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『プリティーリズム・レインボーライブ』と天羽ジュネに収束する物語について

『ガンダムビルドファイターズ』を見ていたら、ガンダムX魔王がマイクロウェーブ+ソーラーパネルでサテライトシステムを稼働させ、大型ビームソードをパワーアップさせていたのにはさすがに驚いた。何が驚きかというとこれはもう「ガンダムXの大型ビームソードはサテライトシステムからエネルギー供給を受けている」と言う設定が忘れ去られていなかったということに尽きる。
大型ビームソードはサテライトシステムからエネルギー供給を受けているので、マイクロウェーブを照射された時に手に入れた莫大なエネルギーが大型ビームソードそのものを強化しても別におかしくはないのである。しかしながら『ガンダムX』本編ではサテライトシステムの起動はイコールサテライトキャノンとほぼ同じような扱いを受けていて、「大型ビームソードはサテライトシステムからエネルギー供給を受けている」と言う設定及びサテライトシステムを利用することに依る大型ビームソード強化展開はほぼ死んでいたも同然だったのだが、「サテライトシステムからエネルギー供給をされている大型ビームソードはマイクロウェーブで手に入れたエネルギーで強化されても別にいいじゃん」という視聴者の「設定面から見たツッコミ」は作中の人物がしていてもおかしくないわけで。
そんな設定から見れば「そうなっていてもおかしくない」というツッコミを、ガンダムX魔王は見事に形にしてくれた。まさしくガンプラ心形流。原典の設定的に出来る事を、独自の要素を絡めた上で見事に活用してくれた。そのことを嬉しく思う。ところでマイクロウェーブ+ソーラーパネルでのサテライトキャノンがあの機体の最大火力だと思うけど、ただでさえコロニーを破砕できるサテライトキャノンにソーラーパネル分のエネルギーを使ったらどのぐらいのことが出来るのだろうか。
あれが中学生の作品であるという恐ろしさに肝を冷やしつつ、俺はジムスナイパーカスタムを組むタイミングを探ります。ジムスナイパーK9もそろそろ発売だったような気が。

最終クールに突入してますます目が離せなくなっている『プリティーリズム・レインボーライブ』。
最新話では第三クール目に入って本格的に登場することになったトッププリズムスター、天羽ジュネと。そんな天羽ジュネの元へ行った茨りんね。作中でもトップクラスの実力者である二人がデュオでプリズムショー!ということになったのだが、予想以上にとんでもない物を見せられて心中穏やかじゃいられない。
今回明かされた話をまとめると天羽ジュネというキャラクターが現在抱えている全ての問題が、今まで繰り広げられてきたあらゆる物語に繋がっていることが分かる。
例えば天羽ジュネの問題としては「氷室聖が好きなのに、彼からの愛情を信じ切れない」などは愛に飢えていた頃の蓮城寺べるの問題と重なることだし、涼野いとと神浜コウジの親同士の因縁で距離を置かざるを得なくなると言う問題についても「本人の意思とは無縁の出自の問題」であると置き換えると、「プリズムワールドからやってきたがゆえに、いつかはこの世界を去らなくてはいけない=聖と共にいることができない」という天羽ジュネの問題に置き換えることが出来るし、森園わかなの引っ越し騒動なんかもジュネ様の問題につながってくるのである。
そう考えていくと本作が今まで展開してきたあらゆる人物とそれらの人物が抱えていた問題が、天羽ジュネという人間にとっては全て「自分の抱える問題と全く同じ」なのであり、全ての物語が天羽ジュネという人物に収束していっていることが分かるはずだ。したがって天羽ジュネの抱える問題とその解決が本作の幕を下ろすための必須条件だといえる。
天羽ジュネの抱えている問題はかつて彩瀬なる達ハッピーレインや蓮城寺べる達ベルローズが抱えていた問題と同質のものだ。しかし天羽ジュネが今もなお問題を抱えて苦しんでいるのに対して、彼女達はどうかというと彼女達は問題を既に解決へと導いている。
ここにあるものは何かというと天羽ジュネには無くて、綾瀬なる達が持つもの。つまり友達や仲間といった「共にいてくれる存在の有無」だろう。蓮城寺べるにしても涼野いとにしても、本作に登場した全ての人物達は某かの問題を抱えていて、そのことで苦しんでいた。しかし彼女達は今は自分なりの回答を見つけ、自分なりのやり方で解決していくことが出来た。
なぜ彼女達がそうすることが出来たのかというと、彼女達は友達や仲間、そしてライバル達と出会い、その中で自分の抱える問題に気づき、そして仲間から助けてもらいながら努力していったからである。デュオ編なんかはまさにそういう文脈で、一人で抱えていればもっと拗れていた問題も、パートナーの手を借りることで解決へ向かうことができている。
いい例としては森園わかなの転校騒動で、おそらくわかな一人であればあのままシンガポールへ引っ越ししてしまっていただろう。自分の気持ちを押し殺し、本当のことを誰にも話すこと無く旅立っていったはずだ。
しかしそうはならなかったのは、福原あんという友達がいたからだ。世話やき委員長気質の彼女が、彼女なりのやり方でわかなを手助けしたことで彼女は引っ越しすること無く、今こうして仲間達と笑っていられるのである。
同じことは涼野いと・神浜コウジの問題についても言える。二人だけであればおそらく距離をおいてそのまま自然消滅的な形で終わっていただろうが、小鳥遊おとはがいることで二人は冷静に考えることが出来た。おそらく父親の罪の告白を素直に受け止めることが出来たのも小鳥遊おとはという「信頼できる存在」がいたからこそではないだろうか。
そうして考えてみると、本作で登場した全ての人間は某かの形で繋がっていて、その繋がりこそが彼女達を成長させ、心の煌めきを生み出し、今の彼女達を形作っている。一人では解決できなかった問題も、その繋がりが彼女達を解決へと向かわせているのだが、天羽ジュネにはそれが存在しない。彼女のプリズムショーは徹頭徹尾氷室聖に捧げられるものであるし、彼女の隣に立つ存在はひとりとして存在しない。かつて速水ヒロは「頂点に上り詰めれば積めるほど空気が薄くなり苦しくなる」と説いたが、天羽ジュネはまさしくそうした息苦しさを抱えていて、「氷室聖」と言う存在のために捧げられた彼女のプリズムショーは彼女がただ一人の存在であるがゆえにその息苦しさが美しさとなることで成立する。
だからこそ彼女は「救えない」のである。「氷室聖の中で輝く一人」であるために、他の人間を全て切り捨てている彼女はいつだって孤独で、その息苦しさを誰かと分かち合うことも出来ない。
そして氷室聖を愛すれば愛するほどプリズムワールドの使者の使命や宿命などが彼女を苦しめ、彼女はプリズムショーで活躍すればするほど彼女の想いは辛さへと変わっていく。そんな彼女を救うため、りんねはジュネとのデュオショーを通じて説得することにしたのだろうが、天羽ジュネはりんねの説得に聞く耳を持とうともしなかった。
結果として彼女はまた一人の存在に戻ったわけなのだが、天羽ジュネの抱えている問題は大きい。本作が今まで説いてきた「誰かと共に」は天羽ジュネの心を支配する孤独と恐怖を溶かしてくれるのだろうか。
そして天羽ジュネがこの世界に長く留まり続けた事によるプリズムショー消滅の危機。
彩瀬なる、福原あん、涼野いと、蓮城寺べる、森園わかな、小鳥遊おとは、そしてりんね。七人の心の煌めきがどういう輝きを見せてくれるのだろうか。今後共目が離せない作品である。

