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『ラブライブ!』二期三話と王者のA-RISEによる格上げについて

『プリティーリズム』シリーズから『プリパラ』にバトンを渡すべく、今『プリティーリズム・オールスターセレクション』と言うタイトルで、『プリパラ』の主人公であるらあらが『プリティーリズム』シリーズの主人公達からステージに立つものの心得みたいなものを教わる!というアニメがやっているんだけど、とりあえず今週三シリーズの一話を消化して、次に何が来るかと思ったら『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』の46話をやるらしい。
正直「おいおい色々すっとばしすぎだろ」とは最初は思ったのだが、冷静に考えたらこの作品って「らあらに先輩達三人が心得を教える」と言うのがシリーズコンセプトとしてあって、各話が丸々放送されているのはらあらに教える「心得」に説得力を与えるための引用なのだ。したがって全作品の一話が放送されたのも「らあらに教える心得」を自分の体験から引っ張りだしている=回想であって、本人達は「自分の時はこうだった」と言うエピソードを語っているだけにすぎない。
そう考えてみるとここで『DMF』46話をやることは自然なことで、「友達同士競いあうということ」の本質に迫ったこの話は非常に大事なところではあるし、引用目的にしても妥当だといえる。
だからこそあえて言う。『DMF』では「努力だけはだれでも出来るんだよ」と女子中学生に言わせたあの話を先にやって欲しかった!と。
才能なき者の苦悩を描いたあの話はやっぱり大事だと思うのだが、そのうちやるのかなぁ。まあ先に『DMF』出した以上、りずむちゃんの話でも取り上げてほしい……。



というわけで『ラブライブ!』二期三話の話をしていきたいと思う。
「時間がない」というプレッシャーによってスランプにまで陥ってしまった三人であったが、仲間達の協力もあって何とか新曲も新しい衣装も完成させることが出来た。準備も整い、いよいよ始まるラブライブ! そのラブライブ!の予選に挑むことになったμ'sであったが、ライブを行う場所はどこもひと通りやったところばかり。そんな中、μ'sはライバルであるA-RISE達に出会う――というところから始まるこの第三話。
一期の第三話と同じような構成にすることで「失敗しそうな気配」を潰しながらも、ここまでに積み上げてきたものによってそれらを一期の三話とは真逆の演出効果が生まれているという事もさることながら、今回もっとも面白かったところはμ'sではなくてA-RISEの本編への本格的な参加と彼女達の王者としての風格だろう。
これまで第一期の十三話、第二期では既に二話放送されているわけなのだが、A-RISEが本格的に作中に登場したことというのは実は今まで一度もなかった。思い返してみれば一期でも存在感こそはなっていたがいずれも映像やグッズぐらいしか登場していなかったし、十三話のライブアニメパートで一カットだけ登場していたとはいえ台詞はなかった。
こうしてみてみると、A-RISEはこれだけ『ラブライブ!』と言う作品世界において絶大な存在感を放ち、高坂穂乃果達がμ'sとしてスクールアイドル活動を始めるそもそもの理由となるなど物語においても多大な影響を与えていながらも本格的に本編に参加したのは今回が初めてなのだ。
そんな彼女達がようやく物語に参加していく。
そのことの意味というのは彼女達がμ'sというスクールアイドルと対等かつもっともライバル視しているからに他ならない。
そのことはμ's達と出会ったA-RISEが「前回のラブライブ!でも最もライバルになると思っていた」という台詞からも読み取れるものではあるが、本作が今までどれだけμ'sに話を絞ってきたかを考えてみてほしい。
それを考えれば考えるほど、今回A-RISEが登場して物語に本格的に参加したことは『ラブライブ!』という物語全体において「μ'sと競い争う存在として、μ's達と同じステージに上がった」という重要な意味合いを持つのである。
そのことを注意して見てみると、生身のA-RISEが本編に登場したカットは矢澤にこの初登場回と同じようなレイアウトかつ演出がされているところに気がつく。あれも「満を持して」というオーラが漂うカットではあったのだが、今回こうして矢澤にこ初登場時と同じようなレイアウトをあえて使うことで「満を持して」という雰囲気が強く出る演出だ。

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余談ではあるがここであえて矢澤にこ初登場時と同じ事をやることで、この後のシーンで語られる「ライブのたびにA-RISEに花を送り続けていたにこ」というところにも繋がっていく部分でもある。この辺はわざとなのかそうじゃないのか判別できないが面白いところではあるだろう。

