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『プリティーリズム』の思い出について

『レディジュエルペット』六話を視聴したのだが、「カイエンとリリアンが血の繋がった兄妹だった!」と言うのは今までカイエン周りのリリアンの台詞の端々から察することが出来た点だが、まだ物語としては導入といっても過言ではない中であれだけ引っ張ってた二人の関係性を明かしたというのは興味深いところではないかと思う。
そもそも『ジュエルペット』シリーズでは『サンシャイン』でヒロインと相手役が実の兄妹であったと言うネタをやっているわけなのだが、『サンシャイン』におけるそのネタというのは物語の核心に迫るネタであった。だからこそ物語も進んでから明かされた情報なわけで、そこの面白さっていうのはつまり「主人公が抱いていた恋愛感情的なものは家族に向けるそれだった」的なものなわけだ。
それに対して『レディ』はどうかというとそこについては早期に明かしてしまう。これがどういう意味を持つかというと、「リリアンはカイエンが兄であることに自覚的で、それが許されないと理解していてもなお恋愛感情を抱いている」ということになる。したがってリリアンとカイエンは『サンシャイン』の花音様と御影君と同じ設定ではあるものの、その物語上の位置づけは全く違うものであるといえ、「実の兄を愛してしまった妹」というリリアンのキャラクター造形は悲恋のドラマ性という側面を持っていると言える。
そしてこの「実の兄妹」と言う設定を序盤も序盤で展開した事は当然そこに対して「禁断の愛」で終わらせるのではなく、それを踏まえた上での某かの展開がなされるはずで、それが『レディ』を構成する重要なドラマの一つになっていくようにも見える。なんにせよまだ1クール目の半ばで公開された設定である以上、この段階で出てきたものはまだ手札の一枚に過ぎない。どのようなカードの切り方をしていくのだろうか。楽しみである。
ところで今回の絵コンテが『サンシャイン』の稲垣隆行氏なのはそういうことでいいんだろうか。『てぃんくる☆』っぽい話の時には山本天志氏を引っ張ってきたりしているところを見ると、なんか面白ぇなぁ。



本日タワーレコード町田店で行われた『プリティーリズム』インストアイベントだけど、ファンが持ち込んだポスターやPOPなんかも展示する!と聞いて居ても立ってもいられずに書き殴り、知人に頼み込んで持って行ってもらったテキストをそのまま掲載します。
タイトルは記事のタイトルのままなんですけど、『プリティーリズム』と言う作品を考えた時に思い浮かんだものをそのまま書きなぐっただけなので面白いかどうかは読んだ人に委ねます。


