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『メガストア』の付録となった傑作エロゲについて

『バルドスカイゼロ』が無事にマスターアップしたそうだが、今年の俺のエロゲ事情としては『バルドスカイゼロ』と『ランス01』と『黄雷のガクトゥーン シャイニングナイト』を買って終わりではないかと思いつつある今日このごろ。
何分忙しいというのもあるが『モンハン4(9/14発売)』と『スパロボOE(現在第四章まで配信中)』と『ゴッドイーター2(11月発売)』と『メタルマックス4(11月発売)』という状態で、エロゲに回す財力も時間もないわけなのである。
とはいえ『バルドスカイゼロ』はあの傑作『バルドスカイ』の前日談であるし、『ランス01』はアリスソフトの看板タイトルである『ランス』シリーズの始まりの物語(発売は平成元年。発売当時に生まれた子供も、もう堂々とエロゲを買っているだろうと思われる)なわけで、そのリメイクともなれば買わねばならんわけである。
ところで『シャイニングナイト』は絶賛積んでいるわけなのだが、話を聞くと面白そうなだけにスパロボを始める前にやるべきだったとちょっと後悔している。何もかもスパロボが悪いのである。

それはさておき、どこぞの転載禁止を食らったブログが『月刊メガストア』を取り上げて「最近のエロゲ雑誌はエロゲを丸々一本付録とか凄い」とか発言しているようなのだが、『月刊メガストア』がロットアップしたエロゲを付録につけはじめたのは2004年の6月のことであり、9年も前の事である。
既に10年目に突入しており、俺が『月刊メガストア』を買い始めた辺りでもう「メガストア=エロゲが丸々一本付録としてついてくる雑誌」としての風格を兼ね揃えていたわけで、「最近」のカテゴリに含めるには少々厳しい物があるのではないかと思うところであるが、まあ俺も下調べせずに書くことがあるのでどうでもいっちゃどうでもいい。
でだ。『月刊メガストア』はこれだけ付録でエロゲを採用している中には「傑作であるにもかかわらず入手困難」なタイトルがいくつかある。
付録になるのはロットアップした過去のタイトルであることから、過去のタイトルまで遡ってプレイしたいという人の欲求を満たすには最適であるにもかかわらず、その価値を知るのは当時プレイしていた人達ばかりであり『月刊メガストア』自体がまあアダルトゲーム誌であることから、俺の個人的な見方だがそこまで知られていないのが現状だと思われる。
せっかくなので今でも買える『月刊メガストア』のバックナンバーの中から、面白いタイトルと購入出来る号をまとめておく。ちなみに大体のタイトルはダウンロード販売で買えるから、別にメガストアを買わなくてもいいが、メガストアだとより安くプレイできる。メリットはそれぐらいだが、まあそれはそれである。

■神樹の館(Meteor)


MEGA STORE (メガストア) 2009年 06月号 [雑誌]MEGA STORE (メガストア) 2009年 06月号 [雑誌]
(2009/04/17)
不明

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最初は何を上げればいいのか迷うが、ひとまず2009年6月号収録の『神樹の館』である。
シナリオを手がけるのは言わずと知れた田中ロミオ。最近では『人類は衰退しました』や『AURA』などのライトノベルを手がけた作家といえば分かるだろう。
その芸風は「社会不適合者達達がどこか楽しそうに生きる」というもので、ブラックユーモアを多分に含んだ軽快な会話シーンなど、固定ファンが根強いシナリオライターの一人だろう。
そんな田中ロミオがシナリオを担当した『神樹の館』は田中ロミオ本来の持ち味は鳴りを潜め、友人に誘われて四国のとある館に足を踏み入れた主人公は、その館に謎が隠されている事に気づき謎を暴くべく行動を開始するというシリアスなミステリー風のシナリオとなっている。
そのため今までの田中ロミオを経験していればその芸風の変化に驚かされる部分は確かに多いのだが、さすがにシナリオ面では優れていると言わざるを得ない。
緻密に張り巡らされた伏線やその回収の上手さもさることながら、キャラクターがその物語の奴隷となるのではなくきちんと登場人物としてイキイキとした姿を見せており、シリアスに徹しながらも自身のファンが求めるキャラクター像を構築できている辺りはさすがの仕事といえるだろう。
また音楽面ではニトロプラスの音楽を手がけることが多いZIZZが協力している事もあって、素晴らしい音楽が多く、その優れた物語を盛り上げるのに一役を買っている。
かくいう俺もそんな音楽が好きなのだが、俺がプレイしたのもこのメガストアからなので、その音楽を聴くためにはゲームを立ちあげねばならないというのが非常に煩わしい。エロゲのサントラって特典になることが多いからなぁ……。

