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『Baby Princess』と続いていく家族の日常について

『アイカツ』が話を畳にかかっているのだが、それはそれとして『プリティーリズム・レインボーライブ』が2クール目に入ってからいくらなんでも化け過ぎなんじゃないだろうか。
はっきり言って今期一番面白いと言っても過言ではないのだが、この面白さというのはつまり4クール物だからこそ出来る7人の主人公という構成と前振り段階でのエピソードの蓄積があるからで、一人一人丁寧に描いているからこその面白さだといえ、エーデルローズ組もといベルローズ結成の下りの面白さというのは今までのエピソードの積み重ねと三人の絆を確認させた上での蓮乗寺べるの復活劇なわけで、この構成を2クールアニメでやれと言われても無茶であり無謀だ。
『プリズマ☆イリヤ』なんかを見ても分かる通り、ちらほらと1クール10話という編成のアニメが生まれつつあるのだが、やっぱり4クールという長い時間があるからこそじっくり描くことが出来るものも多分にあるわけで、「ある程度の尺の長さがないと描ききれないものというのは存外多い」ということを改めて確認させられた次第。
そういう意味では『アイカツ』なんかもそうなのだが、スターライトクイーンを決める大会に対して専用ドレスが生み出される下りは聖闘士星矢における神聖衣を思い出してしまったの。ちょうど羽も生えてるしさ。
そんな事を『仮面ライダーウィザード』の悪口を書いた後に知人に怒られたので、削除した穴埋めとして書いてみたけど、『プリティーリズム・レインボーライブ』が今一番面白いアニメであるということは実はまだ書いてなかったので主張しておく。ハピなる!

それはそれとして、漫画版『Baby Princess』の完結巻が発売していた。一ヶ月ぐらい前に。


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公野 櫻子

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Baby Princess (3) (電撃コミックス)Baby Princess (3) (電撃コミックス)
(2013/08/27)
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漫画版『Baby Princess』が堂々の完結を迎えたわけなのだが、これを終わらせた編集部はバカなんじゃないかと思うぐらいには大傑作ではないか。
以前に取り上げた時にも書いたが、本作は「ホームコメディ」として破格の出来である作品で「家族なんだから」というワードが特徴的な言葉になるほどに「姉or妹にとっての一大事は家族全体の一大事」になるほど「よくあるイベントも家族が絡めばオンリーワンのイベントになる」という事が徹底されており、当番回のキャラクターを中心に複数のキャラクターの視点でそのイベントを描写していくことで何気ない出来事――例えば姉妹が風邪で倒れるとか――であっても、視点となるキャラクターにとっての重要性を描写することで、スケールが大きくそして家族全体で体験するオンリーワンの出来事へと変化している。
最終巻である三巻では1話完結のエピソードが多いのだが、夕凪が猫を拾ってくるエピソードや立夏のダイエット騒動などはその典型例といえるのだが、本作における我々トゥルー長男の立ち位置というのも絶妙だ。ある時は状況をかき回し、ある時はフォローに回り、ある時は当事者の一人として振る舞うなどその立ち位置はフレキシブルで、どのエピソードにおいても彼の立ち位置は常に定まっていない。
しかし彼は「家族の中で唯一の長男である」という唯一無二の存在であり、であるからこそ家族との一人として周囲から時に頼り、時に頼られながら家族の一人として行動していくし、そんな家族の一人として振る舞う彼だからこそ本作で何かあるごとに家族同士が時に衝突し合いながらも少しづつ相手のことを少しづつ理解していく姉妹達の姿に心を打たれるのだ。
また姉妹同士の組み合わせ方も絶妙だ。単に年齢だけで分ける場合もあればキャラクターの性格ごとで分ける場合もある。そうした組み合わせの妙が何を与えてくれるかというと、似ていても違った個性同士だからこその化学反応という奴で、例えば「立夏・氷柱」という組み合わせは性格も違えば年齢も違うのだが、この二人が組み合わさった時に見えてくるのは氷柱の優しさだったり、立夏の無邪気さの中にある素直に感情を出す姿だったりする。
こうした組み合わせの面白さによって違った姿を発見できるのも本作の魅力の一つで、「○○の当番回」という体裁は一応整っているものの、実際には当事者の一人ぐらいで複数人の視点で同じ出来事を扱う本作において、ほぼすべてのキャラクターに出番が与えられているように感じられるのはその辺りの「組み合わせによる化学反応」がきちんと活かされる形で発揮されているからだろう。
特に夕凪の捨て猫騒動は本誌で読んだ時にボロボロ泣いたのだが、今読んでもこの話は氷柱と夕凪の話を並走させたことで生まれたもので、本作の中でも一、ニを争うぐらいには傑作エピソードだと思う。いや個人的にはその後の蛍と春風が倒れたエピソードが一番面白かったと思ってるけど。
あの話はさくらに感情移入し過ぎてちょこっと挿入されただけのお見舞いエピソードだけで泣いたんだが、まあその辺の「当事者ではないキャラクターのエピソードがちょこっと挿入される」ということが何の違和感もなく受け入れられるのは、登場するキャラクター全て「家族」という一つの家の中だけで収まる物語だからだといえる。逆に言えば一つの家の中だけで収まるからこそ、それだけ毎日がイベントだらけ!という世界観を形成できるのだが、この辺りは元々の世界観の上手さなのだが、それを表現した深山靖宙も素晴らしい仕事をしたと言ってもいいだろう。
作品としては傑作であるにもかかわらず、不遇のまま(と言ってもノベライズとコミカライズ、そして短編とはいえアニメ化しているので不遇と言い張るには少々厳しい物があるが、シスプリやストパニ、そしてラブライブに比べると不遇だといえる)既に企画自体は終了しているわけで、本作が一区切り付くところで連載終了という形で終わったことは喜ばしいことだ。しかしこの漫画って毎月載っていることに意味がある漫画で、今でも毎月読めることがちょっと幸せだっただけに連載終了の判断は正しかったかどうかについては疑問が残る。
欲を言えば一年描ききって欲しかったんだよなぁ。作中で一年経過させられるだけの尺があれば全員分の誕生日ネタもやれただろうしなぁ。

兎にも角にも一大傑作であった本作、家族物とかケッ!とか普段は思っちゃう俺でもボロボロ泣いてしまうぐらいには面白いのでみんなも読め! 三巻で完結だよ!


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(2012/11/27)
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