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『プリパラ』に見る幸せのアイドル活動について

『残響のテロル』。『東のエデン』もそうだけど、ノイタミナってこういう「現代日本を舞台にした社会派作品」ってのが定期的にやってくるような気がするのだが、その『東のエデン』から五年経っていることに愕然としながらも、やっぱりこういう「今の情勢だから出来る事」ってのは間違いなくあるはずだ。
『残響のテロル』は、現実に起きているのに『画面の中のエンターテイメント』として処理してしまう人達と、爆弾テロに直面している当事者達の「温度差」があって、そういう温度差が「現代である」と言うことを語らせる事以上の「現代っぽさ」を物語に与えているようにも見える。また被爆二世を警察側の主人公として立てていたり、ヒロインがいじめられっ子かつ家の中にすら居場所がないキャラクターだというののも現代が舞台ならまあッて感じだが、『東のエデン』から五年経って神山健治は『009』を作ったけど、渡辺信一郎が上手いと思ったのは「爆弾がある場所の謎解き」という「毎週の面白さ」を与えて展開していることで、謎そのものに関連性を持たせることで流れを作れているところ。
個人的にはそういうところで、『カウボーイ・ビバップ』を作った監督だなぁ、と強く感じるなぁ。



七月よりアニメが放送開始し、早くも劇場版アニメ化と単独イベントの開催が決定した『プリパラ』。
プリチケでしか入れないプリパラタウンでアイドルデビューし、アイドルの頂点である神アイドルを目指して頑張る真中らぁら、南みれぃ、北条そふぃの活躍を描いている本作だが、先日放送された六話では『プリパラ』という物語を構成する大事な部分の片鱗に触れるエピソードが展開された。
北条そふぃに近づくため、そしてチームを組むためにランクアップを目指して頑張ることを決めたらぁらとそふぃ達。クマの努力により手に入れた新曲に合わせて、また新しいメイキングドラマを考えることにした二人だったが、なかなかアイディアは出てこない。そこでみれぃの家でメイキングドラマを考えることになったのだが、些細な事からみれぃの両親の喧嘩が始まってしまい……というあらすじのこの六話だが、全体的な印象としては非常にコメディ寄りの物語になっていて「楽しく見れる」一話だったのだが、この六話で個人的に興味深かったのはこの六話は「本人にとっての幸せを忘れてしまって喧嘩している親に、自分が目指す幸せの姿を伝える」ということが根底に流れている物語を展開してきたことだ。
みれぃの両親が互いに主張するアイドルの姿は「アイドル弁護士」や「アイドル検事」という姿だった。どちらもみれぃの性格を理解しているからこそみれぃには「こうなってほしい」と、もっといえば彼女の幸福を願ってアイドル弁護士やアイドル検事というアイドルの姿を語っていた。
この描写には両親が自分の娘である南みれぃをどれだけ大切に思っているかということが伺え、非常に大切なものではあるのだが、そもそも南みれぃが目指すアイドルの姿はポップなアイドルだ。
そのことは『プリパラ』における「プリパラタウン」の設定からもよく分かる。
「プリパラタウン」では少女達は自分に理想とする姿へと変身することで入ることが出来る。普段は眼鏡をかけ、堅物のように見える南みれぃもプリパラタウンでは自分の理想とする「ポップなアイドル」を体現する姿へと変身する。彼女はこのキャラクター作りを計算の上で成立させているのだが、ともかく「ポップなアイドル」を体現するあの姿こそが南みれぃという少女が目指す理想の姿だ。
つまりそもそも両親が娘に進んで欲しいアイドルの姿と娘自身が目指したいアイドルの姿、もっといえば「なりたい自分」というものはみれぃが描くそれとは別物なのである。
この六話ではそんな「両親が娘になって欲しい姿」と「娘がなりたい姿」との違いを踏まえた上で、自身がアイドルを志すきっかけとなった遊園地のエピソードを両親に思い出してもらい、「自分の理想」をもう一度自分の口で告げることで両親を説得しており、それがまたみれぃの成長として描かれている。そんなエピソードを反映したのがあのメイキングドラマ、もぎたてスイーツパークなのだ。
あのメイキングドラマにはみれぃ達家族にとっての幸せの象徴である「遊園地」を舞台に彼女が目指すポップな世界観、そして彼女がファンに伝えたい「アイドルをやっていて幸せ。その気持ちを思い出してほしい」というメッセージが込められている。このもぎたてスイーツパークは六話を、そして南みれぃというアイドルの持つテーマを象徴する素晴らしい映像だ。
またこのライブである二人が着用する衣装、は文字通りフルーツをモチーフとする衣装だ。
その衣装により「フルーツ=アイドル=プリパラタウン」と言う見立て方が出来る。
そのように見立てると、このメイキングドラマには「アイドル活動=プリパラには幸せがいっぱい詰まっている!」というメッセージにも取れる。それはみれぃやらぁらがプリパラのおかげで手に入れて今味わっている幸せのことでもあり、「プリパラは特別な場所」とするドラマを強調するとともに、これだけ「幸せの場所」として演出されているプリパラに対して強い嫌悪感を抱く大神田グロリア校長の背後にあるエピソードを期待させる。
今まで物語としてらぁらのアイドル活動などを中心に描かれてきているが、その描写の傍では大神田グロリアのプリパラに対するアレルギー的な反応が常に描かれてきた。校則に存在しないにも関わらずプリチケを回収して回る姿はコメディっぽくとして描かれてはいるが、「友達の存在をとにかく嫌う」という姿は六話の中でも描写されている。そんな描写があることから「大神田グロリアは過去にプリパラと友達で何か嫌な思いをしたからこそ、今こうしてプリチケを回収して、初等部の生徒達を活動を妨害しているのではないか」という印象付けをさせている。
前シリーズに当たる『プリティーリズム』もまたメインとなる話の裏側で別のエピソードが進行しているなど、物語のコントロールと展開が上手い作品だったが、大神田グロリアのエピソードなどからは『プリパラ』もそんな物語のコントロールと展開に関しては共通のようにも感じるのだ。
いずれにしても「そふぃをチームメイトにする」と同じぐらい、「大神田グロリアの過去と説得」は大事にされていることは間違いないだろう。ランクアップしたらぁらとみれぃ、そしてそふぃ。彼女達のプリパラで出会えた幸せが大神田グロリアに伝わる日を期待しつつ、ところで北条コスモがファッションデザイナーなのはファンサービスとはいえ凄く嬉しいところではある。
彼女は3DS版の『きらきらマイデザイン』で主人公と競い合うことでそのセンスと共に「一歩踏み出す勇気」を手に入れていったわけで、その勇気が今こうしてデザイナーとして成功を手にしている辺りを見ると、ちょっと涙なしには見れそうにない。
コズミック最高!


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