■DISIRE~背徳の螺旋~(C's ware)


MEGA STORE (メガストア) 2008年 11月号 [雑誌]MEGA STORE (メガストア) 2008年 11月号 [雑誌]
(2008/09/17)
不明

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次に覚えてるのは2008年11月の『DISIRE~背徳の螺旋~』。
シナリオライターは剣乃ゆきひろ。『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』などで知られる菅野ひろゆきのエルフ所属時代の名前である。
菅野ひろゆきについて詳細に書くとそれだけでかなりの文字数になってしまうので端折るが、『シュタインズ・ゲート』など昨今のビジュアルノベルというものに多大な影響を与えたクリエイターの一人だと思ってもらえれば大体合っているのではないかと思う。
そんな菅野ひろゆきのデビュー作が本作『DESIRE』である。無人島全てを使った実験施設。そんな実験施設の謎に気づいた者達を描いた本作は、今ではよく見るものの物語ギミックとしてかなり「魅せる」作品であった。
シナリオ自体も素晴らしいのだが菅野ひろゆき作品だということもあって、シナリオをあくまでゲームを構成する一部という考えのもと趣向を凝らした演出は物語を大変魅力的なものへと変えている。
ある意味では王道であり、ネタ的には古典的であるシナリオだが、ゲームだからこそ出来る高い表現力を持ってそのシナリオを魅せるものへと変えている本作はまさしく傑作と呼ぶにふさわしいタイトルだといえるだろう。

■SWAN SONG(Le.Chocolat)


DVD-ROM付 MEGA STORE (メガストア) 2013年 03月号DVD-ROM付 MEGA STORE (メガストア) 2013年 03月号
(2013/01/30)
不明

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比較的最近からは2013年3月号収録の『SWAN SONG』。
シナリオライターは瀬戸口廉也。『CARNIVAL』でデビューし、後に『キラ☆キラ』のシナリオを手がけた後引退。現在は唐辺葉介として小説家として活躍しているという存在である。その作風としては環境変化に伴う人間の心理描写とその心の機敏に焦点を当てた作風であり、本作にも置いてもその作風は同じではあるのだが、本作に面白いところは「大災害に依る環境の激変」と「それに伴ういざこざによって、人間の見にくい部分が現れていく」というシナリオになっているということがあげられる。
大災害という絶望的な状況が出来上がり、たまたま生き残ったがゆえに生き残った者同士が絶望的に醜く争い、そして喜劇と呼んでしまった方がまだマシともいえる絶望的な物語。物語として尖っていて、そこが魅力的だというのは間違いなくあるのだが、カットインなどの視覚的な変化とテキストの表示方法に工夫することで、群像劇に近いこのゲームは「どちら側にも感情移入できるからこその破綻」というものに臨場感と緊張感を与えてくれる。
そうしたドラマをどう魅せるのかという部分があったからこそ、本作は絶望的ではあるし後味も最悪なのだが、どこかで面白かったと感じられる。だから本作は鬱ゲーと呼ばれようとも大傑作だといえる。いや正直今勧めるのはちょっと俺も躊躇するけど、それでも面白いんだから仕方がない。

■腐り姫(ライアーソフト)


DVD-ROM付 MEGA STORE (メガストア) 2013年 09月号DVD-ROM付 MEGA STORE (メガストア) 2013年 09月号
(2013/07/30)
不明

