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『WIXOSS』に見るあえて説明しない事で注目させる販促プランについて

『スタードライバー』の監督と脚本家のコンビ最新作というだけで『キャプテンアース』を見続けているのだが、この作品が機械生命体・キルトガングをルーツとする少年と地球人の少年の友情の物語であるということは分かる。若干キルトガング側の物語がわからないというか、設定が煩雑すぎて整理されてない感があってアニメだけでは読み取りきれない部分があるものの、基本的には「人類対キルトガング(この中にはキルトガングに協力する人類も含まれる)」と言う軸で話が進んでいくのだろうし、四人が仲間になるまでをじっくり描いたからこそ今のキルトガング側の仲間集めがそこそこ楽しんで見れているのだが、最新話で面白かったのはキルトガングにルーツを持つ鉄平がようやく人類としての力を獲得したことだろう。
キルトガング達は全員精神情報を持つエゴブロックを持っているわけなのだが、このエゴブロックの破壊はキルトガングとしての死を意味する。だからこそキルトガング達はエゴブロックを守ろうとするわけなのだが、鉄平は大地達を護るためにエゴブロックを破壊している。これには鉄平はキルトガングとして生きていくのではなく、人類として生きていくということの選択の意味が込められている。だからこそオルゴンエネルギーを動力源とするライブラスターを手にする事に意味がある。ライブラスターは人間にしか撃てないからこそ、鉄平がそれを手に入れることは彼が人間であることを選択したことの証明になるのだから。
そして今回登場となったネビュラエンジンはそんな鉄平の人間としての力だ。人間として生きることを選んだ鉄平だからこそ、オルゴンエネルギーをフル活用するビーム兵器などがてんこ盛りなのだろう。
ということを今更ながらに思ったんだけど、やっぱりキルトガング側の設定の煩雑さって今のところ特に意味があるように見えないのが本当に辛い。話の全貌が掴みづらいのではなく設定同士が微妙にずれてるような感じがちょっとしているのだが、なんか意味があるのかなー。

『selector infected WIXOSS』の原作に当たるカードゲーム、『WIXOSS』が売れているらしい。
実際最初にリリースされた白赤青のスターターパックは発売日当日に完売しているし、先日発売された緑と黒のスターターパックも完売しており、この完売には現在放送中で二期が予定されているアニメの人気とファンの熱狂っぷりを伺わせるのだが、そんなアニメにおいて『WIXOSS』は物語の中心に存在しているもののカードゲーム自体の説明は一切されていない。
販促を目的にしているのであれば、題材となっているものの説明を省いてしまうのは考えられない事ではあるのだが、この説明をしないことに『WIXOSS』がこれだけ注目される理由があるのだ。
従来のカードゲームアニメを見ていくと多くの作品で題材になっているカードゲームは説明されるし、新システムが導入されればそのことについて言及される。現に長く続いているカードゲームアニメである『遊戯王』では新システムが導入されればちゃんと解説させているし、カードゲーム部分をダイジェストとして運用することもある『バトルスピリッツ』シリーズでも新しく追加された要素やデッキごとの特色はある程度言及されていたりする。
しかし『WIXOSS』にはそういう説明は一切ない。ただ願いを叶えるために少女達が『WIXOSS』と言うゲームを必死でプレイしている姿が描かれるだけだ。だが、そうしてあえてカードゲームを詳細に描かない事が題材となっているカードゲームそのものを浮かび上がらせてくれる。
「主人公達がプレイしているこのカードゲームは一体何だろう」と思わせるために、あえてカードゲーム部分を詳細に描かずにプレイ描写を断片的に見せるのみに留める。それにより「願いを叶えるためにカードゲームに興じる普通の少女達」というドラマ性を保ったまま、本作はきちんと「販促」として「視聴者にカードゲームそのものに興味をもたせる」という事に成功している。
従来のカードゲームアニメでは、そして販促アニメではあまり見られなかったやり方ではあるが、しかしそれこそが『WIXOSS』の販促スタイルなのだ。
そして『WIXOSS』のスタッフが素晴らしいのは興味をもったユーザーがちょっと調べればルールを知ることが出来るという事で、興味を持ったユーザーに対して「どういうゲームなのか」をきちんと理解させようとしている。
「購入してもらう」以上に「興味を持ってもらう」と言うことの難しさを理解しているからこそ、その興味を「ちょっとやってみたい」と思わせるような配慮が十分にされている。その配慮の結果が雑誌『カードゲーマー』に付属したブースターパック第二弾のカードを中心にしたデッキ群であり、フリーペーパーに付属した構築済みデッキ群だ。
これらはいずれも実際の公式大会では使用できない(第一弾発売直後に行われた大会ではデッキそのものが売り切れ続出だったことにより使用が認められた)ものの、フリーペーパー版は公式サイトでダウンロードできるようになっている。
ここには「とにかくプレイしてもらいたい」という公式の強気な姿勢を感じるのだが、それだけの魅力があるとわかっているからこその強気にフリーペーパーの無料配布と言う形で「プレイしてもらうこと」の敷居を下げてきている。
またアニメ内で実際に行われたバトルを公式サイトで解説しているのもそういったカードゲーム自体に興味をもたせるやり方なのだろう。そして劇中のカードバトルについての解説ができるということは、描かれているカードバトルは演出ではなく実際のルールに沿った形で展開されているのであり、プレイヤー同士の戦いとして非常に魅力的だ。それはルールを知り、プレイすることで更に深く物語にのめり込んでいけるということでもある。
この従来のカードゲームアニメでは見られなかったやり方をあえて採用した『WIXOSS』だが、スターターパック第二弾までもが完売しているところを見ると成功している。発売直前まで賛否両論だった事が考えられないほどだ。大成功だといってもいいだろう。
ただこのやり方はアニメスタッフサイドとカードゲームスタッフサイドの思惑が上手く咬み合ったからこその結果で、こういうやり方が主流になることはないだろう。しかし少なくとも従来では考えられない「題材となっているものを説明しない事を作劇上浮かせておくことで注目させる」と言うやり方は画期的だったし、今後出てくる数々の販促アニメにとって「やり方の一つ」とになることは間違いないだろう。

余談ではあるが、『WIXOSS』自体は非常に良く出来ているカードゲームである。
白青赤のスターターパックを確保した段階で何度か回してみたが、これはやってみる事で初めて面白さが理解できるゲームだ。
ルリグを進化させる(専門用語ではグロウ)ことで使えるシグニの幅を増やしつつ展開していく必要があるため、スターターパックだけでも戦略性はかなり高い。
そしてデッキが二つあるということはそれだけデッキ構築の面白さが生まれているということでもあって、ルリグデッキにはルリグ専用カードであるアーツと、ルリグをグロウした時に重ねるルリグカードの二種類があり、この二つをどれぐらいの配分で入れるのかという面白さがある。ルリグカードを多く入れればそれだけ強いシグニを行使できるが、アーツカードを多く入れれば膠着した状況を一変させる選択肢が増える。そしてメインデッキはシグニやスペルだけでなく、開始時にデッキ頭の七枚はライフとして利用される事を考えるとデッキ構築の幅はかなり広いものとなっている。
機会があれば一回はプレイしてほしいところだが、それだけに再販がかかった第一弾スターターパック、そして先日発売された第二弾スターターパックもすぐに売り切れてしまったのが惜しい。いや本当に面白いんだこれが。


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