さて、A-RISEに誘われるがままにμ'sの九人は彼女達と会談することとなったわけなのだが、ここで面白いのはA-RISEがμ'sをライバル視して彼女達について掘り下げることで王者としての風格を保ちながらも、μ'sのスクールアイドル業界全体の格を引き上げていることだろう。
彼女達は第一回ラブライブ!で優勝を成し遂げた、いわばスクールアイドルの王者である。そんな王者が調べるほど相手としてμ'sを描いていたり、彼女達を分析していることは「全国では無名」と言う扱いであるμ'sの格を大きく引き上げている事に繋がる。その上で素晴らしいのは、そんなA-RISEが決してμ'sのことを見くびっているわけではないということ。そしてμ'sが彼女達に憧れてスクールアイドルを始めたというμ'sとA-RISEの関係性が「A-RISE」というスクールアイドルの王者としての風格をより強調させる。
ここで強調させておく事で「A-RISEに勝つこと=優勝すること」という図式を意識させるのだが、同じシーンでA-RISEが「前回大会の優勝者」という過去の経歴に拘らず、「『今』観客を満足させること」を最も大事であると語ることでA-RISEに勝つ事=A-RISEの敗北に対してそこまで後味の悪さを感じさせないような配慮がされているところで、彼女達が「真正面から、正々堂々とμ'sと戦うことを望んでいる」ということを強く押し出している。そのことにより彼女達の「驕らない真の強者っぽさ」が強く現れている。
それによりA-RISEは今までの「倒さなければならない敵」から「競い合い、高め合えるライバル」として描き直されているのである。
そんなA-RISEとμ'sのライバル関係と比較をライブ演出でやり切った事は、一期における穂乃果と絵里のような対立構図が成立したことに繋がる。そういう意味ではこの三話は一話と合わせて「二期」というものの方向性が見える大事な話だといえるだろう。

A-RISEのライブアニメを見ていると全編手描きではあるのだが、三人それぞれがフォーメーションを細やかに変えながらそれぞれの魅力が光らせている。

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一方のμ'sはというと、アイドルソングらしい盛り上がりを重視した楽曲ではなかったものの、『START:DASH!!』と同じ「今回のテーマ」を感じさせるものであるし、二話でやったユニットネタをフォーメーションに組み込んでいる辺りは二話の流れを組み込んでいる事を意識させてくれる大事な部分だろう。

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そして何より、UTXの屋上ステージであることを改めて印象づけるスーパーロングショットのおかげで、このステージを利用したライブ自体の意味も強く現れる。

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そしてそれはA-RISEとμ'sの関係性に「ライバル関係」が構築されたことを強調することでもある。第三話で新たに生まれたその関係性の強調こそが京極尚彦が今回のライブを演出する上でやっておきたかったことなのかもしれない。観客たちの投票についても構図を真逆にしている辺りもそういう効果を狙ってのことなのだろう。

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ライブアニメって単独で切り離して語る人が多いと思うのだが、アイドルアニメの中におけるライブアニメは作劇と密接にリンクしている。だからこそ作劇の盛り上がりがライブアニメそのものの魅力を高めるし、その逆も同じで物語もライブアニメが組み込まれることで物語全体の盛り上がりをより強くさせることに繋がるわけで、この二つは相互作用が働き、互いが互いを高め合っている。だからこそ切り離して単独で楽しめるかというとそうでもないように見える。とはいえ、この辺の境界線を曖昧にするとミュージカルに近づいていくから難しいところではあるとは思う。



そんなわけで。
三話にきて大きく物語が動き出したことを強く感じさせると言う意味では第一期と同じだが、第一期では大失敗だったライブも第二期では大成功で終わりそうなことに一安心を覚える。ここに至るまでに数々の苦難があったからこそ、今の彼女達があるわけで、この三話というのは二期全体ではなく『ラブライブ!』という作品を考える上でも大事な立ち位置にあるだろう。
とはいえ、王者であるA-RISEに対して彼女達μ'sが「どこまでやれるのか」についてはまだまだ分からない。しかしライバルとして認められたことは彼女達に様々な影響を与えていくだろう。どのような影響が出てくるのだろうか。
それが楽しみで仕方がない。

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