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『ガンダムビルドファイターズ』のパロディ効果について

『ガンダムビルドファイターズ』で情報解禁からずっと組みたかった『ベアッガイⅢ』を組んでみたのだが、基本構造はHGアッガイ+ベアッガイⅢ専用頭部って感じでシンプル極まりない構造なのだが、フェイスパーツの付け替えで通常顔と怒り顔の変更が可能、口の開閉機能付き、耳にも仕込まれた可動域のおかげで細かい表情付けもできるし、HGアッガイの関節強度の頑強さもあって、イジって楽しいキットになっているかなぁ、という気はする。
あと思った以上にシンプルな構造なので色を塗るのも面白そうだし、「技術次第では遊べるところがかなり多い」という意味では良いキットかなぁ。今回のガンダムビルドファイターズ関係のキットはガンプラとか初めて組む!という人に向けて説明書もわかりやすくなっているし、改造に対する取っ掛かりも結構書かれてたりするんでこういう部分で配慮してくれるのはさすがバンダイ様というしかない。
一応二セット買ったんで一体は『アイカツ!』のエンジェリーベア仕様にするつもりで考えているんだけど、さて色をぬる時間が作れるのだろうか……。


HG 1/144 ベアッガイ III (ガンダムビルドファイターズ)HG 1/144 ベアッガイ III (ガンダムビルドファイターズ)
(2013/12/01)
バンダイ

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さて、『ガンダムビルドファイターズ』なんだけど、この作品がガンダムのセルフパロディ作品であるということについて異論を挟む余地は無いと思う。「オールガンダム」というキャッチコピーもそうだし、「ガンダムシリーズ全てをガンプラ化して戦わせる」ということもあるんだけど、何よりラルさんが語った「戦争じゃなくて遊びだから真剣になれる」というガンプラバトルの魅力は、戦争を話の中心においているガンダムから派生したガンプラという商品とそれを用いたガンプラバトルという遊びそのものが、ガンダムの描く「戦争」からかけ離れた存在だからこその面白さに溢れているということなのだから、これはもうサンライズの看板商品である『ガンダム』という作品群をセルフパロディにした作品だということは間違いないだろう。
その上で『ガンダムビルドファイターズ』を見ていくと、この作品の面白さとしてはその「パロディ」という奴が無茶苦茶上手く利用されているということだ。俺は概ねパロディというものは四つの系統に分けられると思っていて、外見だけを似せる「表層のパロディ」と中身だけ似せる「内層のパロディ」、そして表層と内層を全く別のものに配置する「食い違いのパロディ」、表層も内層も一致させる「一致型のパロディ」野良っつなのだが、『ビルドファイターズ』はこれらがバランスよく配置されており、ガンダムファンだからこそ気づくディープなネタがありながら、ガンダムを全く知らないような人達でも楽しめるような作りになっている。
一つ目の表層のパロディに関しては、例えば作中に一切解説されない形で背景に散りばめられているネタやキャラクターの外見が似ている!なんかがそうで、七話で登場した地上げ屋の外見がどう見てもドズルだった!というのは「ドズル」というキャラクターの表層だけをパロディにすることによって、初見のインパクトで笑わせに来る=出落ちかつ一発ネタの味わいになっている。
一発ネタなので、このネタについてはガンダムファンだからこそ気付けるネタだといえるのだが、気づくようにやっているからこそこの地上げ屋の外見がドズルという事に笑えてしまうし、この作品は一発ネタは大きく、思い切りよく見せたほうが分かりやすく面白いだけに、こういう見せ方については笑ってしまう。
二つ目の内層のパロディは「見た目は違うけど、やっていることの本質がパロディになっている」というパターンで、キララが登場した四話というのはこの内層のパロディそのものである。
キララ回はその辺をキララのキャラクターの強度とアイドルとしてのある種の痛々しさで上手く覆い隠しているが、やっている事の本質はつまり「素性を隠して出会った相手が、敵となって襲い掛かってくる」という事で、これはガンダムにおいても度々用いられてきた文脈の一つだ。
このネタをガンダムビルドファイターズ流に落とし込んだ形があの四話なのだが、アレンジした事でその辺の文脈が覆い隠されていることで、「気づく事で面白さが倍増する」という類のパロディとして完成されている。
三つ目の「食い違いのパロディ」だが、これについてはラルさんが一番わかり易い。
この作品の解説役として登場しているランバラルによく似た外見のラルさんだが、一見すると一つ目と同じような扱いに感じられるだろうが、ラルさんの面白いところはランバラルの外見と声優を用いていながら、実質的には「近所のおじさん」でしかないというところで、地上げ屋はドズルっぽいセリフを言わせなかったのに、ラルさんにはランバラルっぽいセリフをガンガン言わせることで、この人の本質と外見のズレが面白さになる。
ある意味極まってるのは五話でラルさんがマオとセイのイマージナリーバトルを中断するというネタなのだが、あのネタが「ネオチャイナの代表とラルさんの声優が同じ」という声優ネタであるということは放送時から2chなどで指摘されていた。
しかしあそこで面白いのはセイとマオが戦っていたのはイオリ家のリビングということ、そしてラルさんがなぜか上がり込んでいるということで、「それっぽいことを言わせることで誤魔化しているがラルさんは無断で上がり込んでいる」という部分のギャップが面白さを誘う。あとこのへんに関して言うなら最新話である八話でラルさんが「乙女だ……!」というのは、グラハムのセリフなわけなのだから「ラルさんの外見でセリフがグラハム」というネタになり「お前が言うのかよ!」的な面白さが生まれている。
四つめについてはどちらかと言えば話の根幹に用いられている物だと思うけど、「レイジの正体が異世界人」であるという事によって「別の価値観を持つ人達と分かり合おうとする」という話になっている事やユウキ会長が正体を隠している時の姿がデカイサングラスを装着している=どう見てもシャア(そしてクワトロ)のパロディ担っていることなど、「あえて一致させることで、既存作品の文脈や説得力を借り受ける」という手法になっており、物語に深みを与えてくれる。
『ガンダムビルドファイターズ』のパロディとしては大体こんな感じで、中には複数の手法を用いてパロディにしていることもあるのだからスタッフはガンダムを愛しすぎているとも思う。ただ『ビルドファイターズ』が真に凄いのは、そういうパロディにおいて「全部をなぞるのではなくどこかしらで外している」という事で、例えばガンダムDXに乗っていたあのビルダーは「ガンダムDXに乗っていたのはガロードなのにジャミル・ニートのコスプレをしている」ということをやっているんだが、あれは「原典において、ガンダムDXの素体になっているのはジャミルのガンダムX」というネタがあるからこそあえて「ガンダムDX」にしているわけだし、同じ話の中だとドズル似の地上げ屋が使うのが「ビグザムじゃなくてアプサラス」で、「アプサラスはIフィールドを搭載している完成形」という部分で外すことで、見た目のインパクトで使用ガンプラを予測してしまいがちなファンに対するフェイントとして機能している。
結果としてこれだけパロディまみれの作品でありながら、毎週そのパロディを感じさせない作品に仕上がっている、と感じる。レイジが異世界人であることをバラすタイミングは黒田洋介がガンダム00の脚本家だということを考えるとより面白いような気もする。結構引っ張ったからなぁ、ティエリアとかあの辺の人達の設定って。

何にしても『ガンダムビルドファイターズ』はガンダムのセルフパロディ作品として、そしてガンダム作品としては見事な仕上がりであると思うし、プラモを組みたくなるなぁ。
ジムスナイパーK9とか普通に組みたいのだが、発売はまだ先か。おのれ。


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