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『レディジュエルペット』のミウラ登場に見る揺らぐ固定観念について

一週間前なのでもう一度告知しておくけど、コミックマーケット86にて菱田正和プリティーリズム三部作完結記念合同誌として『プリズムアライブ』を頒布します。詳細については紹介記事に書いてありますが、場所は三日目の西て-15bです。
『プリティーリズム』と言う作品に対して何か熱いものを持っている人、是非お買い求めください。なおいつもどおり余ったら委託しますが、余らなかったら委託はありませんのでその辺だけ注意してください。
またMMM37さんのところのプリティーリズム合同誌「PrismCube」にてオールスターセレクションと劇場版についての比較論として四ページほど、それいゆさんのところのモバクソゲー紹介本『Invite Infected MOBAKUSOGE』にて超クソゲーリスペクトなテキストの『ジョジョの奇妙な冒険スターダストシューターズ』を寄稿させてもらってます。
MMM37さんの本は【三日目東キ06b】『MMM37番地』、それいゆさんの本は【三日目東P51a】『それいゆ』で頒布されるそうです。こちらも良ければ是非。



カイエンの転校。リリアンのライバル宣言。
レディダイアナのようになる!という目標に向かって頑張るももなに「カイエンに追いつく」という具体的な目標が芽生え、ますます面白くなってきている『レディジュエルペット』。
かろんが皆に誤送信したメール小説によって巻き起こった一連の騒動によってレビンとかろんが仲良くなり、物語の味わい深さも増している中、謎のプリンス候補生・ミウラの登場によって『レディジュエルペット』の物語はまた大きく動き出している。
何らかの不正行為を行ったため、謹慎処分を受けて独房に入っていたというミウラだが、プリンスとしての実力は高い反面、ロメオとは因縁深く挑発まがいのことをしていたり、レディ候補生達にすら皮肉めいた事を吐き捨てている。
一見すると彼の登場は波乱を巻き起こしているだけに見えるのだが、プリンス候補生やレディ候補生、課題で求められている姿の一つ一つにすら皮肉るミウラはレディ候補生やプリンス候補生達に対して自分の目指す「レディ」や「プリンス」の姿を改めて問いかける存在として非常に強い存在を放っており、物語を大きく変化させ、主題に対して深く考えさせる重要なキャラクターだといえるだろう。
ミウラが課題に関して異を唱えたり、ロメオに対して挑発的な台詞を言う時は常に「レディとはこうあるべき」「プリンスとはこうあるべき」という事を課題やキャラクター達が唱えた時だ。レディ候補生やプリンス候補生達に与えられる課題というものは「レディたるもの」という枕詞がある通り、「レディとはこうあるべき」と言う規範として与えられているものだ。合格にはある程度幅が与えられているものの、傘の優雅な扱い方についてふれた十話『パラソルはレディのたしなみ』では「雨が好きだ」というみずきは自分を貫いた結果、不合格になっているなど、「レディらしさ」という基準のもとで合格判定がくだされていることがよく分かる。「自分を貫いた結果合格することも多いが、自分を貫いた結果不合格になることが多い」というのが『レディジュエルペット』の課題システムの面白いところだが、いずれにしても「レディらしさ=淑女らしさ」というものが合格基準の根底にあることは間違いない。
同じことはプリンス達の課題にも現れているといえ、「レディファースト」を扱った十八話『レディファーストはプリンスのたしなみ』ではそうした「レディ達を大事にするプリンス」という姿を元に物語は進んでいくのだが、ミウラはそうした「プリンスにエスコートされるレディ」や「レディのご機嫌取りに終始しているプリンス」というものに対して平等に皮肉っており、「レディファースト」という「プリンスらしい規範」に囚われていない。そこがミウラの面白さといえば面白さなのだが、そういう規範に対してかなり批判的な立場を取るミウラは「レディとはこうあるべき」という規範に対するカウンターとして機能しており、それによって本作は「規範に囚われずに自分らしさや自分の美学を追求していく」という新たな一歩を踏み出している。
ミウラの行動の一つ一つに彼なりの美学やある種の正当性があるように演出されているのはそのためだろう。
ミウラは「規範」というものに対してかけ離れた奔放さを、独自の美学で貫かれた先にあるミウラなりのキングの姿を描いている。
プリンスとして実力が高いものの、そんなプリンスらしさに従わないミウラの存在はレディやプリンス達に対して「規範に従うのではなく、自分なりの理想に向かっていくこと」という本作が問う「レディ」の根本にあるテーマを呼び起こしてくれるのである。
そもそも本作における「レディ」というのは一般的な「淑女」というイメージからかけ離れており、それは課題においても貫かれているところだ。
「淑女らしさ」というものは確かに課題で問われていることではあるものの、その「淑女らしさ」からかけ離れていても合格になることはある。
リリアンが淑女らしい優雅さと謙虚さを宿した立ち振舞いを見せる中で、ももなの彼女らしい行動は淑女らしさとかけ離れていることが多かった。しかしそんなももなはちゃんと課題に合格してきたし、彼女の行動は周囲を変えてきたし、彼女の周囲に人が集まるのも、ももなのそうした「奔放さ」に惹かれたからという側面もある。
だからミウラの登場によって生まれた問いは、「レディダイアナのような素敵なレディになる」という目的のもとでレディ候補生として努力を積み重ね、「カイエンに追いつくようなレディになる」という具体的な目標を獲得した今だから問われるべきものとして、物語の中で非常に大事なものとして扱われるのだ。
余談ではあるが、ミウラの扱い方については細心の注意が払われているように感じられる。去っていったカイエンと比較されることが多いことやロメオと対になる存在だからということもあって、彼はかなり皮肉を言うキャラクター付けがされているし、彼のももなに対するある種の執着は、カイエンとももなの関係性を鑑みた時にかなり危うい横槍になってしまうのだが、本作を視聴していてその辺りに対して特に嫌味を感じないのは「皮肉屋」ではあっても「嫌味を言い続けるキャラクター」にはなっていない。嫌味になりそうなところを寸前のところで留めているからだろう。
「カイエンの代わりに投入されたキャラクター」ではなく、物語に新たな波紋を広げるべく投入されたキャラクターであるミウラだからこそ、拒絶されないような配慮はされているのだろうが、その配慮は今のところ成功しているように思う。

ミウラが登場してからますます面白くなりつつある『レディジュエルペット』。
第ニクールも半ばに差し掛かる中、この後何を見せてくれるのか非常に楽しみだ。
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