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最近というか先月号発売のメガストアではついに不朽の名作『腐り姫』が付録化である。凄い時代が来たものだ。
そんな『腐り姫』のシナリオライターは星空めてお。最近だとTYPE-MOONで販売されている『ファイヤーガール』シリーズや、そして企画だけ動いているらしい『ガールズワーク』を手がけることになっているシナリオライターであるが、そんな星空めておのライアーソフト在籍時代に発表した作品が本作である。
伝奇や伝承を組み込んだ所謂「田舎に行ったら~」系の物語ではあるものの、本作が傑作と呼ばれる所以としては「4日間を繰り返す」というループ構造を用いた作品である事と近親相姦というインモラルさ、そして何度ループしても全く違う展開を見せ、何一つとして同じ印象の周回がないことがあげられる。
これらをライター個人のスキルと言ってのけることは簡単であるが、本作の面白さとしてはループ構造自体がビジュアルノベルというメディアと相性がいいということ、そしてそれを観測する側であるプレイヤーがどう感じるかということまで計算され尽くしており、ゲームデザインとしてあまりにも美しすぎることがある。
その周がいずれも印象づいたものになるべく盛り上げたり、違う側面を描いていたりとそのゲームデザインと斬新さは今も色褪せない。
ループ構造を用いたゲームは本作以降も様々な形で発表されているし、シナリオに関しても本作以上に魅力的な作品は確かにあるだろうが、本作がそんな後発作品と比べても強烈な個性を持つといえるのはその味付けが飽きないからこそである。
近親相姦を扱っておきながら全く飽きること無く、そして嫌になってやめさせることなく最後までプレイさせてしまう。そここそが本作の優れているところではないだろうか。
あ、蔵女が可愛いのはガチだが、この作品をやっているとクトゥルフ神話的な物を感じてしまうのよな。



俺が知るかぎりではそんなところなのだが、『月刊メガストア』が侮れないと思うのは2008年の8月には『The ガッツ』が、そしてその翌月には『The ガッツ2』を付録にしているということで意外と幅広く付録にしていることだ。
エロゲといえばエロゲで、確かに印象深い作品ではあるのだが付録に『The ガッツ』というのは少々強気すぎるというか「これもエロゲなんだよ」と言わんばかりの所業である。強気すぎて引くわ。
ただまあ『月刊メガストア』がそういう「一部の人間が評価するようなエロゲ」までも付録にしている辺り、エロゲの多様性というものを窺い知る事ができる部分で、今のシナリオに重点置いた作品や青春物を多く見かける中で、こういうところで「エロゲはもっと色んなことが出来るメディア」ということを意識づけてくれるというのはあるのではないかと思うところで。
まあそんな小難しいことを考えなくてもいいので、ひとまずこの辺りをプレイしてみるといいのではないかと思うところ。今なら調達が簡単だし!
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4件のコメント

[C1401] 神樹の館

私は、「神樹の館」は2004年に、Meteorから発売されたパッケージ版をプレイしました。
素晴らしかったです。
当時、4000本しか売れなかったとか、、、、。
立ち上がったばかりのMeteorの1本目で、Meteorの知名度が低かったせいもあるのでしょう。
このゲーム、もっと評価されてもいいと思います。

音楽も、素晴らしかったです。
私が「神樹の館」を購入したきっかけは、PVで流れていた主題歌「籠の鳥の孤独」にものすごく惹かれたからです。

ちなみに、Meteorからは、発売した全ゲームのサントラが2枚組で発売されました。
当然、「神樹の館」の音楽も入っています。
確か、「籠の鳥の孤独」のロングバージョンも入っていたはずです。
Meteorが消滅してしまったので、今は購入できませんが、ヤフオクなどに出品されるかもしれません。
探されてみてはいかがでしょうか。

[C1402] Re: 神樹の館

こういうところでもう一度プレイする機会が整うことで再評価される流れというものがあってもいいはずで、俺なんかが『神樹の館』をこの機会に再プレイして面白かったと感じている人間だったりします。
今でも毎月それなりに数が出ているわけで、その中でどうしても埋もれてる作品が出てくる。
そんな埋もれた作品にスポットを当てるという意味でもこういう付録は続けていってほしいとは思いますね。

>サントラ

おおう。そんなものが。
ちょっと調べてみますー。
  • 2013-09-10
  • 水音
  • URL
  • 編集

[C1405] Meteorから発売されたサントラ

Meteorから発売されたサントラはこの2枚です。

MET-001 | METEOR Soundtracks vol.1 - VGMdb
http://vgmdb.net/album/11477

MET-002 | METEOR Soundtracks vol.2 - VGMdb
http://vgmdb.net/album/11476

「籠の鳥の孤独」だけなら、こちらに収録されているようです。
ANOTHER BEST [Best Of]
いとうかなこ

[C1408] Re: Meteorから発売されたサントラ

いとうかなこのやつはとりあえずポチリました。
届くのが楽しみ。
  • 2013-09-18
  • 水音
  • URL
  • 編集

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