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『ラブライブ! School idol diary 小泉花陽編』と変われる強さと変わる場所について


ラブライブ! School idol diary ~小泉花陽~ラブライブ! School idol diary ~小泉花陽~
(2013/09/30)
公野櫻子

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発売から二週間以上経過している中でようやく読み終わったのだが、折り返し地点ということもあって本作のこの他のキャラクターのエピソードとのリンク性がかなりの点で個々のエピソードを補完するように動いている作品のように思う。
この辺りについては前巻に当たる西木野真姫編でも言及したことではあるのだが、今巻では相互補完というより「偶然二人の道が重なった」というような体裁でその重なり具合によって関係性に化学反応が生じて面白さに繋がっている。今回はことり―花陽、凛―花陽という繋がりがあって、前者はことり編で挿入されたことりの日常と花陽の日常が重なったからこそ、花陽のドラマが盛り上がってるという熱さもあっていい意味でドラマチックだ。
さて、『スクールアイドルダイアリー』と題打たれたこのシリーズも五人目という折り返し地点を迎えた中で担当するのは小泉花陽だったわけなのだが、小泉花陽のドラマとしてμ'sはほぼ全員前向きかつ活動的な中で、一人だけ引っ込み思案である彼女に焦点を当てた中で見えてくるのは「自分の良さを信じてくれる人のために頑張ること」や「自分の気持を大事にしない奴は本当の実力を出せない」ということから来る「諦めないこと」という奴で、この辺のテーマの展開については確かに小泉花陽が担当でなければ出来ないことだろう。
本作で断片的に語られる小泉花陽の過去を見るに、彼女は「出来ない事に対して消極的になる」し「そこからくる皆が出来るのに自分だけできない」という自信の無さが読み取れる。この自信の無さが彼女の臆病さへと繋がっているのだが、過去のエピソードから語られるのは「彼女の強さを信じてくれる親友の存在」だ。
親友=星空凛の語る小泉花陽の強さ。自分にすら分からないその強さを信じてくれる存在がいるからこそ自分は頑張れる!というエピソードはドラマチックだし、自信がないながらも周囲に後押しされて頑張る姿は美しい。
そしてそのことは「自分の気持を大事にしない奴は本当の実力を出せない」ということに繋がっていく。
花陽自身も自覚していると語っているようにダンスなど体を動かすことを不得手としている。だが、「だからといって自分の気持をある意味で軽視する花陽」を「特別なんかじゃないけれど、自分の気持を信じて頑張り続ける」という高坂穂乃果と照らし合わせることで、彼女が自分の気持を大事に出来る自分を構築し、μ'sの一人としてきちんと変化していく姿は小さな一歩だけれど、大きなもののように感じられる。
そしてそういう気持ちにさせてくれたμ'sという場所の存在は花陽にとって大事な場所として機能する。
だからこそ最後の「みんなのおかげで、花陽は逃げ虫泣き虫の花陽から卒業します――」という一文が一連のドラマに対する一つの決着の付け方をしているような印象になるのだ。
また彼女のアイドルに対する積極的な思いの起源が語られたのも本作の良い所なのだが、それらを単独のエピソードで終わらせるのではなく前述した花陽自身のドラマとミックスさせることで「ドラマとしての一貫性」を保っている点も良い所だ。単に「全てはアイドル活動に通じる」というのではなく、積み重ねが会ったからこそ今のアイドル活動に繋がっていくという物語としての展開はアイドル好きであるという設定が存在する花陽だからこそのもので、過去にそうしてアイドル活動っぽいことをしていたことが人格形成にそれなりに影響を及ぼしてしまい、そこから今の「変われる自分」と「卒業」に自然な流れで持っていく辺りに公野櫻子のある種の愛情を感じさせてくれる。
また花陽と凛の関係性について、「活動的な凛とは対照的」としながらも彼女達が互いに憧れ合える存在だからこそ仲が良いという語られ方をしていて、彼女達の仲の良さがより一層魅力になれる部分だろうし、花陽と穂乃果についても部分的に対照化させながらも基本的にはノータッチなところも地味に凄い。これによりキャラクターの多面性を確保することで、様々なエピソードで登場した時の面白さに繋がるわけで。

星空凛編の発売が二週間後ぐらい……と思ったが、なんか発売延期という話を聞いたのだがどこまで本当なのかしら。まあ10月・11月と忙しいのでそのほうがありがたいといえばそうなのだが、しかし花陽編を読んだら凛編も読みたくなるのも人間の仕方がない部分である以上早く発売してくれないものかしら。

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