Entries

『逆転裁判』シリーズに見る二つの逆転について

書いておかねばならない気がするから書いておく。ただそれだけのことだ!

逆転裁判5公式サイト

カプコンが誇る傑作アドベンチャーゲームシリーズである『逆転裁判』。
そんな『逆転裁判』の最新作となる『逆転裁判5』の体験版が公式サイトで配信開始されたようなので、早速プレイしてみたんだが、これが「これぞ逆転裁判!」という面白さに満ちていて、今回も楽しませてくれそうだ。

『逆転裁判』シリーズの魅力とは何かといわれると、これはもう人それぞれであり作品に対して何を欲していて、何を面白がっているかという話にしかならないと思うんだけど、個人的には『逆転裁判』シリーズの魅力というのは大どんでん返しだと思うのだ。
『逆転裁判』シリーズの作劇というのはこれはもうシンプルなもので、依頼を受ける→裁判で証人の矛盾を指摘する→それを繰り返して無罪を勝ち取るというもので、そのためか基本的には「無理難題をふっかけられる弁護士=主人公サイド」という構図になっていたんだけど、この「無理難題=事件」において『逆転裁判』シリーズが面白いのは主人公たちは弁護士なので「容疑者=被告人がいる」という前提で物語が進む。
だから「フーダニット(誰が犯人か)」ではなくて「真実を解き明かす」という事に主眼の置かれた作劇になっているんだけど、そんな「どう見ても依頼人が犯人としか思えない」という状況が、視点の逆転や発想の転換によってひっくり返っていく=逆転していく。
それこそ「思い込み」ということから「舞台仕掛けそのもの」まで、『逆転裁判』シリーズでは「こうだと思っていたこと」「終わったはずの事件」などなどあらゆるものがひっくり返って、真実へと至る重要な要因となり得る。
この辺りの「あらゆるものが真実へと至る要因になる」ということをやったのが『逆転裁判蘇る逆転』で、この作品では主人公である成歩堂龍一の師匠である弁護士の死は一見すると終わったことだったはずなのに、終盤になってから大きな事件の氷山の一角だったことが判明するし、この「一話完結型ではなく短編連作」「視点や発想の転換により真実が明るみに出る」というスタイルは『逆転裁判』シリーズの作劇的な魅力の一つになっているのではないか。

逆転裁判 蘇る逆転 NEW Best Price!2000逆転裁判 蘇る逆転 NEW Best Price!2000
(2008/04/17)
Nintendo DS

商品詳細を見る


確かに「それはあり得ない」と思えることも多々あるのだが、手元の証拠と証人の証言の矛盾点を探すと意外とそれは間違っていなかったりするし、事件自体の性質自体も当初思っていたものとは違う大きな物語になっていたりする。
そういう「物語自体が二転三転し、推理が何度も何度も否定される」から「それでも真実を突き止めたい」というミステリー的な面白さにきちんと繋がっているところは個人的に好きなところだなぁ。

またそういう「事態が主人公=弁護士サイドのアクションによって変遷していき、推理や推論というものが覆されていく」ということが、プレイヤーの行動によって発生するというのは大変面白いところで。
『逆転裁判』において物語の進行は証言と証拠の矛盾を指摘することなんだけど、そうした矛盾の指摘やはっきりしないようなことに揺さぶりをかける事により、キャラクター達は様々なリアクションをしてくれるし、それがきちんとおかしなことだった時にキャラクター達は派手なリアクションをもって返してくれる。
指摘したところがおかしければ成歩堂龍一は「異議あり!」と叫び、それを受けた証人は慌てふためく。
この「能動的にどんでん返しを引き起こせる」と「それによって証人が大げさなリアクションをする」というのはゲーム的な面白さではあるのだが、作劇面での大どんでん返しと合わせると「裁判自体の意味」すらも変化していく。
この辺りの面白さについては被告人の無罪を証明する裁判が世界の謎につながっていたというどんでん返しをやってのけた『レイトンVS逆転裁判』なんかが顕著な形で現れていて、レイトン教授パートはそこそこの出来ではあるものの『逆転裁判』パートにおいては成歩堂君とレイトン教授が迷い込んだラビリンスシティという街そのものが、どういう生い立ちで生まれた世界であったかということすら歪められていたことが判明する辺りなどは月並だけど、鳥肌が立つほど衝撃を受けた次第。

レイトン教授VS逆転裁判レイトン教授VS逆転裁判
(2012/11/29)
Nintendo 3DS

商品詳細を見る


あの「魔法が存在する世界だから」ということをひっくり返されるとは思ってなかったなぁ。
「魔法にもルールが有る」というのは最近のファンタジー作品ではしばしば見られる要素ではあるのだが、この魔法のルールの展開の仕方とそれを用いた魔女裁判というもの、そして逆転裁判らしい「どんでん返し」が見事に噛み合っていた辺りはさすがというべきか。

で、今回の『逆転裁判5』。
体験版をやった感じだとハードが3DSに変わった事で演出面でもグラフィック面でも進化しているし、「新シリーズ」ということを思わせるように、今回の新システムは今までのようなオカルトチックなものではなく科学的なものへと変化しているんだが、きちんと『逆転裁判』らしく「能動的に引き起こせるどんでん返し」と「事態が二転三転していく作劇面でのどんでん返し」の二つの逆転がきちんと存在しているようなので、どういう展開を見せてくれるのか楽しみに待ちたいところだ。

逆転裁判5逆転裁判5
(2013/07/25)
Nintendo 3DS

商品詳細を見る


ところで今回のテーマは『法廷崩壊』だそうだけど、「法廷崩壊」というテーマだから最初の事件が「裁判所の中で爆弾が爆発する」だったりしないだろうな。
なんというか『逆転裁判』シリーズのシナリオを手がける巧舟というクリエイターの恐ろしいところは、「テーマには沿っているのだが、予想の斜め上をいく展開を見せる」というところで。
この辺りは『ゴーストトリック』でもそうだったんだけど、でも今回の「法廷崩壊→裁判中に爆弾爆発」はさすがになぁ。まあ巧舟だからいいか。
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/1883-0d15d17b

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

水音

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター