Entries

『アイカツ!』に見る二年目に持ち越されたドラマについて

夏コミお疲れ様でした。
夏コミの三日目とは思えないほど涼しく、東館に挨拶回りに行くのが面倒くさくなるような快適環境で薄い本売ってました。いや東館にはちゃんと挨拶回りして、あの分厚いプリリズ合同誌もモバクソゲー本も頂いてきたんですけど。うっかり最初の方に合同誌受け取っちゃったせいで、挨拶周り後に腕が上がらなくなったりしました。あれ、今回のコミケでも一番分厚い本ですね。自立するし。
で、うちの新刊『プリズムアライブ』ですけど、プリリズ島から離れた西館だったにも関わらず、多くの人に手にとってもらえました。どうもありがとうございます。正直予想を超える速度で売れていくので「委託分残るのか!?」と思ったりしたんですけど、委託分ぐらいは残ったのでどこかに委託すると思います。買うのを忘れた人やライブに行っていて来れなかった人、コミケまで来れなかった人はそちらでお求めください。

で、ちょこちょこ問い合わせがあったんですが、ラブライブ!本の『RUNWAY』とアイカツ!本の『スイッチオン!』ですが、今のところ再販する予定はありません。理由は不良在庫を作りたくないからです。特にラブライブ!本は一回再販かけて初版の倍は作ってるんですけど、あれ以上作っても在庫を抱えるのが目に見えてるのでこれ以上作れません。ほしいと言ってもらえるのは嬉しいんですが、そういうわけなので再販は無理です。ごめんなさい。
ただ次の冬コミにはラブライブ!で申し込みました。内容はラブライブ!二期についての予定です。何書くのかは全く決めてないんですけどネー。



夏コミで『アイカツ!』についての意見を求められたので少しだけ書いておく。
『アイカツ!』が二年目を終わらせ、三年目へとパスを繋ぐに辺り、物語の主人公である星宮いちごとそんないちごがアイドルになるきっかけを与え、常に超えるべき壁であり良き先輩として描かれてきた神崎美月がそれぞれが「背中を追い続けてきた相手」を超える話が組まれるのは自然なことであるように思う。
少なくとも星宮いちごサイドの物語として「神崎美月超え」はある程度既定路線だといえる。
それは一年目のクライマックスがスターライトクイーンというその一年におけるトップアイドルを決定するイベントにおいて現役トップアイドルである神崎美月と星宮いちごの一騎打ちが描かれていたことからも分かる。
「憧れる」ということは常に誰かの背中を追い続けていくということである以上、星宮いちごは神崎美月を超えなければトップアイドルになることは出来ないし、神崎美月が見ている世界を見ることは出来ない。「神崎美月のようなアイドルになりたい」と言う願いは「神崎美月を超える」ということでしか叶えられないのである。
『アイカツ!』の一年目(とりわけ前半)を見る限りでは明らかに神崎美月超えを終着点に物語が組まれている。『アイカツ!』と言う作品がどれだけ「優劣を付けない」ということに拘っているとしても、「憧れのその先」というテーマは一年目の段階から重要視されていた。だからこそ「神崎美月がなぜ凄いのか」と言うことを知り、その背中を追いかけ、神崎美月の凄さを理解したからこその「美月さん」という尊敬を込めた呼び方が心情の変化として機能している。またそうした「誰かの背中を追うことに依る成長」は「その誰かの背中を超えたその先」の可能性を感じさせるものだ。現に一年目の最後で神崎美月と星宮いちごが一騎打ちになった時、「いちごが美月を超えたその先に広がる世界の可能性」を誰もが感じたはずだ。
「この星宮いちごと言うアイドルが作り出すアイドルの世界というものは一体どんなものなのだろうか」という期待感は、あのスターライトクイーンカップで演出されたもののひとつである。
しかし『アイカツ!』一年目は神崎美月が勝ち逃げに近い形で幕を閉じ、「星宮いちごが神崎美月を超える」という物語は二年目に持ち越されてしまった。
これには一年目が高く評価され売上的にも上々という結果を出し、二年目の製作が決定したということも大きいのではないかと思うが、こうして二年目が無事に終了に近づいている今、一年前に星宮いちごと神崎美月の決着をつけずに持ち越したことは失敗だったかというと個人的にはそうは思っていない。
なぜなら今改めて描かれている「星宮いちごの神崎美月超え」は一年目の一騎打ち以上の「パートナーがいる=自分とは違う人間がいるからこそ乗り越えられる」と言う強いテーマ性を持ったもので、これは一年目では絶対に描けなかったものだからだ。
「一年目で神崎美月を超えなかった」ということは『アイカツ!』二年目の物語に強い影響を与えているということは言うまでもない。それは神崎美月というトップアイドルの不在により物語自体がスターライト学園対ドリームアカデミーと言う学校同士がライバルとなって競い争うと言う構図が展開されていたことからも分かることだろう。仮に神崎美月が序盤からトップアイドルとして健在であれば、おそらくこの二つの学校が競い争うと言う構図は成立しなかっただろう。
神崎美月がドリームアカデミーに移っていてもまたスターライトに残っていてもおそらく同じで、「王者対挑戦者」という構図になっていたのではないだろうか。
仮にそうなっていた場合、現在のような「スターライトとドリアカのライバル関係」というものは成立しないし、「音城セイラと星宮いちごが両校の代表としてコンビを組む」という今展開されている物語の面白さは生まれ得なかっただろう。
また一年目で神崎美月超えを果たせなかったことで「神崎美月不在」の間に星宮いちごが大空あかりや音城セイラのような「自分に憧れてアイドルになった人達」と出会い、「実力はともかく、立場としては神崎美月と同格」になったことは二年目の物語としてかなり重要な点で、一年目の段階のいちごは「神崎美月を追う側」であり「追われる側」ではなかった。二年目に入ってセイラやあかりの登場によって「追う側」であるとともに「追われる側」でもあるという立場になったことで、星宮いちごは初めて神崎美月と同格のアイドルになった。神崎美月と同格となったからこそ「アイカツ!=アイドル業界の未来を考える」という「トップアイドルの切り開く未来に対して向き合う」という物語を展開出来るのである。
現在の物語は一年目で神崎美月に勝たなかったからこそのものである。
神崎美月が不在だったからこそ構築できたドリアカとスターライトのライバル関係。音城セイラや大空あかりの存在により「追われる立場」になったことで生まれた神埼美月と共に考える未来。そして音城セイラと共に見つける「アイカツ!の未来」。
その全てが合わさった今の二人のアイドルがそれぞれの「憧れの向こう側」へと至ろうとする物語はとても熱く、二年間の物語の集大成としての魅力が光る。三年目からは主人公が交代するわけだが、二年間で描いた憧れの連鎖は今こうしてひとつの大きな歴史的ダイナミズムを帯び、物語の完結に対して「歴史的瞬間に立ち会っている」という感覚すら感じさせてくれる。
残すところあと一ヶ月ほど。この後どのような顛末を迎えるのだろうか。


アイカツ!1stシーズン Blu-ray BOX1アイカツ!1stシーズン Blu-ray BOX1
(2014/11/05)
諸星すみれ、田所あずさ 他

商品詳細を見る

TVアニメ/データカードダス アイカツ! オリジナルサウンドトラック アイカツ!の音楽!!02TVアニメ/データカードダス アイカツ! オリジナルサウンドトラック アイカツ!の音楽!!02
(2014/08/27)
TVサントラ

商品詳細を見る


スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2063-0b2c2a6a

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター