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『バディコンプレックス』と3DCGの生む奥行きのあるアクションについて

『ガンダムビルドファイターズ』の後期主人公機であるスタービルドストライクガンダムだけど、「ディスチャージシステム」の発動シークエンスとその演出から「V2の光の翼とスターゲイザーとターンエーの月光蝶が混じったような演出」「ゴッドガンダムのハイパーモードも混じってるかな」という指摘をしていて、アブソーブシステムによって吸収したプラ不スキー粒子をライフルにチャージして撃ちだすあの感じはガンダムXのサテライトキャノンっぽい(そもそもビルドストライクをパワーアップさせる上で取っ掛かりになったのがガンダムX魔王なので、このへんは当たり前ではあるけど)まさか最後のシステムが完全にゴッドフィンガーであるとは。初めて発動する回では『アイアンリーガー』パロディの上に今川泰宏演出を重ねてくるし、「原典から外れているようで実は律儀に守っている」というのはこの作品の上手いところだ。
しかしラルさんの年齢が35歳でガンダムの歴史と同じというのは色々感じ入るものがあるけど、その年齢設定ってことはラルさんは1stを後追いしていることになるので、もうちょっと年食ってても良かったんじゃないかなーとは思った。
40歳ぐらいの方が面白かったんじゃないかな。色々と視聴者に跳ね返る物が多すぎると思うけど。

今期注目しているアニメとして『バディコンプレックス』を上げているのだが、バンダイナムコグループの六社による合同企画であるという事の他に、3DCGと手描きを合わせてロボットアクションを描くという演出技法が面白いからというのがある。


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そもそもロボットアニメにおいて3DCGというものが用いられ始めた理由の一つとして、ロボットの作画に多大な時間がかかるというのがある。ロボットと言うのは線が多いし作画するのは大変だ。ましてやアクションさせるとなると、その手間は多大なものになるし、多くのロボットが画面上に入り乱れることになるとその作画の手間というのは更に面倒なものとなる。
その点をみると3DCGと言うのは実用に耐えうるCGモデルを作ったりCGモデルに動きをつける上で多大な時間がかかるもののCGモデルを作ってしまえばコピーが効く部分がある。ロボットアニメだと当然ロボットが中心になるわけなので、人間を動かすよりも線が多くなりやすい。それらを全て「手書きでやる」ということの意味は確かにあって『ガンダムビルドファイターズ』はそれらを全て手描きでやっていてそれは確かに味わい深いものではあるのだが、とはいえ「アクションさせるたびに一から書き上げていく」という手描きよりも「部分的にはコピーが効く」という3DCGの方が「作画にかかる手間を減らす事で、アクション自体の面白さに時間を割くことでよりその作品に求められている動きに近づけられる」というメリットが生まれるように思うのだ。
この『バディコンプレックス』では、二話にて「手前から奥、奥から手前」という軌道を描くロボット同士の空中戦が描写されるのだが、このアクションでは「手前から奥に移動した後、奥から手前に移動する」という画面の奥行きを活かしたアクションをカットの切り替えなしで描写している。そのことによりこの作品が視聴者に見せたい、この作品ならではのロボットアクションである「奥行きのある空中戦」を演出することに成功している。
その一方で手描きのメリットとしては3DCGでは演出しにくい嘘を違和感なく落としこむことができるというのがある。
例えばサンライズアニメに見られる下から見上げるようなカットにおけるパースの狂い(所謂勇者パースの事)というのはアニメ的には気持ちがよく迫力が出ているものではあるが、3DCGでこれらを同じ構図で落としこんだとしても手描きのような迫力を生み出せるかというとおそらく生み出せない。
これは手描きだからこそパースを狂わせることで迫力を生み出しているもので、立体的には大きな「嘘」だ。そしてアニメというのはこれらの「手描きだからこそつける嘘」というのが多い。それらの嘘を全てCGモデルで演出することは一応可能だ。求められるカットごとにCGモデルを作ればおそらく同じことは容易にできるだろう。
しかしそれはそのカット専用でCGモデルを一から組み上げることになるわけで手描き以上の労力がかかってしまう。
しかしながら手描きではそういう嘘というのは違和感を限りなく少なくした上で演出できるわけで、この辺は手描きの利点だ。『バディコンプレックス』ではロボットアクションにおいては、ロボットごとの見せ場によってそれらの「手描きの利点」というのが生かされていると言え、CGモデルではカバーしきれないような「演出上の嘘」を手書きによって気持ちのいいアクションへとつなげている、とは言えると思う。このへんは『ヴァルブレイヴ』でも見られた特徴だけど、ロボットアニメという点では老舗と言っても過言ではないサンライズらしいアクションとCG・手描きの使い分けになってるかなーとも感じるところである。
お話としてはまだ始まったところではあるのだが、ロボットの戦闘機の発展形的なコックピット描写や「カップリングシステム」などの二人だからこそ生まれる強さ=バディ物らしさを主人公補正的なシステムとして落とし込んでいる具合など、個人的に目を引く部分が多いしロボットのヒーロー性がシステム発動と同時に可変することで視覚的に強化される感じなど面白いと思うし、未来世界に飛ばされた主人公と連れてきたヒロインの存在など散りばめた個々の要素は十分面白いと思うし、設定説明に関しては多少「それ必要ですか?」と感じる部分は多いけれど、やらなければならないことは基本的にやっているので許容の範囲内。
『革命機ヴァルヴレイヴ』という派手な失敗(作品を構成していた要素に関しては他よりも優れていた部分もあると思うけど)を見ていただけに、本作も若干心配はしていたけれど手堅い作りで今後にも期待できる作品だと思う。

ところでロボットアニメにおいて「見ていてプラモが欲しくなるかどうか」というのはそこそこ大事だと思うので、『バディコンプレックス』はプラモ化も頼みたいなぁ……。『ヴァルヴレイヴ』ってプラモの出来が良かったんですよ、本当。







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2件のコメント

[C1450]

ちょっと気になったので…

ラルさんが35歳なのは恐らくランバ・ラルが35歳であることとも引っ掻けているかと思います。

チナがラルさんの歳を聞いて、返されたあとの反応が「そんなに若いか?」って感じなのも初期ガンダムの年齢以上の見た目へのセルフツッコミだと思います。

[C1451] Re: タイトルなし

ああ、なるほど。そこも込みでのネタだったんですね。
  • 2014-01-24
  • 水音
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