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アイドルアニメのライブパートの観点から見た分類について

アイドルアニメだけでなくて、昨今では「キャラクターが歌う」や「キャラクターが踊る」などという演出が散見される。とりわけアイドルキャラが行うライブシーンでは、「作中でも人気のアイドルのライブ」ということもあって気合が入ったライブを見ることができるのだが、これらのライブアニメというものを見ていくと幾つかの系統に分けられることに気がつく。
分かりやすいところで言えば「手描き」か「3DCG」かというライブを表現する上でベースとなるものの違いだが、『アイカツ!』や『プリティーリズム』などは3DCGをベースとしたライブアニメを毎週制作していて、『Wake Up,Girls』などは手描きをベースとして行っている。『ラブライブ!』はどちらか一方ではなく、それぞれの長所を活かし切るべく3DCGで演出したほうが面白いところは3DCGで、手描きで表現したほうが絵になるところでは手描きを使うなど、手描きと3DCGの両方を用いたライブアニメが制作されておりひとつの魅力となっているのだが、ライブアニメを数多く見ていくとそれぞれのライブアニメではいずれも「ライブの持つ非日常性」や「アイドルの非現実性」を演出しているというスタート地点こそ同じであるものの、そのアプローチの仕方によって三つの系統に分けられるように思う。
その三つの系統とは「作中の演出装置を利用する」と言うアイカツ!型と「演者の心象風景やイメージを映像化して演出する」というプリティーリズム型、そして「イメージや装置を使わずに演者のパフォーマンスのみで表現する」というラブライブ!型である。
アイカツ!型はそのままアイカツ!のように演出装置や舞台仕掛けがあって、その装置を利用することでライブ自体の持つ非日常性やアイドルの非現実性を視覚表現として演出するというもので、『アイカツ!』や『AKB0048』などがその系統に属する。
このタイプの面白いところはアイドル自体のパフォーマンスもさることながら、舞台や小道具が外部装置としてあることで拡張現実感をもって演出できることである。『アイカツ!』は「アイカツシステム」というシステムが有ることで、あれを通じて全てのライブは演出されている。『アイカツ!』のライブアニメパートでは毎週個性豊かなステージや小道具を用いた表現がされているわけなのだが、その中には現実では再現できないようなものやギミックが含まれている。
それらは全てアイカツシステムと言う装置によって生み出されているものであり、言ってしまえばバーチャルなシロモノなのだが、そのバーチャル空間で行われるからこその「非現実的なステージの演出」というのは一つの特徴であり、アイドルとステージが一体となることで、ライブ自体の非現実性を極限まで高めている。『0048』を一例としてあげたが、『0048』ではアイドル達の舞うステージそのものがアイドル達の意思によって動く事により疾走感を与えていることや縦軸での動きが存在することにより三次元的な動きが存在しており、「ステージ自体が移動式」ということもあって観客はその三次元的な動きとキララと呼ばれる生物がアイドルオーラを感知して生み出すアイドルごとの光によってアイドルの持つ非現実性や非日常性、幻想性を高めるという効果を与えているのである(『0048』自体は現実のAKB48のアニメ化なので、あの物語自体がAKBのライブと見ることももちろん出来るわけだが)。
外部装置によって非現実性や非日常性を演出していた『アイカツ!』などに対して『プリティーリズム』系統の面白さというのは、外部装置に頼らない=演者が見せるイメージによってその非日常性が保たれているということだろう。プリティーリズムでは「プリズムショーは心の煌めき」と表現されるように、それぞれの演者達がステージで見せるものは、それぞれの演者ごとの心の煌めきであった。その心の煌めきというものを映像化しているのが『プリティーリズム』シリーズの独自性だといえ、外部装置に頼らない=理屈ではなくイメージを先行させる演出は様々な面白さをはらんでいる。一例としては『うたの☆プリンスさまっ♪』などがそれになるのだが、『うたの☆プリンスさまっ♪』ではアイドル達の行う全てが理屈ではなくイメージを先行させた演出となっている。HE★VENSはドラゴンのファイヤーブレスによって観客たちを焼いていたが、あれは実際にファンを焼いているわけでは断じて無くむしろ彼らがファンに対して「どれほどの感動を与えているか」というイメージの表現である。
プリティーリズムでもそうだがイメージを先行させて理屈を後回しにする演出というのは「理屈に縛られずに、よりその演者らしいイメージを構築できる」ということでもある。うたプリのHE★VENSは圧倒的な強者としての演出からドラゴンのファイヤーブレスと言うイメージを選択されたのだろうが、それにより彼らの凄さが分かりやすいものとなっていた。
プリティーリズムでも「オーロラライジング」という大技はオーロラが無限に広がっていく姿の神々しさで「オーロラライジングを飛んだ人間の凄さ」を表していたし、『ディアマイフューチャー』からのプリズムアクトはいずれもそれらを尖らせた演出だと言えた。『レインボーライブ』以降においても「恋をした人間が新たなジャンプを生み出していく」や蓮城寺べるの「夢幻プリズムフェニックス」などは「愛によってどんな自分も自分だと胸を張れるようになった」と言う彼女だからこそ「様々な姿をした自分に囲まれる」と言うイメージすら問題なく受け入れられると言う描き方になっていて、愛に目覚めた彼女の魅力を感じることができるものとなっている。まあバーニング!なカヅキ先輩の歌い出しからの爆発なんかは「炎をイメージに持つ彼の心象風景の表現」と取るべきだと思うけど。
最後になったが『ラブライブ!』のようにそういったイメージを先行させるわけでも、外部装置に依る演出をするわけでもなく、あくまで演者の体を用いたパフォーマンスによってライブやアイドルの幻想を保つアプローチもあって、このアプローチの面白いところは演者のパフォーマンスだけで構築されるだけのことがあって演者のパフォーマンスに注視できるということである。
それぞれの動きや表情、隊列の変化など、これらに全力で取り組んでいる姿。そこにドラマを感じさせる=演者自身に感情移入させることで、その凄さを体験させるわけである。分かりやすく言えばタイなんかの「生身アクション」を売りにした映画を見て受ける感動だ。「人間が出来そうな動きだからこそ、それをやり遂げるための努力なんかが感じられる」凄さなのだ。また加えて言うならアイドルダンスの持つ「歌詞との連動感」と言う意味でも「構成する要素が少ないからこそ拾い上げられるものが多い」部分もある。リアリティと言う意味でもこの系統は他二つよりも明らかに強いのだが、リアリティが強い分「頑張っている具合」というのは際立つし、スポットライトなどの演出が映える部分もあるのでこの辺りは特徴と言い切ってもいいように思う。

