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『プリパラ』一話、二話のライブアニメについて

フル3DCGによって製作されている『プリパラ』のライブアニメがとても面白い。
3DCGを用いたライブアニメという点では現在放送中の『アイカツ!』などが代表的だろう。
『アイカツ!』では話を重ねるごとにCGモデルが改良されていくのだが、数回使用して短所が見えてきたら修正を加えたモデルを投入する形式により一年間どころか半年や三ヶ月ほどで大きくライブアニメが進化していく。最近ではあかり登場回での表情付けなどで工夫が見られるし、あえてキャラクターごとのタイミングをずらしていたり、スポットライトを用いた演出を組み込んでいたりと「3DCGを用いたライブアニメ」として『アイカツ!』は毎回新たなアプローチを模索しており、それが『アイカツ!』のライブアニメを見た時に非常に強い印象を残してくれる。
『プリパラ』の前シリーズに当たる『プリティーリズム』シリーズも『アイカツ!』と同じく3DCGを用いたライブアニメ(作中ではプリズムショーと呼ばれる)が見どころの一つだ。
『プリティーリズム』では同一モデルを用いて全てのプリズムショーが演出されていたりライブの途中で衣装が変わっていたり、プリズムジャンプやプリズムアクトによって様々な小物を用いてアクションを展開してきたりと「見てみなければわからない面白さ」というのが存在していた。「ライブアニメ中にも物語が進行していく」という本シリーズ最大の特徴が反映されているからこそのアプローチだが、三年目にはライブ中に踊りながら楽器を奏でるプリズムライブや男性プリズムスター達によるプリズムショーが導入されたことで3DCGを使ったライブアニメとして様々な意味で挑戦的な作品だと言えるだろう。
さてそんな『プリティーリズム』の後継作となる『プリパラ』のライブアニメだが、そもそもライブアニメがなぜここまで注目されるのかといえば「物語の見せ場」であり「同一楽曲であっても毎回異なったアプローチがされている」からだろう。
『アイカツ!』を見れば分かりやすいが、『アイカツ!』では毎週ライブアニメが挿入されている。しかしそのライブアニメは同一楽曲・同一メンバーであっても毎回異なったものとなっている。例えば一年目・二年目のソレイユ結成回では同一衣装かつ同一メンバーで同一楽曲を用いているのにもかかわらず、そのライブアニメは映像構成からして全くの別物だ。
もちろんここには『アイカツ!』スタッフの一年間の努力が反映されている部分もあるのだろうが、なぜ別物になるかといえばこのライブアニメに求められているものが同一楽曲・同一メンバー・同一衣装であっても別物だからだ。それはライブアニメ自体に込められている物語の違いに他ならない。
故に一年目の『ダイヤモンドハッピー』と二年目の『ダイヤモンドハッピー』では画面構成も絵コンテの流れも、当然ライブアニメの中における見せ場も別物になる。見せ場というのはライブアニメで一番盛り上げたいところなのだから、物語的な要請によって変化するのは当然で、この点はあかりがいちごと共に立ったステージなどが分かりやすい。あかりといちごは二度同じステージに立ち、どちらも同一楽曲・同一衣装ではあるものの二度目のステージでは「いちごにどうにか近づこうとするあかり」という演出のされ方をすることで、彼女が「いちごと自分を別物とした上で、憧れに近づこうとする」という彼女の心境の変化と強い物語を感じさせる映像になっている。
このようにライブアニメ(とりわけ本編中で行われるライブアニメ)というものは「物語の要請によって常に変化していく」というものであり、同一楽曲かつ同一衣装、複数人でやる場合は同一メンバーであったとしても一度として同じ映像は用いられないし、用いることは出来ない。だからこそそれぞれのライブアニメでは常に見せ場が用意され、その見せ場に物語が集約するように構成されているのである。
それを踏まえた上で『プリパラ』一話のライブアニメを見ていくと、この一話の焦点は「大きな声をコンプレックスとして持つらぁらが、そのコンプレックスを乗り越えてステージに立つ」というところだ。彼女は普段はそれほど気にしていないまでも、歌うとなった時にそのコンプレックスからその大きな声を活かす事ができずに小さな声で歌ってしまう。
しかしプリパラタウンで出会ったみれぃの言葉により彼女はそんなコンプレックスを「思いっきりの良さ」で乗り越え、初めてのステージに立つ。そんならぁらの決意を感じさせるのがあの一話のライブアニメで、「頑張れ私! 頑張れ私! 皆に届くように!」というモノローグに合わせて困惑した表情(と動きを止める)ことでファーストライブっぽさと彼女の「歌う理由」を表情で演出している。目を閉じた後の歌い出しの表情付けからは「(自分の声で)皆に届かせたい」というらぁらの覚悟を強調させている点もまた重要なところだろう。
そして「大きな声をコンプレックスとして持つらぁらが思い切って歌っている」ところに物語の焦点を絞りきっている事により歌詞の「ドキドキする時無敵でしょ!」と自信満々の表情に物語演出としての意味がある。

プリパラ一話

この表情が一話のライブアニメの中でとりわけ印象的なのは真中らぁらは大きな声をコンプレックスとして抱えているキャラとして描写されてきたからだ。
そのコンプレックスは「思いっきりが大事」というライブアニメ直前のみれぃと言葉で解消されているのだが、その「思いっきりが大事」によるコンプレックスの克服がある事により、この「自信満々の表情」にはらぁらの「コンプレックスを乗り越えた」ということによる自信と成長が現れている。その自信と成長がこの表情から読み取らせるように演出しているからこそ、
このライブアニメは「真中らぁら」という少女の魅力と可能性の映像となっているのだ。

同じように二話ではみれぃとの友情のために校則違反を犯してプリパラタウンに行くらぁらの姿が描かれた。
そんな二話のライブアニメでは一話と同じ楽曲を用いているのにもかかわらず、みれぃのカットが増えている(らぁら中心の構成なのは変わってない)。このみれぃのカットの増加には「みれぃとの友情」という二話の物語側から要請された部分だろう。

プリパラ二話みれぃ

冒頭の「みれぃさんと一緒に!」というところでみれぃを写しているところやサイリウムチェンジ後の「キラキラ未来で決まりでしょ!」のみれぃはそうした「らぁらとみれぃの友情」を強調する。素晴らしい構成だ。

このように物語側からの要請によってライブアニメは変化する。故に同じライブは一つも存在してないし、だからこそ現実世界のライブのような「オンリーワンでこの場限り」というライブの魅力は強められる。
『プリティーリズム・レインボーライブ』まで(正確には彩瀬なる、福原あん、涼野いとのマイソングまで)モーションキャプチャーを使用しておらず、目視に依るモーションキャプチャーによって製作していたタツノコプロだが、そのノウハウが生かされた『プリパラ』のライブアニメは表情付けや一つ一つの動きからとても熱い物語を感じさせる。
本作からは『プリティーリズム』でプリズムショーを演出していた京極尚彦ではなく、その師匠であり『プリティーリズム』シリーズの監督を務めた菱田正和が主導し製作されているライブアニメだが、その映像はライブアニメの名手である京極尚彦とは違った魅力が光る。
それぞれの衣装が持つ物語を強調する「メイキングドラマ」や衣装自体が光り輝く「サイリウムチェンジ」など、『プリティーリズム』シリーズに慣れたファンをも楽しませる『プリパラ』。
今後のライブアニメにも注目である。


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