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『プリティーリズム』と言う作品に出会ったのは確か友人の自宅で遊んでいた時の事だったように思う。
ニコニコ動画で適当なアニメを見ながらぐだぐだ語り合っていたところ、「もう配信されてるか」と言い出した友人が流し始めたアニメが『プリティーリズム』だったのだ。
その時は『プリティーリズム』と言う作品があることも知らなかったし、当然題材となっている「プリズムショー」というものについても全く知らなかったのだが、スケートと歌とダンスが混ざったようなライブアニメを見た時に衝撃を受けたことを覚えている。
その衝撃に身を震わせながら見始めた私は、たちまち『プリティーリズム』と言う作品に魅了されてしまった。
その衝撃と魅了され具合と言ったら、その日のうちに当時放送されていたところまで一気に視聴してしまったほどだ。
かくして運命の出会いと呼ぶに相応しい出会い方をした『プリティーリズム』シリーズであったが、私にとって『プリティーリズム』シリーズの魅力というのは何かというと、「心」というシリーズ全体を貫くテーマに対して
多面的に掘り下げていくシナリオだ。
『プリティーリズム』と言うシリーズは『オーロラドリーム』から始まり、『オーロラドリーム』の続編に当たる『ディアマイフューチャー』。そして三年目の『レインボーライブ』へとシリーズを重ねて今日に至るわけなのだが、いずれの作品においてもプリズムショーに関わる人間達の「心」が主題となっている。
『オーロラドリーム』ではオーロラライジングという技を中心とした「心の呪縛」が主題となり、その呪いを解く物語であった。
『オーロラドリーム』に続く『ディアマイフューチャー』では「一番を目指す」ということを主題に、仲間やライバル達との心の衝突、そして未来を望む心の飛躍こそが主題となっていた。
そして『レインボーライブ』では「人を愛するということ」という、自分の根源的欲望とでも言うべき主題を描いた。
いずれにしても『プリティーリズム』シリーズでは「心」というものを共通テーマとした物語の展開をしてきたわけなのだが、本シリーズが特筆すべき点としては必ず「正と負の両面を描いている」ということが上げられる。
例えば『オーロラドリーム』では「大切なモノを失うからこその絶望」というのはオーロラライジングという技の持つ素晴らしさの代償として描かれていたし、『ディアマイフューチャー』で主人公たちの前に立ちふさがる阿世知欽太郎は未来に絶望した大人だった。
『レインボーライブ』では「人を愛すること」というものを様々な苦しみとワンセットで描いた。
「良い面と悪い面の両方を描く」と一言で言ってしまうのは簡単だ。
「清濁併せ呑む」と言う言葉があるように、物事には必ず善悪の両方が存在しているのだから。
だが本作はそれをキッズアニメにおいて真正面から描いている。ここが素晴らしいのだ。
必ずしも物事は正しいことばかりではない。間違っている点も悪い点もある。現に作中の人物たちも間違うことだってある。
だからこそ「視聴者と共に時に間違い、時に立ち止まりながらも、それでもなお歩みを止めずに自分の信じる道を歩んでいく」という事が大事にされ、メッセージとして力強さを感じさせてくれるのだ。
本シリーズの脚本全てに関わっている坪田文氏は本シリーズのテーマを「人間讃歌」だと語る。
そう、人間の力によって全ての物事が起こり、人間の力によって解決され、人間だからこその輝きを放つ本シリーズはまさしく「人間の素晴らしさ」に満ちている。
そんな「人間達の物語」だからこそ、本作は魅力的なのだ。特に『ディアマイフューチャー』では未来に絶望し、孤独を選んだ大人に対して上葉みあの叫ぶ「私達はプリズムスターだ!皆が進む道は明るいって、未来は美しく輝いてるって、私達が言わなきゃ誰が言うんだ!」の力強さ!まさしく人間の、プリズムスター達だからこその力強さだ!
今になってみれば、出会った事は偶然ではなくて奇跡だったのだろう。
そしてそんな奇跡に出会えた人達の願いによってこうしてイベントが行われるほどのコンテンツとなったことを心から祝福したい。
あなたにプリズムの煌めきがありますように。そしてあなたの心に福音が鳴り響きますように。
『プリティーリズム』シリーズとスタッフに。そして本シリーズに出会えた事に心からの感謝する。


九条水音


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これだけでも結構な分量があると思うんですが、本当はプリズムショー演出について語ったものがもうちょっとあったのです。でもさすがに「京極尚彦のライブ演出は凄い。ここが凄い。こうなるから面白い。そしてこれをやり遂げる乙部さんは凄い」という「凄いところ探し」に過ぎなかったので削りまして、今の形に落ち着きました。
今読んでもこれを書いた時の俺は「ここで書いておかないといけない!」と思っていたような感じがしますが、実際これを書いたことで冷静になれた部分もあったので書いてよかったのかなぁ……。
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1件のコメント

[C1503] プリリズ愛

こんにちわ。

熱いエントリに胸が焼かれる思いです。

プリリズファンには熱い想いを秘めている方が多くて、やはりそこはこの作品そのものが持つ熱量がそうさせてるのかな、と思います。

プリリズのキャラには「やり遂げたい事」があって、しかしやり遂げる事の残酷さに身を焼かれてそれでも進んでいくーそれは善玉悪役関係なくーキャラがどこかしらに配置されていて、その過酷さとその道を選ぶしかなかった残酷さ、だからこそ生まれる命の煌めきに僕は目が離せないでいました。

そしてそんな身を焦がす人々もひっくるめて次のステージに進んでいく、例えば水音さんが引用されたみあの「未来は美しく輝いてるって、私達が言わなきゃ誰が言うんだ!」が全ての人に強く尊い言葉として届くのでしょう。

きらびやかな記事、感動しました。

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