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『ラブライブ! School idol diary 絢瀬絵里編』と負い目と自分にしか出来る事について

『第三次スーパーロボット大戦Z 時獄編』をプレイしているのだが、今回がボイス付きスパロボ初参戦となる『フルメタル・パニック』における相良宗介復活の際の演出がいちいち冴えている。主役機であるアーバレストにはラムダドライバが搭載されていて、気力上昇による機体能力上昇とダメージ増加によってアーバレストは強い機体となっているのだが、宗介が一つ大きな成長を遂げる『TSR』の再現に入ると、アーバレストからラムダドライバが消えてしまい、大幅に弱体化してしまう。この弱体化自体は『第二次Z』のグレンラガンでも見られた点で、カミナが死ぬことでシモンの能力は大幅に下がってしまう演出がされていた。後にシモンはカミナの死を乗り越えることでシモンの能力は大幅に上昇してカミナを超える能力値となるのだが、『第三次Z』の宗介においては「心の迷いによってラムダドライバが使えなくなる」という原作の再現を「機体の特殊能力からラムダドライバが消える」という形で再現した。そしてカミナの死を乗り越えたシモンがパワーアップしたのと同じように、宗介が心の迷いを振りきって復活し、アーバレストのAIであるアルを真の意味でパートナーだと認めた時にラムダドライバが復活し、それと共にアルがサブパイロットとして追加される演出がされた。サブパイロットということは二人乗りということであり、これはつまり「宗介がアルをパートナーであることを自覚し、彼とともに戦うことで本作の性能を完全な形で引き出している」という読み取り方が出来る。これは『TSR』以降(原作で言えば『踊るベリー・メリー・クリスマス』以降)の物語において、たびたび演出されるアルと宗介の連携によるラムダ・ドライバ運用をスパロボ的解釈によって汲み取ってシステム面で反映している事例だといえ、「原作にある描写をどう再現していくか」というスパロボの面白さが感じられる部分だろう。
でも戦闘アニメのつまらなさはどうかと思う。今回がボイス付きでは初参戦となるフルメタだけど、テンポは悪いわアニメーション自体もおかしいわで正直こりゃどうなんだ。単分子カッターなんか玩具で殴ってるようにしか見えねぇし、クルーゾーのマーシャルアーツももっと滑らかに動かしたほうが本人の哲学である「スキルではなくアート」っぽさが出るんじゃないかなぁ。


ラブライブ! School idol diary ~絢瀬絵里~ラブライブ! School idol diary ~絢瀬絵里~
(2014/04/05)
公野櫻子

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本当はもっと前に書こうと思っていたんだけど、結局いつもどおりのタイミングで読了。
小説版として月一回ぐらいのペースで刊行されてきたこの『school idol diary』シリーズも今回の絢瀬絵里編が最終巻となるわけなのだが、『絢瀬絵里編』が最終巻でよかった。なぜならこの話は高坂穂乃果編と対になる上に、理詰めの彼女だからこそ見えてくる諦観が如実に現れた一巻だからだ。絢瀬絵里編で描かれるのは、高坂穂乃果達がスクールアイドル活動を始めようと決め、行動を開始したところからではない。
絢瀬絵里編で描かれているのは、絢瀬絵里が生徒会長になった時から舞台となる音ノ木坂学院を支配していた「廃校になるかも」という空気感と「誰がなっても同じ」と言う諦観だ。そして絢瀬絵里自身が理詰めの人間であるからこそ、彼女もそういう諦める側の人間であったことが明確に描かれている。廃校を阻止できるなんて考えない絢瀬絵里だからこそ「有終の美を飾るために生徒会長を引き受けた」というエピソードが際立ってくる。つまり彼女が生徒会長という立場に収まったのは廃校になるからこそだった。だからこそ誰もが納得できる「終わり」を生み出そうとする生徒会長になったわけなのだが、ここで面白いのは「廃校を阻止するために自分に何が出来るのか」と行動した高坂穂乃果のドラマだ。
廃校の危機という同じ物事でも「有終の美を飾ろう!」と生徒会長を引き受けた絢瀬絵里と「廃校を阻止するために何が出来るだろう」と考えた高坂穂乃果。
この二人はアニメでも表裏一体の存在として描かれていたのだが、小説版においてはこの二人は明確に、そして強調される形で真逆の存在として描かれている。それにより際立つのは同じ物事からスタートしたのにも関わらず全く違う二人だからこそ「共にやること」という事の価値、つまりμ'sと言うスクールアイドルユニットの真価が描かれているのである。
だからこそ本作が最期を飾るに相応しいのだ。
この二人が対であるからこそ高坂穂乃果のドラマと絢瀬絵里のドラマ、見ているものも違えば行動に移す際の指針も違う二人が始まりと終わりを受け持つことで「全然違う二人が同じ目的のために頑張る」というスクールアイドル、μ'sという存在が生きてくる。
そして光るのは「自分に見えないものを見ている穂乃果」と言う存在に対する憧憬と尊敬。そして自分にもそういう機会があったにも関わらず有終の美を飾る事を選んだ負い目。そこからくる「応援するしか出来ない」という後ろ向きの決意だ。
この辺りはアニメでもクローズアップされている点ではあるが、本作では他のメンバーが何度も何度も誘ったエピソードを追加する事でその「後ろ向きさ加減」と「負い目」が際立つ。だからこそそれを乗り越えた時、「絢瀬絵里にしか出来ないこと」で「中」から「助けていく」と言う決意を固めた時のドラマが魅力的なのだ。
大きくページ数を割いて様々な方向からスクールアイドル活動を始めた高坂穂乃果と絢瀬絵里を比較し、絢瀬絵里のその負い目を強調するような描き方をしているからこそ、彼女が自分自身でステージに上がることを決めた時の姿が輝かしく感じられるのである。
そして絢瀬絵里がステージに上ってアイドル活動を始めることは彼女が高坂穂乃果達と景色を共有するということでもある。
その景色がどういうものであるかについてはこの絢瀬絵里編では特に語られていない。しかしこれまでの八人のドラマで最期に描かれてきたものはいずれも同じものだったことは間違いない。だからこそ、最期に入った絢瀬絵里が見た景色もおそらく同じものなのだろう。
だからこそその景色が輝かしい事であることを信じ、今精一杯その景色に向かって頑張ろうとする想いが美しい。

叶え! 私達の夢――!

この言葉は景色を共有した九人が頑張ろうとしているからこそ、相応しい言葉だと言えるだろう。
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