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『アイカツ』とユニット結成と自分を輝かせるための個性について

『アイカツ』が33話からユニット結成編に突入していたわけなのだが、先日放送された38話をもってようやくユニット周りのお話が一段落付いたわけなのだが、始まった当初に想像していた物語よりも遥かに出来がよくそして満足度の高い物語だった。

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今回のこの一連の流れをユニット結成編と俺は読んでいるわけなのだが、今回のこのユニット結成編は中盤までで登場した「個性派アイドル達」の文脈をきちんと踏まえたものであるということは忘れてはならない点だろう。
『アイカツ』では星宮いちご達の他に様々なアイドル達が登場しているわけなのだが、そんな個性的なアイドル達がいる中で今回の神崎美月のユニット結成から始まったこのユニット結成編は、そんな個性的なアイドル達がユニットを組むということの意味を問いかける物語となり、それはひいては自分自身の個性=アイドル性を再度見つめなおすという物語になっていたのではないかと思う。
一概に「アイドルユニット」というのは簡単だが、アイドルユニットというのは「アイドルがただ集まっているだけ」ではないということは言うまでもない。
アイドルというのは自分しか無い輝きを持っている。だからこそファンはその輝きを唯一のものとして「この人じゃないと駄目だ」という気持ちになるわけなのだが、だからこそアイドルがユニットを組むということは「自分とは違う誰かとその輝きを重ねあわせて、より多くの人を照らす輝きになれるかもしれない」という可能性を感じさせるものになるのである。
だからこそ神崎美月はオーディションで「トライスターの一員として、自分一人でも輝ける=誰かではなく自分自身が輝きたいと望むもの」を求めて紫吹蘭を選んだというのが35話までの大きな流れなのだが、トライスターに入った紫吹蘭の視点というものを見てみると、トップアイドルである神崎美月や突如現れてトライスターの空席を奪取した一ノ瀬かえでと比較すると輝きというものを以前よりも失っているかのように描かれている。
それは誰よりも努力し、誰よりも自分に厳しく出来るからこそ輝きというものを確固たるものとし、ここまで上り詰めてきた紫吹蘭ではあり得ないようなミスからも見て取れるのだが、そうした中で結成されたのはかつての仲間である霧矢あおい、星宮いちごを中心にしたユニット、ソレイユだったわけなのだが、そんなソレイユ結成の報を聞いた紫吹蘭の心境とはどういうものだったのだろうか。
嬉しいのはもちろんあるだろうが、何か引っ掛かりのようなものを感じているようであることはその後の描写からもよく分かる。
そうなのだ。紫吹蘭は念願だった神崎美月と同じステージに立っているも、そのステージに対してどこか空虚なものを抱えていた。だからこそソレイユ結成の話を聞いた時に、彼女は引っかかりを覚える。なにか違うのではないかと。
そしてその引っ掛かりが形として現れたのがTV撮影時のダンスの失敗だ。
そのミスは神崎美月から「あなたらしからぬミス」と叱責されるほどのものだったのだったわけなのだが、それを蘭自身は「前の私はこんなんじゃなかった」と語っているわけなのだが、そんな中においても霧矢あおいと星宮いちごの事を考えてしまう紫吹蘭があればこそ、神崎美月の「間違えていた」発言が生きてくる。
神崎美月は紫吹蘭に一人でも輝ける輝きを見たわけなのだが、その輝きというものは紫吹蘭を最大限発揮させるものではなかったのである。紫吹蘭が最も強く輝けるのは霧矢あおいと星宮いちごがいるステージだからこそ。
だからこそ紫吹蘭はトライスターを脱退してソレイユに加入することになるのだ。
「一緒に走り続けたい仲間がいるから」という言葉は彼女の目指す道が、そして彼女が一番輝ける場所が彼女達と共にいる場所であるのだから。
だから紫吹蘭のソレイユ加入は「おかえり」であり「ただいま」なのだろう。
「頑張ってじゃなくて頑張ろう。私が探してた言葉」というのは、そうした思いが生み出したものだったのである。
で、ソレイユに紫吹蘭が加入したことで空席となったトライスター。
38話ではそんなトライスターの最後の一人にファイナルオーディションにすら進めなかった藤堂ユリカが加入することになったわけなのだが、彼女が選ばれたことは何も突然選ばれたからではない。
その伏線自体はトライスターオーディションの段階で既に貼られており、藤堂ユリカがオーディションに落ちた時に学園長は藤堂ユリカのキャラを貫き通すことを褒めているのだが、そんな褒める学園長の次に映されたのは神崎美月だったあたりから見ても、トライスターに藤堂ユリカが加入するのは妥当な流れだったといえるだろう。
事実、彼女は誰も見ていない状況下においても自身が作りこんだ吸血鬼というキャラクターを捨てること無く、そして捨てないからこそ、その努力を重ねてきて自分自身の輝きとしてきたことが今までに何度も触れられている。そうしたキャラクター作りと自分自身の輝きへの深い理解があればこそ、藤堂ユリカはトップアイドルである神崎美月率いるトライスターに相応しいアイドルとして最後の一人に選ばれたわけなのだが、こうして見ているとソレイユは「三人が互いに高め合って欠点を補いあう形で一つの輝きとなる=作中で言うところのストロベリーパフェ」というコンセプトを持つアイドルユニットであるのに対して、トライスターは「それぞれが強く輝くことでより多くの人を魅了できる」というアイドルユニットであることがよく分かる。
だからこそ「トライスターのアイドル」というのは「自分自身で輝ける存在」であるのが最低条件なのだ。
神崎美月の輝きに潰されない、共に歩んでいけるアイドルというのはそういう強い輝きを秘めているということなのだろう。

そして面白いのはソレイユとトライスターが結成されたことに影響を受けた有栖川おとめと北大路さくら、神谷しおんが自主的に「ぽわぽわプリリン」というユニットを結成した事だろう。
アイドル達がユニットを結成しているというのは『アイカツ』の作品世界でもそう珍しいことではないようなのだが、神崎美月のユニット結成とそれに続く形で結成されたソレイユ。
この二つのユニットが生まれたことは少なくともスターライト学園の中において「「ユニットを結成することの意味」「ユニットだからこそ出来る事」というのがアイドル達に理解され、彼女達を続く形で自主ユニットとしてぽわぽわプリリンが生まれたことは、なんというかアイドル業界のパラダイムシフトが引き起こされたような雰囲気さえある。
自主的なユニットにどのぐらいの意味があるのかはまだ描かれていないのでわからないが、少なくとも「自分達もユニットを組もう」という動きが生まれつつあるのは間違いないだろう。
そうした時代を牽引していくトップアイドルである神崎美月率いるトライスターと、新たに結成されたソレイユ、そして自分達で結成したいと思い結成されたぽわぽわプリリン。この三つのユニットが見せる新たなステージとはどういう世界なのだろうか。
『アイカツ』も無事に二期も決定したようなのだが、そこでのステージを楽しみにしつつ、まずはソレイユやトライスターやぽわぽわプリリンが見せる輝きを楽しみにしていきたいところである。
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