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『ラブライブ! School idol diary 南ことり編』に見る変化すること、受け入れることについて



ラブライブ! School idol diary ~南ことり~ラブライブ! School idol diary ~南ことり~
(2013/07/30)
公野櫻子

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『ラブライブ! School idol diary』の南ことり編をようやく読み終えたのだが、二年組の最後を務めることになった南ことりの話としては非常に満足度が高く、彼女ならではの話になっていたように思う。
高坂穂乃果、園田海未と続けてきたわけなのだが、今回の語り部となっている南ことりはこの二人と比べると引っ込み思案であると同時に、彼女たち二人とは幼馴染であるけれど、「後から引っ越してきた」という他の二人にはない特徴を持つ南ことりを視点として描かれる内容は「変化していく事を受け入れる」と言う事と「そんな中でも変わらないものがある」ということだろう。
今回のお話の中で一貫しているのは、園田海未や高坂穂乃果だけでなくμ'sメンバーの中でも南ことりというキャラクターは「裏方側」で「引っ込み思案」なキャラクターであるとされているということで、幼い頃の姿として描かれることりの姿というのは「変化に戸惑う」と同時に「変化に対する恐れ」を持つ存在ではないだろうか。
「変わっていく」ということはどうしようもないことで、現に音乃木坂学院は廃校という変化に立ち会っているわけなのだが、南ことりの視点を通す事で、この「変化」というものに対する恐怖感や危機感を別の問題にすり替えることで、変化に別の見せ方をしているということがあるだろう。
一つは「変化を受け入れて変化の先を楽しむ」ということで、親の事情で転校することになった南ことりは新たな街で高坂穂乃果や園田海未と出会うことで、「変化したその向こう側にある面白さ」というものに出会うことにより変化を受け入れたその先の景色を楽しんでいる。
「変化というものは決して恐ろしいものではない」とするこの展開は園田海未や高坂穂乃果のような「昔から音乃木坂にいた」というキャラクターでは無理で、まさしく「後からやってきた存在」である南ことりの視点だからこそ説得力を産ませられるものだろう。
もう一つは「変化に対応するために自分を変えよう」ということだが、南ことりの過去として今回追加されたのは「幼い頃は足が少し悪かった」「今は完治しているが、その手術の傷が残っていて、それが気になってしまう」という設定だが、この事に引きずられてしまいロングワンピースなど「足が隠れる」服ばかりを選んでいた幼き日の南ことりは、自分を変えることでそのコンプレックスから脱却して、傷そのものを「園田海未、高坂穂乃果と出会ったきっかけの象徴」という肯定的な捉え方をするようになっており、「足に傷がある=変化そのもの」を受け入れるために自分自身を変えることでその変化そのものを変化じゃないものへと変質させているのである。
そうした側面は衣装のコダワリやコスプレ好きというキャラクター付けからも窺い知ることが出来るものではあるのだが、『ラブライブ!』全体としてみると「変化していく中でも変えたくないものがある」というのが基本コンセプトとなっている以上、そうした「変えたくないもの」というものが非常に強く出てくるものではあるのだが、こうして「変化」という物自体を別の視点から描きなおすことで、「変化自体は必ずしも悪いものではない」という別の側面を見せている辺りはなかなか面白い所ではないだろうか。
こうして「変化の良い面」を見せておくことは、ただ「変えたくない!」というだけではない、「なぜ変えたくないのか」という思いを浮かび上がらせることに繋がっており、現にこの『南ことり編』でもそういう側面は「学校関係の代物を扱っている店が廃校に伴って閉店する」というエピソードによって描かれているのだが、こうして「変化することの良い面」を踏まえてみてみれば、「そう思うだけの理由」というものがより強く現れてくるのだが、そもそもその「理由」が出てきたのも「廃校」という変化が現れたからであるのだから面白い。
こうした「変化」を視点を変えることで掘り下げていくのがこのシリーズのコンセプトだとは思うが、そうして見るとかなり上手い事やっているのではないかとは思うところである。

また演出面では相変わらず挿絵が随所に挟まっていて面白くもあるのだが、個人的に面白かったのはホワイトボードでの会議をイラストつきで挿入することでイラストとテキストが相互に補完しあう形になっているところだ。
こういう演出はこのシリーズだからこそ出来る事だろうとは思う。

さて幼馴染三人のお話が終わった所で、次は一年組の話に入るわけなのだが、その一番手を務めるのは西木野真姫となっている。彼女の立ち位置としては音乃木坂に対する想いがイマイチ薄い存在ではあるのだが、果たして彼女がアイドル活動にかける意味というのは何なのか。
μ'sでは真姫ちゃん推し!という身としては、心して読まねばならんと誓うのである。

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