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『レディジュエルペット』に見る「女の子らしさ」から「自分らしさ」について

『第三次スーパーロボット大戦Z 時獄編』を無事にクリアしたのだが、久しぶりに版権キャラがラスボスを務めることになるとはな! いや話的には彼がラスボスを務めるということには異論を挟む余地はなく、話の持っていき方と言う意味でも特に文句は出ないのだが、版権キャラがラスボスを務めたのって久しぶりじゃないかな。
そしてあの強烈すぎる引き。今回の第三次でZシリーズ完結ということなのだが、予告を見る限りだと本当に『フルメタル・パニック』は完結までやるんだろうか。前編である時獄編までで『TSR』まで終わってしまったし、予告ではかなめと宗介が別れるところが描かれてしまったので否が応でも期待してしまうわけなのだが……。しかし今回の主人公機、色んな意味で弱いなーと思ってたら終盤も終盤に差し掛かって大幅に強化されるとは。最初からこのスペックで参戦していたらバランスは崩壊するだろうけど、そのパワーアップまで主人公機があまりにも弱いので使いドコロで悩むんだよなぁ。
何にしても今回も楽しませてもらった。後編にも期待しておくけど、Zシリーズが始まった時に「主人公機は聖闘士星矢のノリ」と語っていたということを考えると、終幕を司るのは射手座ですかね……。
聖闘士星矢だと神殺しの存在だもんなぁ、射手座。

『レディジュエルペット』四話を視聴したのだが、今週も素晴らしい一話であった。
「素敵なレディになるためにパートナーのジュエルペットと共に女の子たちが頑張る」というグランドストーリーの『レディジュエルペット』だが、この四話で主人公達に与えられた試練は「お姫様抱っこ」だった。「お姫様抱っこ」は確かにレディらしいというか、女の子の夢みたいなものが詰まっているので「レディになるための試練」として描かれるのは納得できる。しかし本作がよかったのはそんな「女の子の夢」であるお姫様抱っこという試練を女の子らしい振る舞いなど、「女の子らしくあることを好まない女の子」であるみずきを中心に組み立てたことで「お姫様抱っこ」と言う試練の中から「自分らしさこそが魅力的である」という事を導き出したところだろう。
『レディジュエルペット』ではレディを目指す様々な女の子が登場しているのだが、今回スポットを当てられたみずきは「女の子らしい事が苦手な女の子」として描かれている。この姿は目指すレディの姿=理想像の違いとしても出てきていて、主人公であるももなは従兄と結婚することとなったレディダイアナを目標としているし、かろんは諦めるのではなく一歩踏み出せる勇気ある姿をレディとして定めている。それに対してみずきはかつて自分を助けてくれた凛々しいレディの姿を目標としているのだが、そんな彼女は「女の子らしくあること」をとにかく苦手とする少女として描かれている。
そんな彼女の前に与えられたのが今回の試練である「お姫様抱っこ」だが、このお姫様抱っこを作中では「女の子の夢」のような描き方をすることでみずきの「女の子らしくあることが苦手」という個性を際立たせている。
そしてその個性を強調する描き方をすることが今回の「お姫様抱っこ」と言う「女の子の夢」である今回の試練と結びつかせた事で「女の子らしくあることが苦手な女の子に女の子らしさを要求すること」というある種の不条理となって現れる。
みずきに突きつけられた試練はそういう「女の子ならこういうのが好きでしょう?」という決めつけであり、「女の子らしさの強要」だったのだが、そんな「女の子らしくあることが苦手な女の子が女の子らしさを強要される」という構図の中で本作が描いたのは「女の子らしくすることで別の魅力が出てくる」と言う描き方でもギャグとして茶化す描き方でもなく、「みずきが自分らしさを貫くことこそがレディの精神である」と言う描き方をしたことで、コレは「女の子らしくあることが苦手な女の子でも女の子らしくあることを強要される」というデリケートな問題に対して、ひとつの回答として機能している。
ここがこの四話で素晴らしいところで、「女の子らしくあることが苦手な女の子」という存在を真正面に捉え、彼女達から「彼女達らしさ」を剥奪したり茶化すような描き方をするのではなく、「女の子らしくあることが苦手な女の子」を「らしさ」として描くことで「らしさ」と「自分を偽らない事」が彼女達のレディとしての魅力に通ずるかのように描く。
この描き方によって彼女達の個性は埋没すること無く、魅力ある個性として強調されている。
だからこそプリンス候補のカイエンがみずきをお姫様抱っこする姿が美しく嵌る。
彼女は彼女なりのらしさを貫いたことでカイエンを引き立たせながらも自分の魅力が凛として輝く姿として機能することで、両者の魅力が際立つ。完全に受動的にならざるを得ないお姫様抱っこだからこそ、そんな中で「自分らしさと言う魅力をどうやって立たせるのか」というのが今回の試練である「お姫様抱っこ」の本質だったのだろう。
だからこそみずきは「女の子らしくあることが苦手」と言う自分を理解した上で、それでも「自分らしさ」を選択することで「みずきだからこその魅力」はお姫様抱っこにより更に強調される形で描かれる。
みずきみたいな「女の子らしくあることが苦手な女の子」に対して「自分らしくあることこそが魅力的」という描き方をした『レディジュエルペット』だが、デリケートかつ複雑な問題にも関わらず描き方としては「それも個性や性格である」と尊重した描き方なわけで、理想的な描き方をしているように見える。
『ジュエルペット』シリーズでは今までにも重かったり、デリケートな問題を扱ってきたし、その問題を解決まで丁寧に描いた事こそがこのシリーズの魅力であることは間違いないのだけれど、本作でもそういう丁寧さは健在のようだ。
「素敵なレディになる!」という具体的な目標なのに、その過程の具体性に関してはイマイチよく分からない本作だが、今後もこんな感じのデリケートな問題が出てくるようにも思うし、リリアンとカイエンには何やら重そうなものがあるだけに、その重そうなものがどのように描かれるのだろうか。何にせよ、今回のようなデリケートな問題をちゃんと真正面から描き切ったわけで、本作のスタッフならばどのような問題であってもちゃんと尊んだ描き方をしてくれるだろう。
果たしてどんなドロドロしたドラマが待っているのだろうか。描かれるその日が楽しみである。




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2件のコメント

[C1499] ためになりました

とても面白い解説、
ためになりました
女児向けアニメを真面目に真正面から語り、作ることの
デリケートさ、熱さに触れるとうれしくなります。

[C1501] Re: ためになりました

ここ最近女児向けアニメには「シュールな設定を組み込んで、大友にも受けるようにする」みたいな流れが確実にあって、『アイカツ!』なんかもそこから逃れられなかった部分はあると思うんですけど、『レディジュエルペット』はそういうシュール設定を使わずに真面目にやることによる面白さがあると感じますねー。
  • 2014-05-05
  • 水音
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