解消しようとしていたりするし、とりわけ秀逸なのは家族旅行にまつわるエピソードの組み立て方。
この話のキーパーソンとなるのは『べびプリ』でも人気キャラの一人である九女・麗。
この麗は「鉄道オタクの小学生」「長男が新しく家族に加わったことを余り好意的に見ていない」というキャラ立ての仕方をされていて、家族旅行において彼女は「電車で北海道に行く」ということを提案してくるんだけど、これが様々な事情で却下されてしまう。
ただこれを一度として「麗が悪い」という描き方はされてなくて、「麗に対して申し訳ないけど」という描き方をしていて「誰もが麗の願いを叶えてやりたいと思っている」という思いやりの話になっていて、そんな「皆の思い」が昇華されるまでの一連の流れと昇華された際に誰よりも長男が喜んでいるところは漫画版だけの面白さかなーと思うし、純粋に「家族っていいよなぁ」という気持ちにさせてくれるんだよなぁ。不思議だ。
そうした「家族」のドラマとして見ると『Baby Princess』という企画がどれだけ真剣にそれに向き合ってきたのかよく分かる。家族に何か起きたら皆で共有して解決しようとしていくし、家族だから喜びも悲しみも共有しようとしている。
漫画版でもそうした「家族同士の結びつきの強さ」なんかがちゃんと描かれているし、家族日記ではやっていないような話のほうがそういったテーマへの理解がより顕著な形で現れているような気もする。
描かれている内容は「家族の何気ない日常」なのになぁ。そんな日常の何気なさと心地よさ、そして家族というものの暖かさまで感じられるこの漫画版は面白いと言わざるをえない。
あーあと個人的には幼稚園組以下の描写の仕方は凄くいいと思う。
『よつばと!』を呼んでいると「子供ってこういう行動するよね」という感覚になることはあるけど、漫画版『べびプリ』でもそういう描写が結構あって、食べこぼしとかお手伝いのでの失敗とか、そういう何気ないことで「歳相応さ」というのが出てくるし、さりげなく成長していく姿が描写されてるのも上手い。
この辺の細部に対する配慮に神は宿るというか。今月の三女・春風と五女・蛍が風邪で倒れる話における十六女・さくらの描写の仕方とか十八女・青空が朝食後に眠ってしまい、目覚めた時には誰もいなくなっている光景に不安になる下りとか、地味だけど良い描写の仕方だなーとは思う。特に青空の作る積み木に対する十二女・吹雪の驚き方とかな!
ああいうのはさり気なくやってるけど、どこか共感できるように作っている辺りが絶妙だと思う。

アニメの方もブログの方も触れてたんだけど、漫画版だけはさらっと流し読みしていて、今まであんまり書いて来なかったんだけど、俺はどうしてこんな凄い漫画を流し読み程度で済ませていたんだろうな。分からん。
しかしこの漫画版べびプリ、「家族」というテーマに対してあまりにも真剣に向きあいすぎて、凄い世界に突入してないかとは感じるところである。
だって色んなキャラの視点を使って一人の人物を掘り下げる手法は数あるけど、幼児の視点までちゃんと「幼児の視点」と感じられる形で描いているわけなので、よくやっているよなぁ。上手いよ本当。

ともあれ。『ラブライブ!』の前企画である『べびプリ』もまた面白い企画だったので、漫画版でもいいのでラブライバーにも触れて欲しいところ。
そして漫画版を読み吹雪が一番好きだったことに気づくトゥルー長男がここに一人。
頭のいい女の子って大好きよ。

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どうでもいいけど、こうして見るとラブライブ!と重なる声優多いな。
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