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『劇場版プリティーリズム』と総集編としての工夫について

少女は華やぐ。輝くスターを瞳に映し。
少女は舞う。弾ける夢を胸に掲げ。
少女は奏でる。無限の未来を追いかけて!

『プリティーリズム』が映画化と聞いて黙っていられるか! というわけで初日に『劇場版プリティーリズム』を見てきたわけなのだが、「今までプリティーリズムシリーズの中でやってきたプリズムショーを集めた総集編」という第一報通りの総集編ではあったものの、単なる総集編かというと一味違った総集編であった。
遂に映画化!と言いながらも新規カットが幾つか追加されただけの総集編であることが多く、映画館のスクリーンの前では霞んでしまう作品が多い中で、この『劇場版プリティーリズム』では「今までのプリズムショーの総集編」というプリズムショーに特化した総集編にしている。同時に本作では「ベスト10のランキング形式で発表する」ということで、本編における名シーンや要点を抜き出しただけにしかならない「総集編」というものを逆手に取って「バラエティ番組っぽく再構築する」と言う手法を持って、単なる総集編を「総集編」と感じさせないように工夫しているのである。
そもそも総集編というのはどうやったって名シーンの切り出しにしかならない。1クールアニメの総集編ですら名シーンをチョイスしながら、最低限の話の流れを追うと言う形式にしかなっておらず、総集編としてTVアニメよりも遥かに短い時間の中でやりくりしながら「話の骨子が残る程度」にまでそれ以外の部分を削ぎ落としていく。名シーンというのはある程度話に関連しているからこそ名シーンだと感じられるわけなのだが、総集編だとどうしても名シーン→話の進行→名シーンという安直な流れになりがちで、これはもう「総集編」というものがそういうものだからとしか言いようがない。
そこで一工夫をする必要があって、『劇場版あの花の名前を僕達はまだ知らない』では「あの時のことを振り返る」と言う切り口にすることで、ダイジェスト進行しても「各キャラの印象が強いシーンを抜き出す」ということにそれほど違和感を感じさせないような配慮をしていた。
しかしながらそういう切り口でやらないと1クールアニメでもダイジェストになった時のシーンを切り貼りしただけという印象は拭いきれないのだ。
また『あの花』はなんだかんだで99分とかなり長い時間を与えられていたし、『まどマギ』に至っては2時間×2本であるのに対し、『プリティーリズム』は4クール×3年と続けてきたのに対し、与えられた時間は大体50分ととてつもなく短い。
50分で『オーロラドリーム』『ディアマイフューチャー』『レインボーライブ』の三つの作品についてストーリーを追うことなど不可能だ。そもそも一作品だけに絞ったとしても、50分という時間の中に圧縮出来るほど内容が薄くない。一ヶ月の間に物語の印象が大きく変化し、話自体もよりダイナミズムを感じさせる方向へ加速させていくのが『プリティーリズム』だ。
そう考えると三年間の重みを、わずか50分という今までから見ればあまりにも短すぎる時間の中でやるというのは「無茶にして無謀」であるといえるのだが、その中でやり遂げるための工夫として出てきたのが「今までやったプリズムショーに特化する=話の流れをあえて追わない」という選択であり、「シーンの切り貼りにしかならない」と言う部分を解消するためにやったことが「ランキング発表するバラエティ番組を構築する」と言う手法なのである。
この二つの工夫によって『劇場版プリティーリズム』はわずか50分という短い時間の中で三年間の物語の重みを、「総集編だからこその面白さ」をもって再現しようとしている。
話を追うことをやめながらもそのプリズムショーに対する解説や話の流れをちゃんと語っておくことで、今やっている映像の物語的な位置づけやキャラクターごとの解釈を司会のペンギン先生とオーナーのコメントによってフォローしているし、そのコメントに対しても繋ぐカットを工夫することで『プリティーリズム』だからこその映像としての説得力が生まれている。『オーロラライジング・ドリーム』をあえてチョイスすることで「これがこの順位なら納得」と思わせる映像になっている辺りは編集の上手さが光る。一見無意味そうに見えたり、時系列を入れ替えることで単なる総集編でありながら、プリズムショーとそれを行っているスター達の印象をより強く強調する形で映像が再構成されているのである。
加えて「ランキング番組」として作りこんで、事前にそのことを告知していたことで「何が出てくるのだろう」という期待感を生み出しているところも興味深い。
三年間見続けた人間ですら「どのプリズムショーがよかったか」という点については意見が別れるものだからこそ、「あれがあるといいな!」という期待感が思い入れを加速させる。現在放送中の『レインボーライブ』しか見ていなくとも、「どのプリズムショーが選ばれるのか」と言う部分についてはどうしても期待してしまうところだろう。
なにせベスト10ということは全部で10本しか選ばれないわけで、その10本の枠の中に「自分が好きなモノが入っているかどうか」と言うのは否が応でも期待させてしまう。
「スタッフによる激選」と言っても過言ではないベスト10だからこそ、今回の劇場版はコンセプトの時点でそういう期待感をいい意味で煽っており、それは本作のあり方において十分な役割を果たしているといえるのではないだろうか。
またランキング自体も三作品の中で上手く分散されていたし、カバーしきれない範囲は別枠で取り上げられていたりと配慮が行き届きすぎている。プリズムボーイに至っては更に別枠が用意されているので、プリズムボーイ好きもそのへんは満足できるだろう。
新規カットについては作品の体裁である「バラエティ番組っぽさ」を作り出すための部分が多いとはいえ、今までのシリーズを追ってきた人間ならば懐かしさと変わらない面白さが共存した映像だ。また何気にアニメでは初のクロスオーバーがなされている作品でもあるのでその点から見ても今回の劇場版はやるだけの価値があったのではないだろうか。

しかし最期のアレは作品ごとの個性が見事に出ている部分ではあるよなぁ。
ジンギスカン健在や!!



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