以上の三つは大雑把に分けるとこんな風に分けてもいいんじゃないか、という話なのだが、これらの選択において大事なものは何れも作品の方向性に従ったものであり、全体としてはきちんと一貫性が保たれているということである。
アイカツ!は『アイカツシステム』と言う存在があるがゆえに、彼女達の着る衣装はちゃんとアイカツカード化されているし、そのシステムの認証キーとしてはちゃんと生徒証が用いられている事からもこの辺りはちゃんと一貫性を保っているし、『プリティーリズム』もイメージ先行であることからフィジカルよりもメンタル面が重視されており、心の成長や心の変化がプリズムショーの演出においても変化として現れている(プリズムジャンプやプリズムアクト、プリズムライブのこと)。
『ラブライブ!』も外部装置などを使わない分、ダンスパフォーマンスなどについては「レッスンを積み重ねることでできるようになっていく」という行程を挟んでいるわけで、あくま「作品の中で描いたものの集大成」としてライブアニメを描いていることがよく分かる。したがってライブアニメというのは「作品の一部」であり、それ以上でもそれ以下でもなく、アニメにおけるライブパートの違いというのはつまり「作品ごとに求められる演出の違い」としか言えないのである。(だから比較するならまだしも、どちらが優れているかどうかってのは無意味だって事だ。モデリングの出来も求められる水準で変わるしね)

この理屈で行くと『のうりん!』一話のゆかりんライブはなんなのか?と言う話になるのだが、あれは「アイドルキャラ」と言う設定に説得力を与えるためにやっているものだと思うし「あれは本編じゃない」ので、作品の集大成というより「アイドルキャラが(描かれていない部分で)積み重ねてきたものの集大成」という方がしっくりくるような気もする。
まあ何にしても「作品から浮くようなライブパートってそうそうない」ので、そういう意味でもアイドルアニメって見ていて興味深いジャンルだと感じる所存。

ところで『アイカツ!』できいちゃんとかえでちゃんがかぶりまくってる問題ですけど、あれは「射手座の衣装だけ二つある」という射手座優遇の構えでよろしいか?ってことを、「今度は星座ドレス」と言う話を聞いた時に勝ち誇った魚座(主人公である星宮いちごが魚座)の人間として書いておかなければならない気がしたので今書いておいた(なお星矢Ωでは対して盛り上がらなかった模様)


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10件のコメント

[C1452]

どうでもいい事ですが、ムック本読んだ限りでは夢幻プリズムフェニックスです
  • 2014-01-31
  • 誤字
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  • 編集

[C1459]

ラブライブの最初のライブとして描かれたスタダの作詞は
畑亜貴女史曰く「わざと素人感を残した」そうで、そういう意味でもリアリティ重視ですよね。
あとはスタダ→これsomeでシンプルなフォーメーションだったダンスが
絵里加入後のぼらららでフォーメーションが複雑になって、
ノーブラで体力要求されるようなものが出て来る当たり
ダンスに関しても作中に合わせて難易度上げていったのかなとちょっと思います。
ダンス素人なので錯覚かもしれませんが。

[C1462] Re: タイトルなし

歌詞の方はまたちょっと別の話なので置いておきますが、ダンスについては話が進むごとに複雑化していったという部分はあると思いますね。そうしてみていくと、スタダを最終回に持ってきた事でスタダ自体のダンスが相当複雑化しているという面白さが出てくるんですね。
フォーメーションの変形もそうですけど、振付自体も九人だからこそのものなので三人版とは全くの別物になっているので、成長に合わせてあえて変えていると見たほうが良さそうですね。
  • 2014-02-12
  • 水音
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