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『黒先輩と黒屋敷の闇に迷わない』の先輩に見るセクハラという切り口について

『プリティーリズム・レインボーライブ』と『ジュエルペットハッピネス』が終わってしまった。どちらも内容としては素晴らしく、一年間の集大成にふさわしい幕引きで土曜の朝っぱらから涙を流しながら見ていたわけなのだが、いざ終わった時に世界の滅亡にも等しい喪失感を抱いてしまっている俺がいて、ドアサアニメの罪深さと素晴らしさを再び噛みしめている。
一週間後には『レディジュエルペット』と『プリティーリズムオールスターセレクション』がスタートするとはいえ、この喪失感から立ち直るのはちょっと時間がかかる。とはいえ一週間も立ち直れる時間を用意してくれたのは十分すぎるというべきか。でもやっぱりあの最終回はちょっと完璧すぎやしねぇかなぁ……。やらなければならないこと、やっておかないといけないことをきちんとやり遂げ、「世界を移動すると記憶を忘れる」と言う設定を自覚した上で「ハピなる!」とりんねに言わせる。あれってやっぱり大事だと思うんだよなぁ。「忘れることもあるけど、忘れない大事なこともある」ってことを意識させるあの「ハピなる!」は物凄く価値がある台詞ではないかな。
『ジュエルペットハッピネス』はてぃんくるとサンシャインを愛する俺だが、その二作の次ぐらいには好きだったなぁ。最初は宝石を出すために打算的に動く姿とかどうかと思ったが、そういう部分も含めて『ハッピネス』らしさになっていったのは4クールという長い期間を放送するからこそだろう。
というわけで来年も『ジュエルペット』と『プリティーリズム』に期待しておく。まあ『ラブライブ!』優先なので、いつもどおり「面白い事があったら取り上げる」ってことで。

『黒先輩と黒屋敷の闇に迷わない』と言うゲームが有るのだが、これが素晴らしいゲームだった。

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ゲームとしてはバイトの面接をしに謎の屋敷にやってきた主人公(とその主人公が好きな先輩)だったが、二人が入るやいなや入り口の扉は閉じられて出れなくなってしまう。二人は屋敷から脱出するべく、屋敷を探索する、という屋敷探索型のミステリーゲーム。
フリーゲームなのでそれほど長くなくてまともにプレイしても大体一時間かからないうちに終わるゲームなのだが、本作の面白いところはそんな「探索して屋敷を脱出する」というクリアまでの過程の面白さではない。もちろんその部分の面白さもあるのだが、それはあくまでおまけである。
本作においてもっとも面白い部分はゲームの紹介文にもある通り、黒髪ロング・黒セーラー服・黒タイツ・巨乳・クールという記号によって構成される先輩にセクハラをすることであり、探索パートとは先輩にセクハラするためのシチュエーションを探す事なのだ。
そう、屋敷探索と言う要素はあくまで「先輩にセクハラをするためのシチュエーションづくり」以外の何の意味も持っていない。そのためなのか探索部分のあっさり具合に対して、セクハラ部分のシチュエーションの多さはそれとは比較にならないほど豊富である。例えば序盤から選択できる「乳を揉む」にしても、前から揉むのか後ろから揉むのかでグラフィックとテキスト部分が変化しているし、もんだ後の行動もちゃんと変化するように作られている。
足に視点を向ければ黒タイツごしに尻を揉んだりするシチュもあるけれど、タイツ越しに見えるパンツに対する台詞まで存在している。
この辺りから見ても本作がもっとも重視しているのは紛れも無く「先輩にセクハラする」と言うシチュエーションであり、探索部分はそのシチュエーションづくりのために存在しているという事が出来るだろう。
そしてもっとも恐ろしいところは何かというと、「屋敷を探索する」というシチュエーションをフルに使って「あらゆるところにセクハラを仕掛けられる」というところだ。階段の途中でセクハラコマンドを実行すれば、四つん這いにさせた先輩にセクハラ出来るし、ベンチに腰掛けた状態でセクハラコマンドを実行すれば対面座位の体制で先輩にセクハラすることが出来る。この構図を完成させるためにベンチに腰掛ける行動が実行できるのだから、製作者は天才だろう。
そして同じシチュエーションでも先輩には幾つもの記号が付与されている事で様々なところへ分岐していき、選択肢によってはそのフェティシズムを暴走させたセクハラをさせることも出来る辺り、製作者の先輩と言うキャラクターに対する偏愛を感じてしまう。そしてその「偏愛」がセクハラを能動的に実行させるシステムにしたことで娯楽性を帯びている辺りはまさしく「突き抜けた偏愛はエンターテイメントになりうる」ということを如実に語っている一例といえる。
その辺は自覚的なのか、クリア後にセクハラした数がテキストファイルで吐き出されるようになっているのにはさすがとしか言えない。セクハラの履歴化とは恐れいったぜ!
ただ本作の面白さがセクハラコマンドの面白さだけではない。
確かにセクハラコマンドは面白いし、製作者の愛を感じるシステムではあるのだが、そのセクハラコマンドで語られているものは「先輩と言うキャラクターの魅力」だ。
先輩は主人公に対する好感度がカンストしているので主人公が何をしても受け止めてくれるけれど、そんな台詞の中に見えてくる先輩の「何をしても許してくれるさ加減」の妖艶さとか、主人公自身をセクハラへと傾けさせてくれるような魔性さとか、そういうのが台詞の端々からガンガン伝わってくる。
こういう部分はセクハラコマンドが生み出すシチュエーションがあるからこそのものだ。普通の会話では表現できない部分を、セクハラコマンドが表現している。つまり本作におけるセクハラとは何れも「先輩」と言うキャラクターを見せるための演出装置の一つにすぎない。
だがそれがいい。会話は会話で存在していて、こっちはこっちで先輩の魅力が伝わるような配慮がされているのだけれど、それではカバーできないような先輩の魅力をセクハラコマンドが補う。R-18指定ではなく直接的な性描写がないからこそセクハラコマンドが先輩と言うキャラクターの切り口としては意味のあるものとして機能し、先輩の魅力でプレイヤーを楽しませる。地味ながらも設計としてはなかなか美しい作りだと言えるだろう。
特筆すべきところとしてはそんなところだが、本作において製作者の天才っぷりが発揮されているのはこちらの想像する大体のシチュエーションは存在していることで、この網羅っぷりだけで評価したくなる。とはいえ、先輩と言うキャラクターを語るためにシチュエーション(屋敷)とシステム(探索)が存在している部分があるので、好きな人以外にはおすすめできないのだが、好きな人には是非プレイして欲しい。



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2件のコメント

[C1480]

素晴らしい!
『ぬらりひょんの孫』の羽衣狐が好きな自分にはまさに天国のようなゲームでした。
セクハラも大好きですw
作者のこだわりがよく出ている良作ですね!

[C1481] Re: タイトルなし

作者の方がTwitterで言及してましたけど、影響は受けているそうで。>羽衣狐
その時にシチュエーションの追加も考えてらしたみたいなので、もしかしたら追加されるのかもしれません。
  • 2014-04-02
  • 水音
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