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『ワルキューレロマンツェ』と鎧の質感について

この間「今年の3DCG使ったアニメで個人的に好きな五本」についての記事を書いたけど、その反響を確認するためにエゴサーチしてた時に「六割サンライズだからお察し」というコメントを見かけた。見かけた時はそこそこ腹立たしかったが、今となっては腹を抱えて爆笑できるぐらいにバカなコメントやなぁ。
そもそもあの記事において「京極尚彦が絵コンテと演出を手がけている」という作品を二作品上げている!というツッコミをするのは割と理解できる。それは俺がわざとやった部分で、俺は京極尚彦が大体大好きなので二作も上げたわけなのだが、そこは一切突っ込まずにわざわざ突っ込むところが「製作会社」というのはどうなのか。記事を書いた本人である俺には発言者の浅薄さと迂闊さを感じてしまう。
そもそも同じサンライズ製作の作品であっても各作品のCGモデルを制作しているのは全く別の人間だ。『アイカツ!』と『ラブライブ!』も別の人だし、『ヴァルヴレイヴ』もそうだ。そしてそれらを駆使してシーンを演出しているのもまた別の人間だ。
そこを理解せずに「サンライズ作品だけがいっぱい並んでいる」というレベルの指摘で留まっている、というのはどうなのか。個人的には「CGについてよほど興味が無い」か「分かった気になっているだけ」という印象しか残らないし、発言者に関しては「あまり強い言葉を遣うなよ 弱く見えるぞ」としか感じない。
というか、あの記事において俺は「演出技法的な部分」についての解説しか書いてない。したがってそれを読んでもなお「製作会社が同じ!」というのなら、「本文をちゃんと読んでないんだろうなぁ」としか思えない。
知ったかぶりより大上段に構えて「違いの分かる俺」に酔ってる人は大体面倒くさいし、見当違いの事しか言わないね、という話である。

ところで『ワルキューレロマンツェ』が面白い件。


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(2013/12/27)
山下誠一郎、清水 愛 他

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話としては馬上槍試合による一騎打ちの競技、ジョストにのめり込んでいくヒロインをサポートする中で、訳あってジョストプレイヤーを辞めた主人公がジョストの道へ戻っていく。という主人公のリハビリ物+武術物という感じなのだが、この作品を面白いと思うのはストーリーの面白さだけではなく演出的な部分。
とりわけCGと手描きの使い分けの部分なんだけど、『ワルキューレロマンツェ』ではCGアニメを部分的に使っていて、主に使われるのは本作で題材になっているジョストでの対決シーン。このジョストでの一騎打ちシーンは概ね全てCGで製作されている。なので本作の目玉としてはCGアニメにしたことによる大迫力のジョストでのアクション!ということになるのだが、個人的に興味を持ったのは手書き部分の鎧の質感の方。
この作品の鎧の質感って結構独特の味わいがあって、手描きなんだけどどこかCGっぽい質感の鎧になっている。
この辺りについてはAnifavで現在公開されている山本裕介監督と本作のプロデューサーを務めるあらかわまさのぶの対談でも言及されている部分なのだが、どうもこの質感というのは狙ってやっているっぽい部分らしい。

アニメ『ワルキューレロマンツェ』山本裕介監督×あらかわまさのぶPD対談 「『王道』を作り出す人と技術」

この作品の鎧の質感の何が面白いかというと、手描きとCGの間ぐらいの質感にすることでCGアニメによるジョストパートでたまに挿入される手書きパートの違和感を軽減しているということ。これは手書き部分における鎧についても言えることで、手書きアニメ部分において鎧の質感をCGに近づけていることでCGアニメが突然挿入されても違和感が軽減されているように映る。
この違和感の軽減効果によりCGアニメによって演出されるジョストがアニメ全体を俯瞰してみた場合に浮いたものにならないような工夫がされている。『ワルキューレロマンツェ』という作品においてジョストのCGアニメと人間ドラマの手書きアニメを繋ぐ鎧。その鎧の質感に拘り、CGと手描きの間ぐらいにしたことで両者は違和感が少なく、手描きアニメで盛り上がった感情を迫力たっぷりのジョストでの試合シーンにそのまま持ち込むことが出来る。
それが如実に現れた形としては三話のジョストの美桜の初試合で、あのジョストシーンの面白さは三本勝負だからこその作戦立てと美桜の思い切りの良さがもたらす勝利なわけだが、美桜や貴弘のやりとりからのカタルシスは脚本もさることながら、ジョストと会話シーンを繋ぐ「鎧」が違和感のない代物になっているからこそだと感じる。
最近はCG技術の進歩については著しいものがありアニメにおいてもガンガン持ち込まれているし、劇場版『ベルセルク』などは頭部を手書き、それ以外をCGにするという試みも行われているのだが、CGアニメも手描きアニメも結局のところ技術であり技法でしかない。
「手描きアニメっぽいCGアニメ」というのはCGアニメが目指している方向の一つだと思うけど、『ワルキューレロマンツェ』から見えてくる「手描きアニメのCGアニメへの歩み寄り」というのも地味ながらも結構重要なところなのではないかと思う。CGアニメは手描きの代用品なんかじゃなくて技術であり演出技法なんだから、「使い分ける」という方向に向かっていることに関しては単純に喜ばしい。『ワルキューレロマンツェ』のような「両者を並べた時に違和感が生まれるのならその違和感ができるかぎり少なくする=CGアニメへの「歩み寄り」は面白い映像表現を生み出す、ぐらいのことは言えるんじゃないかな。
少なくとも俺は鎧の質感へのこだわりのおかげでジョストの迫力って凄いものがあると感じているなぁ。

CGアニメについてはもうちょっと書きたいことがある(今年のライブ演出についてのまとめとか)んだけど、ひとまず『ワルキューレロマンツェ』についてはそんなところかな。
ところで五話の京極尚彦らしい絵コンテっぷりには好物だと言わざるをえなかったのです。アバンタイトルの美桜の書類提出カットで京極尚彦特定余裕です!
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