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『ファンタジスタドール』と「映像のバカバカしさ」が生み出す娯楽性について

個人的に手放しで褒められる映画を見られてないせいか、それとも単に周期的なものなのか。
ともかく映画ばっかり見ていて休日にアニメを消化できずに溜まっていく一方なんだけど、ニチアサ+『アイカツ』『プリティーリズム・レインボーライブ』『ジュエルペットハッピネス』という女児向けキッズアニメ三本は毎週欠かさず視聴している中、ほぼ唯一と言っていいほど今期で試聴できているのが『ファンタジスタドール』だったりするのはこれはいかがなものかと思うものの、「毎週楽しんで見られる」といえるほど「視聴する事」に対してそこまで苦に感じていないのだからこれはもう「好き」といってもいいだろう。


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大橋彩香、津田美波 他

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それはそうと、1話から6話までの各ドールとマスターであるうずめにスポットを当てた話が終わり、キャラクターの把握と掘り下げも終わったところで七話以降の後半戦に入ったのだが、この『ファンタジスタドール』の七話以降の面白さというのは「普遍的ないい話をあえてバカバカしく演出する」という手法に集約されるのではないだろうか。
この「普遍的な良い話をあえて馬鹿馬鹿しく演出する」という手法だけれど、これはつまり「本来的に持つ物語としての魅力=物語性」に「映像的なバカバカしさ」を上乗せすることで「映像的な馬鹿馬鹿しさ」と「本来的に持つ物語性」にギャップを生じさせるという手法なわけだ。
『ファンタジスタドール』にしても七話というのは「チームで一体となって攻めて来る敵に対抗すべく、皆で力を合わせて必殺技を作ろう」というもので、今まで「マスターとドールの関係性」というものを六話かけて着実に積み上げてきたこと、それと同時にマスターとドールの関係性が多種多様であることを描写していればこそのもので、これ自体は良い話である。しかしながらその必殺技自体が極めてバカバカしい人間大砲であるのだから、「良い話だし、真面目にやっているのは分かるのだが、実際にやってることは人間大砲だ」というところにギャップが生まれる。
加えて言うならキャラクター達は努めて真面目にやっていることで、それがいかに凄いものであるかを演技で見せていることも生じるギャップをより強化している事も押さえておきたいところである。
この「本質的には良い話をバカバカしい映像にする」というギャップ効果の面白いところは「本質的にはいい話しである」ということが理解できれば理解できるほど映像の馬鹿馬鹿しさが際立つということなのだが、だが馬鹿馬鹿しい方向に振りすぎても良い話方向に振りすぎてもこのギャップとそれにより生じる面白さというのは崩壊するということがある。
バカバカしさに振りすぎると物語性がノイズとなってしまってしまうし、良い話方向に振りすぎると今度は馬鹿馬鹿しい映像がノイズになってしまい、映像自体の娯楽性が失われてしまう。(前者の例としてはミルキィホームズ二期で、後者の失敗例としては『劇場版そらのおとしもの』になるのだが、この辺は俺の主観も入る)
この辺の匙加減というのは本当に難しいとは思うもので、普通はどちらか一つに絞って演出するし話を組み立てる。ギャグはギャグらしく写してこそギャグであることが伝わるし、いい話はいい話っぽく演出してこそいい話として受け取ることが出来る。だから「この話に相応のバカバカしさを演出する」というのは実は結構個人のスキルないしセンスに依存する部分が大きいといえ、俺もあんまり見たことがない。『おねがいマイメロディ』とか割りと毎回そういうことをやっていた気がするけど、それはそれである。
でもこの手法、笑いに置いては古くは『モンティ・パイソン』なんかでよく見られるネタではあるし、映画においては『チームアメリカ:ワールドポリス』なんかでも使われている事から見てもお笑いにおける鉄板的な手法なわけで、1クールアニメという短い尺の中で「良い話をバカっぽく演出する」という手法で視聴者を全力で笑わせに来る『ファンタジスタドール』という作品を俺としては「一級の娯楽コンテンツ」と言わざるを得ない。
なまじ1話から6話の間、普通に良い話をいい話っぽく演出していただけに、真面目に追っていた視聴者であればあるほどギャップが生じた時に更に笑えてくるところもTVアニメだからこそのものだよなぁ、とも思うが、冷静に考えたら本作の監督を務める斎藤久という男は『そらのおとしもの』の頃からそうだったわけで、笑いに関してはいいセンスを持ったエンターテイナーであると言っても過言ではないだろう。
さすがパンツを空に飛ばした男は違うぜ!
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1件のコメント

[C1399]

7話は「これまでと比べてギャグと物語のバランスそのままに、どちらもクライマックスを迎えている」という素晴らしい塩梅でしたね。
さらに人間大砲については、「マスターとドールの関係性」を積み重ねつつ、「物語の外から唐突に援助するラフレシアの君」「展開に流されつつ真剣に取り組むうずめ」「ちくわや鯖やチョコを戦術的に使う」といった展開
をやっておくことで、『意外性はあるけど世界観としては不思議じゃない』と受け入れられる下地があるのもよかったです。こういったバランス感覚はセンスなんですね。なるほど

個人的には、「ギャグといい話のバランス感覚の心地よさ」以外では、「歪な主従関係の敵と主従関係とは言い難いけど言いたい事言い合って信頼関係がありそうな主人公組」といったフォーマットでyoutubeの電王と見比べるのも楽しいです。

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