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『ふたりはミルキィホームズ』と身近に敵が存在するということについて

夏コミや『ジュエルペットてぃんくる☆』の再視聴がある中でも『ふたりはミルキィホームズ』だけは見続けているのだが、OP・ED抜きで10分という短い時間の中でやれることは全部やっている感があって好感が持てるわぁ。
話自体も今までとは違ってシリアスな方向ながらも、今までそこまで真面目に掘り下げられなかった探偵と怪盗の本質的な部分に踏み込んでていいんじゃないかな。

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(2013/10/16)
寺川愛美、伊藤彩沙 他

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怪盗と探偵が表裏一体であるということは、今までの『ミルキィホームズ』でも断片的に触れられてきたことで、怪盗であるはずのアルセーヌが探偵養成学校であるホームズ探偵学院の生徒会長に収まっていることや、その他にも怪盗連中が学院関係者として日常を送っていることなど、コメディとして描いている中でそういう「探偵」と「怪盗」を分け隔てるものの存在はある程度自覚的に描きながらもぼかしてきた部分だったとは思う。
そこに踏み込んでいるのが今回の『ふたりはミルキィホームズ』で、今回の悪役となっているカラー・ザ・ファントムは「怪盗と探偵は慣れ合う今を否定する」という名目のもとに活動しているのだが、そんな彼らの中に探偵に身をやつしている奴もいたり、そもそも探偵一家であるはずのありすの家族がカラー・ザ・ファントム側の人間であることが明確に描かれている。
このことを踏まえると本作の方向性として怪盗と探偵という2つの存在の表裏一体さ、2つを分ける明確な基準の無さとそれに伴う曖昧さというものを「本格的に描こうとしている」と見ることが出来るだろう。
そしてそれは本作が今までのシリーズでもある程度自覚的に扱いながらも掘り下げなかった「探偵と怪盗は能力を持つ者としては同質だがスタンスが違う」ということを本格的に描こうとしている、という意味で『ミルキィホームズ』シリーズにおける非常に重要な立ち位置にある作品だということでもある。
なぜ今までそこについて描かれなかったのかということについては色々考えられるが、おそらく「探偵としての精神」についてはどのシリーズにおいてもミルキィホームズはきちんと持ち合わせていたからだろう。
「力を持つからではなく自分の意志で探偵であることを選択する」という事をミルキィホームズは無自覚なのか、それとも既に選択後なのかは分からないが、ともかく完了していたからこそ、今まで描く必要がなかったことで、そのことについては「触れる程度」の描写で収めていたのだろう。
ではなぜ今回そこについて掘り下げているかというと、それは今回の主人公を務めるフェザーズが、探偵と怪盗の表裏一体さ、曖昧さというものに対して自覚的ではないからではないだろうか。
「探偵と怪盗を分けるものはスタンスの違いでしかない」ということは、かずみやありすのトイズを見た怪盗側がそのトイズを「怪盗向きのトイズ」と称していることからも見て取れ、その曖昧さをわざわざ作品の中で掘り下げることは彼女たちに「何をもって探偵とするか」ということを問いかけることに繋がる。それはひいては「探偵になる」という事の意味を問うことにつながっていくように思う。
またそうしてみていくと、ありすとかずみの家庭環境の対比のさせ方も面白い。
探偵一家であるはずのかずみの家族はかずみの事を心配しながらも、娘から電話の一本も入れてもらえないほど冷えきっている家庭であるのに対して、ありすやかずみ自身は知らないものの怪盗一家であるありすの家族はかずみすらも暖かく迎えるなど温かい家庭として描かれている。
片方の家族は温かみのある家族、片方の家族は冷えきった家族として描かれている中、その2つの家族の立ち位置とありす、カズミという二人の主人公の立ち位置を踏まえてみていくと、そうした「怪盗と探偵の曖昧さ」というものが浮き上がってくる。
この構図は「探偵だから」「怪盗だから」という言葉には何の意味も与えられない世界であるということを意味するということでもあり、そうした周辺環境を踏まえた上での「何になるか」を本人たちにちゃんと考えさせる。
そうしてみると『ふたりはミルキィホームズ』という作品は非常によく練られた脚本だと言え、一話10ほどという短い作品の中やれることは全てやっているように思えるし、時折展開される日常話についても彼女たちが何を持って「選択していくか」というところに繋がるための積み重ねだとするのなら、シリーズ構成としてはむしろ完璧に近い。
「謎が解けていく」や「イベント発生」のような「目に見える形での劇的な変化」ではない、こうした「小さな積み重ね」というものが最終的な結論に対して説得力を生むわけで、結論自体が例えありきたりであってもこの積み重ねは決して無駄にはならないし、無駄にならないからこその積み重ねだといえる。

いずれにしても、怪盗と探偵の曖昧さ加減を題材として選び、そんな中に飛び込んだ二人を「試す」ための仕組みは出来上がりつつある。そんな中で彼女たちが何を選んで、どうなっていくのか。
そのことについて、一視聴者としては期待せざるをえないところである。

しかし今回のOPとEDは買うかどうかちょっと迷う。
ミルキィホームズ自体は好きなのだが、作品限定の六人ユニット化なのかそれとも……とか考えちゃって、ちょっと手を出しづらいのだわ。今までのミルキィホームズが嫌いじゃないだけに。

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