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『うたのプリンスさまっ♪』とその演出に流れる心の動きについて

『うたプリ』二期に入ってから一期以上に普通にいい話が多いのだが、ここ最近のうたプリアワード周りの話は物語を締めくくるのに相応しい展開を見せていて、見ていて楽しくなる。

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そうした『うたプリ』の楽しさの中には脚本の良さというのももちろんあるのだが、『うたプリ』の場合、脚本とともに演出が面白いというのはあると思う。
どう面白いかというと『うたプリ』世界における音楽の演出というものはいずれも「主観となるキャラクターがそこに魅力を感じれば、幻想的な空間に入れる」ということを徹底しているからなのではないかと思う。
思えば『うたプリ』の演出というのはそういう「歌の力」や「アイドルとしての魅力」というものを十全と伝えるための演出で、「人々を魅了している」という局面においてのみあのようなぶっ飛んだというか、幻想的なイマージナリー空間を形成しているようにみえる。
ダイナミックCD挿入といって茶化されがちな神宮寺レンの話ですら、なぜCDを挿入するだけなのにあれほどまでに動きのついたアクションになるかといえば、それは神宮寺レンの兄が神宮寺レンとその歌声の持つ魅力に惹かれているからであり、怪我を気にせずにそれでもCDを入れようとする意志は紛れもなく神宮寺レンの「家族だから」と「彼に惹かれるファンとして」応援する意図が明確に込められているし、『うたプリ』に共通する演出はいずれも「そこに魅力を感じている人間の主観イメージを映像的にわかりやすくしたもの」というべきだろう。
聖川真斗の役者の話でもそのあたりは徹底されていて、聖川真斗がオーディションで見せたものというのはとどのつまり、「相手役を自分の最も大事な人のように扱う」ということなのだが、そうした「相手に対する配慮」というものが審査員に見せたのは、彼が演じるキャラクターの「相手を誰よりも大事に扱っている」という事への深い理解とそこからくる聖川真斗の役者としての在り方だ。
そうした想いが映像化されたのがあのオーディションで見せた七海春歌を相手役に想定した聖川真斗の名演だったというべきだろう。
あとこの辺りがわかり易かったのは先輩連中が、ST☆RISHの歌声を聞いて衝撃を受けるシーンで、あのシーンにおいて吊り橋の向こう側から聞こえてきた音楽というものはアイコンという形で視覚化され、それに「触れる」という動きを挟むことで、先輩連中すらもST☆RISHの歌声が持つイメージを見せている辺りも興味深い。
「音楽に触れる」というものをあれほどまでに視覚的に分かりやすい形で演出している作品はちょっと珍しいんじゃないかと思ったぐらいである。
で、うたプリアワードの対抗馬となる『HE☆VEN』なのだが、HE☆VENの演出とST☆RISHの演出は描き方がちょっと違うように思う。
確かにうたプリに共通する「そこに魅力を感じたら強烈なイメージを感じてもいい=イマージナリー空間に入っていい」という演出は共通しているのだが、ST☆RISHが「アイドル達が連れて行ってくれる」や「その音楽に触れることで誘われる」といった演出になっているのに対して、HE☆VENの演出に流れるものというのはなんというか「圧倒的なイメージをファンに叩きつける」というものだった。そのあたりの演出というのを映像に落とし込むと「HE☆VENがドラゴンを召喚して、ドラゴンが吐くブレスがファンを飲み込んでいく」という事になるのだろうが、そうして見ていくとHE☆VENとST☆RISHというのは同じようにうたプリアワードの椅子を巡って争っているのに対して、やっていること、そのアイドル性や音楽性は違うものであると考えるべきなのだろう。
そしてそんなHE☆VENとST☆RISHの違いをあんな分かりやすい形で演出してきた辺り、ST☆RISHはそれに負けないイメージをやるはずであって、そのあたりの差別化が何を与えるのかは気になるところだし、セシルを加えて七人となったST☆RISHが初めて立つステージでファンをどのような世界に誘ってくれるのか気になるところだし、先輩連中ですら動かされたその音楽が結果にどう影響を与えるのやら。

あと今回も地味にいい仕事をしている金春智子だけど、金春智子の脚本というのは物凄く心の動きというものを重視しているんだけど、「心が幻想的な空間を見せてくれる」というたプリの音楽周りの演出と相性はいいんじゃないだろうか。
今回の『うたプリ』二期では1話、6話(聖川真斗回)、11話(一ノ瀬トキヤ回)を担当しているんだけど、そのいずれも揺れ動く心が重要な要素になっていて、聖川真斗回では「大事な人がいる自分」というものの扱い方という心の問題だし、トキヤ回というのは「解散の危機に勝つ音楽に囚われてしまう七海春歌」の心の問題だった。
その問題への解消手段として用意されたのがそれぞれ七海と聖川の対話だったり、トキヤと七海だったりするんだけど、この対話というのはつまるところ「心のぶつかり合い」であり「心同士を通わせる」ということなのだが、金春智子脚本というのは、そうした「心を通わせる」ということを細心の注意を払って丁寧に描く脚本なので、心が通った瞬間の喜びなんかにあふれている。
そうした喜びのためにあえていつもの派手目の演出というのを押さえ気味にしているのも面白いところで、音楽を感じた瞬間の派手目の演出と組み合わせることで両方の魅力を引き出せているような気がする。

まー次回で最終回なんだけど、今のところ物凄く盛り上げ方も上手いし、どういう幕引きになるのか気になるね。
ST☆RISHが勝ってほしいけど、HE☆VEN解散もなー。後味悪いよなー。

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