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『ブレイクエイジ』と今のゲーム事情について

絶版漫画を作者の許可を得て無料公開しているJコミにて、馬頭ちーめいの『BREAK-AGE』が公開されているわけなのだが。

Jコミ - BREAK-AGE

今読み返してみると、この作品は「ゲームマンガ」というよりは「ゲーマーマンガ」というべき作品で、ゲームがどうこうという話ではなく「ゲームに対してマジになって向き合い続けるゲーマー達の青春物だった」ということがよく分かる。
この「ゲーマーを題材にしている作品」だとシューティングゲームとそれに挑む人間達を描いた川上稔の『速射王』や格闘ゲームに全てを賭けて戦う古橋秀之の『ソリッドファイター』などがあって、最近だと『ハイスコアガール』もそんな「たかがゲーム」に全力で挑む「ゲーマー」と呼ばれる人種の青春や不器用なまでの生き様、結局すべてゲームでの勝敗に帰結してしまうという愚直さ加減やだからこその想いのぶつかり合いを描いた「ゲーマー作品群」の一つではあると思う。

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(2007/01)
川上 稔

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古橋 秀之

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押切 蓮介

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しかし『BREAK-AGE』を読みなおして見ると、ここで描かれている内容は92年~99年の間に執筆されたものであるにもかかわらず俺達が今プレイしているゲームに近いものがあるということに気がつく。
アーケードゲーム、ゲームセンターというものは今や相当好きな人しか行かない場所になっていはいて、この十年ぐらいの間にゲームの主な舞台はPSシリーズやWiiやXboxシリーズなどの据え置き機から携帯機へと主な展開を移したような感じはあるのだが、『BREAK-AGE』で描かれる「ゲーム」である『デンジャープラネット』に近いことは既にゲーム業界では普通のことになっている。
例えば今のアーケードゲームというものは概ねネット回線を用いて全国どころか全世界の誰とでも対戦&協力プレイが出来るようになっていて、一人でも誰かと一緒に戦える。
ゲームの中では全世界にいる全てのプレイヤーがライバルで時には共闘しあえる存在であるというのは最近のアーケードゲームではよく見られる作りではあるし、ランキングという形式まで話が及ぶと「全国の誰かの成績」というものを共有化するのは『アイカツ』や『ガンバライド』などの子供向けのアーケードゲームですら実装しているわけで、「全世界の筐体とリンクしている」というのは今のアーケードゲームの面白いところだし、アケマスことアーケード版の『アイドルマスター』で見えた「次世代のアーケードゲーム像」というのは、もはや次世代でもなんでもなくて普通のことになっているというのは面白いところだ。
また据置機に目を向けてみればネット対戦や協力プレイという要素はかなりの作品で見ることが出来るわけなのだが、格闘ゲームが殆どフレームのズレなく対戦できるようになっていたり、『ガンダムバトルオペレーション』なんかは基本的には無料であることを売りにプレイヤー同士の対戦プレイに特化した作りになっている。
あと『アーマード・コア5』なんかはシングルプレイのボリュームは殆ど無い分、対戦プレイ・協力プレイに比重をおいた作りになっていて、性能の優れた武器はプレイヤー間でショップ情報の共有化されることでプレイヤー間での武器ごとの性能差はある程度埋められる作りになっていたし、プレイヤー間の争いを勢力争い・エリアの奪い合いという形に落とし込んだことでプレイヤー同士での戦いや協力というものを意識させるゲームデザインとなっていた。
ついでじゃないが携帯機だとPS3のアドホック機能を利用すれば全国各地のプレイヤーとモンハンなりできたりするわけなのだが、なんというか今のゲームって「ネット対戦」が主流になりつつあってそれはアーケードゲームでもコンシューマーのゲームでも同じ事が言えるだろう。
「対戦するのに今や場所を選ばなくなった」というのはある意味では『BREAK-AGE』を超えている部分ではあるのだが、対戦と同時に全世界に配信が行われてたりするのは今だからこその現象ではないかと。
「超上手いプレイヤー」の存在は知っていても「どう上手いのか」ということに関しては今まで伝聞に依るものでしかなかったのが、「ネット配信する」ということによってそのプレイ自体を見る事ができるようになったし、それは同時にネット対戦は「そんな有名プレイヤーとのマッチングを容易にした」ということもあって、今物凄く熱いところではあるんじゃないだろうか。
今のネット対戦はゲーマー達が熱気あふれる魅力的な「場所」になりつつあるとは思うし、そんなネット対戦主流の環境の中で出てくる「今の時代だからこそのゲーマー達」という存在が、どういう世界で戦っているのかにスポットを当てた作品は出てきて欲しい所ではある。
しかし『BREAK-AGE』を読みなおしてみると「ゲームってのは面白いものだ」という気になれる辺り、実に見事なストーリー展開だなぁ。




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