ところで「プリズムショー消滅」というのは何気に「プリズムショーのおかげで出会えた&変われた」と言う人が特に多い今回のシリーズでは物語を締めくくるに相応しい危機だと思う。あと「天羽ジュネに勝つ」を目的にしてはいけない(勝つことを目的にすると法月主宰が支配することになる)ので、このへんもどう解決するのか気になるところ。

書きそびれたが、肝心のプリズムショーだけど、天羽ジュネがオディールであることを考えるとバレエを参考にしているのは妥当かな。同時にりんねとジュネが同じプリズムワールド出身であるということで、りんねとジュネだけマイソングの作曲家が違う理由にも納得だ。あれは他のキャラクターとの出自の違いを表していたのね。
しかしジュネさんはあの出自だとどう考えても天羽衣伝説から名前をとっているわけで、意味深な名前つけたなぁと思うところ。



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4件のコメント

[C1455]

本題から逸れてガンダムビルドファイターズについてですが、ガンダムX魔王の活躍でこのような見方をしているのは非常に面白いです
しかしガンダムXという物語でサテライトシステムがほぼサテライトキャノンと同意義であるのは、サテライトキャノンの重みがあって良いと思っています
高松信司、川崎ヒロユキコンビならサテライトシステムを単純な必殺技として描く事も出来たと思うのですが
ガロードがサテライトシステムを活用してビームソードやライフルを使っていたりしたら、作品の色がまったく異なっていたと思います
ビルドファイターズは原作の設定補完も出来る幅の広さがあると気付かされましたが
サテライトシステムについては原作の意図した物だったのではないかと意見してみたくなりました

[C1456]

>>774さん

自分も「サテライトシステム=サテライトキャノンと同意義」という部分に対しては全く異論がなくて、サテライトキャノンとサテライトシステムを直接つなげてしまうことで、本作におけるニュータイプとそこからの卒業などというテーマやアクションは際立っていて、仮にサテライトシステムを必殺技発動ギミックとしていたのであれば、おそらくそこまで魅力的にはなっていなかっただろうと思います。
ただガンダムX魔王に関しては「原作から離れた事で裏設定が表舞台に登場した」という部分が大きく、それは「設定好きのファンのツッコミ」という存在なくしては成立しなかったとも思うのです。
『ガンダムX』本編ではシナリオギミック上、死に設定とならざるを得なかった部分なだけに、外伝作品でこうしてちゃんと見せ場が与えられていた。
そのことに喜びを感じてしまうのです。
そしてこのタイミングでMGガンダムXを出すバンダイというのは本当に恐ろしいメーカーであると思うわけですが、いかがでしょうか。
こんなもの買うに決まっているのであります。
  • 2014-02-07
  • 水音
  • URL
  • 編集

[C1458]

ガンダムXの理解が深くて嬉しい気分です
設定好きのファンから見たツッコミから成立してるというのはなるほどと思いました
使われなかった設定への指摘というだけに読んでしまったようです
MGガンダムXは無論買いましたとも

[C1461]

>>774さん

MGガンダムXの次はMGガンダムヴァザーゴ辺りを臨みたいところなんですけど、その前にディバイダーもほしいですね!
  • 2014-02-11
  • 水音
  • URL
  • 編集

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