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まどマギフォロワーとして見る『幻影ヲ駆ケル太陽』についてのメモ

『魔法少女まどか☆マギカ』があれだけヒットした後なんだから「まどマギに続け!」みたいな陰鬱&陰惨な展開を若者に突きつける展開の作品が出てくると思っていたのだが、意外と出てこなくてちょっとがっかりしていたんだけど、貯まってた『幻影ヲ駆ケル太陽』を見ていたら「陰鬱&陰惨な展開を若者につきつける」という作品だった。ちょっとワクワクする。

幻影ヲ駆ケル太陽 1(完全生産限定版) [Blu-ray]幻影ヲ駆ケル太陽 1(完全生産限定版) [Blu-ray]
(2013/09/25)
門脇舞以、喜多村英梨 他

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この『幻影ヲ駆ケル太陽』という作品が『まどか☆マギカ』の影響下にある作品だということは、物語が『まどか☆マギカ』のような「可愛い女の子が戦う話」と思いきや「契約を結ぶことで化物にされて、心が擦り切れるまで戦わされる上に擦り切れたら化物化」という陰惨な話であるとか、そういうところから「まどマギフォロワー」と言ってるわけではなくて、全体的な雰囲気として「まどか☆マギカ」を彷彿とさせるような部分があって、例えば異世界の風景などはゴシック調というか退廃的な雰囲気の漂うものになっているだとか、同じように変身ヒロイン系なのに武器が基本的には物騒な代物であったり、特殊能力は使い手に依存する固有型であるとかそういう「細かいガジェットやギミック周り」から俺がそんな風に感じているだけなのだが、しかしながらこの『幻影ヲ駆ケル太陽』は『まどか☆マギカ』以上に陰鬱で陰惨な物語だろう。
『幻影ヲ駆ケル太陽』ではタロットカードを操る者達が、人を惑わすタロットカードを回収するという任務を持って戦っているという世界観なのだが、このタロットカードに取り付かれた人間は「殺す事でしか救えない」し「殺すとタロットカードを所有していた人間以外の記憶から抹消される」という設定となっているのだが、いわば化物を倒すこと=殺人であるとするこの設定は「殺人」ということを意識させる設定になっているのだが、そこに「タロットカードにとりつかれた人間は倒されると全ての人間の記憶から消滅する」という設定が加わることで「偶然従姉妹がタロットカードに取り憑かれてしまい、戦う力を持っていたがゆえに戦った主人公」に対して、「世界を護るための殺人」ということを(優しく言えば)考えさせる作りになっているのだ。
もうなんというか「主人公を徹底的に虐め抜くということ」に注力しなければ出てこないような設定だと思うのだが、『まどか☆マギカ』の魔法少女と魔女の関係性もある意味では似たようなものである。
なぜなら「魔法少女=魔女になる前」であり「魔女を倒す=仲間殺し」という事になってしまうし「魔女殺し」は現在化物になっているとはいえつまるところ殺人であるのだから、「化物化した存在」に対する対処の仕方としてこの二作品は同じようなものだと言ってもいいだろう。まあまどマギの魔女はファントムで、幻影はオルフェノクではないかと思うが、それはそれとして。
まどマギにおいてそれらの「殺人」的な要素を感じさせなかったのは、主人公である鹿目まどかが「魔女との戦い」というステージに一度も上がらなかったからである。
『まどか☆マギカ』における鹿目まどかというキャラクターは最後の最後の瞬間まで「ステージを眺める観客側の存在」であった。
視聴者に視点を提供する存在であった鹿目まどかの視点を通じて描かれる魔法少女と魔女の関係というのはなんというかやっぱり他人事なのだ。陰惨で陰鬱であってもどこか冷静に処理してしまえる、当事者じゃないからこその「酷いなぁ」と言えてしまうというか。そもそも魔法少女にならなければ魔女には対抗できないわけだし、どれだけ魔法少女達のことを考えていても結局「魔法少女じゃない存在」は物事の当事者にはなれない=ステージには上がっていないのである。
そんなまどかが「自分の事」として自分の意志でステージに上るのが最終回の話なのだが、あの局面においてまどかは誰かのためではなく自分のためにステージにあがったからこそ熱いのである。またそんなまどかが今まで無残な最期を迎えてきた者達がいるからこそ「全ての魔法少女達の苦悩を昇華できる存在=魔法少女システム自体を総括する存在」として願いを告げるということにより物語のカタルシスが生まれるのだろう。
それに対して『幻影ヲ駆ケル太陽』はといえば主人公は最初から今までの間ずっと「当事者」としてステージの上に立ち続けており、物事の本質と向き合うしかない。殺人という事実や自分が従姉妹を殺したという事実をつきつけられてもなお、彼女はやっぱり当事者として本質と向き合い続けている辺り、同じように「化物殺し=殺人」という問題を抱えているのに対して両者のアプローチの仕方は明確に違う。
この辺りは単なるフォロワーに収まらない面白さであると思うのだが、それを所謂魔法少女の変身ヒロイン化の流れの一端を担った『なのは』で注目を浴びた草川啓造が製作していると言うのが面白いような気もするが、なんかもうここまで主人公を虐めているのだからちゃんとカタルシスがあるんですよね?解決策あるんですよね?とか思ってしまう。
いや本当「そこまでやるか?」ってぐらい虐めているので、ちゃんと最終回でハッピーエンドにしてもらわないと悪趣味な作品でしかないよなぁ。

あ、でもタロットカードをモチーフとしている設定を、ちゃんと各々の攻撃手段に持ち込んでいるので個人的には好きです。
盾がコイン状=ダイヤイメージとか考えていくと面白いなぁ。
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