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『世界征服』三話とブラックユーモアについて

『タカラモノズ』の発売日を勘違いして予約するのを忘れた結果、ライブまでに入手できない可能性が出てきて「死ぬしかねぇな」とか思ったものの、1日入荷分を無事に入手できそうなので一安心。当日に入手できない衝撃で思わず闘神都市を購入してしまったりしたが、まあいいや。どうせ元から買う気だったし。
ところで『サムライフラメンコ』のあの怒涛のヒーローラッシュは特撮オタクを試しているとしか思えないのだが、サメのような姿をしたヒーローは一体何がモチーフなのだろうか。それ以外は大体わかったのだが、アイツだけは何がモチーフになっているのかさっぱり分からねぇぞ。

さて、星空めておといえば『腐り姫』や『Forest』などのゲームのシナリオを手がけ、今現在はTYPE-MOONに籍を置いて『ファイヤーガール』と言う小説を執筆しているシナリオライターなわけなのだが、その芸風としては児童文学を引用したりブラックユーモアを盛り込んだりしながら「スケールの大きな話なのに、やってる事や物語の舞台はあくまで主人公の周辺」という小さな世界で大きな話をやるような人で、その物語自体のスケールの大きさと舞台や関係性のコンパクトさのギャップが俺などは物凄く好きだし、『成恵の世界』が好きだと言われると腑に落ちるような作品ばかり書いている印象があるのだが、そんな星空めておがシリーズ構成を手がけているのが今放送中の『世界征服~謀略のズヴィズダー~』。
訳あって実家を飛び出した少年、地紋明日汰と世界救済のために世界征服に乗り出した悪の組織、ズヴィズダーが世界征服に至るまでの軌跡を描いた本作だけど、三話は『DTB』や『メダロット』などの監督を務め、本作『世界征服』の監督である岡村天斎が絵コンテと脚本を切っているだけあって、星空めてお的な部分と岡村天斎的な部分が合わさったブラックユーモア溢れる一話でとても面白かった。
ヤスの喫煙をきっかけに煙草の征服に乗り出したズヴィズダー。しかしその征服活動こそが西ウド川市を二分する大きな戦いの幕開けになるとは誰も思わなかった--と、この三話は大雑把に言えばそういう話なわけなのだが、本作の面白かったところは一見すると「嫌煙家に依る愛煙家批判」として取れそうなところを「愛煙家対嫌煙家」で「どちらも同じぐらいマナーを守らない人でなし」として描き切ったことと、前述したように「喫煙マナーを守ろうとしないヤスがそもそもの発端であるにもかかわらず、最終的に西ウド川市を二分した愛煙家対嫌煙家の戦いに発展している」というギャップだ。
一見するとこの三話は「嫌煙家に依る愛煙家批判」に思えるし、実際コミカルに描いているもの嫌煙家は愛煙家に対して私刑行為すらしているし、煙草を吸っているだけで暴力を振るわれる光景が描かれている。その点だけを見れば「嫌煙家が愛煙家をとにかく批判している」と受け取り「作品の中で愛煙家批判を盛り込んできた」というようにも感じられるのだが、本作で嫌煙家を扇動していたのは世界征服を企むズヴィズダーであることを考えると、「愛煙家批判」というのはちょっとずれた見方になる。というか、この三話で岡村天斎が描いたものって「愛煙家対嫌煙家」ではなくて「悪の組織に率いられて、暴力によって相手を支配しようとする愛煙家」と「自分が煙草を吸いたい事を正当化してマナーを守ろうとしない嫌煙家」と見るほうが自然だといえる。事実として西ウド川市民が決起して煙草撲滅に乗り出したそもそもの発端はズヴィズダー総帥のヴィニエイラの演説がきっかけであるし、愛煙家達の最後の楽園を囲むように集まった西ウド川市民であるが、その先頭に立って愛煙家を追い詰めていたのはヴィニエイラだ。
そうして見ていけば見ていくほど愛煙家達によってある種の支配を受けていたと語る愛煙家も「悪の組織に征服されている」と見ることができ、「嫌煙家対愛煙家」と言う三話の中で描かれた対立構造はそのまま「悪の組織に征服された者達対それに反発する者達」という置き換えも出来る。つまりあの話っていうのは「嫌煙家も愛煙家も、自分の嫌いなものは何が何でも排除する!という思想で動いている段階で、どちらもろくでもない」という風刺的な側面を持っているともいえ、それをコミカルに描き切っている。だから俺はあれを「嫌煙家も愛煙家も同じぐらい皮肉った描き方」という意味でブラックユーモアとして受け取っているし、「一方的な愛煙家批判」でも「嫌煙家を一方的に賞賛する」という描き方ではなく「どっちもどっちだし、どっちもろくでもない」という喧嘩両成敗的な落としどころも含めて笑える一話だったように思う。というか、最後に「悪の心を持つ人間だけを殲滅する爆弾」とか出してきてその爆弾によって両方共滅んでるとしか思えない描き方をしている段階で「どっちも悪」ってことなんだろうな。「人間じゃない」と語られた「それ」も結局のところ嫌煙家とも愛煙家とも取れるような描き方だし。あと西ウド川市がズヴィズダーに征服されていっている様は既に作中で描かれたとおりである。今回の一話で西ウド川市民がズヴィズダーという悪の組織に賛同してしまう姿を描いた事は地味に今後の展開を考える上では重い。ような気がする。この辺は星空めてお的と感じる部分ではある。
逆に岡村天才的な面白さとしては「事の発端は物凄く小さなものなのに、論点のすり替えとスケールの巨大化によるギャップ的な面白さ」で、『メダロット』のひよこ売のオヤジがよくやるネタに近い面白さだったと思う。あのオヤジもいつの間にか論点をすり替えて話の規模を物凄く大きなものに変える事で(そしてその直後のイッキやメタビーの『この人何いってんの』的なツッコミも含めて)笑いを誘ってくれる存在ではあったのだが、ツッコミ役不在かつ星空めてお的キャラクター達の「何でもありさ加減」が合わさると実際にあそこまでスケールの大きな話になるのだな。そもそもは喫煙マナーの話なのになー。
しかし西ウド川市民が二つに分かれて、嫌煙家が集団で愛煙家を殴る展開とかコミカルに描いてるから笑えたけど、ネタ的には相当やばい類のジョークなので(だから「ブラック」ジョークなんだが)、あんまり真似しちゃいけないなぁ、とは思うところではあるかな。
何にしても。
俺はこういうブラックジョークの類をちゃんと笑えるようにしてきたと言う一点において、この三話を積極的に評価していきたいなー。
ところでホワイトロビンとホワイトイーグレット、一体何者なんだ……。ゴーカイイエローみたいな声とプリキュアみたいな、スターライトなアイドルみたいな声をしているんだけど。


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