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『プリパラ』十一話と未完成のかいほうオトメについて

夏コミ新刊としてとらのあなで委託していた菱田正和プリティーリズム三部作完結記念合同誌『プリズムアライブ』ですが、この土日で完売したようです。ありがとうございます。
三月終了の『レインボーライブ』で『プリティーリズム』が三年間の歴史に幕を閉じ、七月から『プリパラ』がスタートする中で「プリティーリズムについて何かするなら今しかない!」という事で、プリリズについて熱い想いを持っている友人知人に声をかけて製作した今回の同人誌。完売した今だから言えますけど「本当に作ってよかった」と心の底から思います。
世の中には色んな作品があるわけですけど、それらの作品を見る時に我々は何かを貰っているわけです。「面白い」という体験だったり教育的なメッセージだったりするわけですけど、そういうスタッフから貰った「何か」というのは心の糧になると思うのです。今回の『プリズムアライブ』はそういう「プリティーリズムに貰った何かと『こういう作品があった』ということを記録しておきたい」と言うのが企画の根底にあって、「三年間に終止符が打たれた後」に製作することになったんですけど、まさか菱田正和監督に読まれる事になるとは。さすがに想定外でした。
まあなんだろう。愛は届くんですよ! 居ても立ってもいられないほど本気で好きならやっぱり届くんですよ!
同人誌自体は去年の夏が最初で今回が三冊目ですけど、愛は届くんだ! そして俺達の愛は届いたんだ!と思うと、一生の誇りですよ! ハピなるすぎるわ!
次は『ラブライブ!』二期の予定ですが、その時はどうぞよろしくお願いします。



先週にひき続いて今週も『プリパラ』がとても面白かった。
先週は栃乙女ラブのプリパラデビューがメインストーリーとなっていたが、並行して「『自分から挑戦した事でバラエティ番組で優勝した』という成功体験を得たそふぃが、自分の足でプリパラへと向かう挑戦する」と言う模様が描かれていた。なぜそふぃのその挑戦が栃乙女ラブの物語と並行して進められていたかというと、栃乙女ラブもまたプリパラで最初の一歩を踏み出したことと対比させるためだろう。
栃乙女ラブはプリパラで最初の一歩を踏み出したようにそふぃもまた一歩を踏み出す。しかしラブが成功したのに対してそふぃのその挑戦は失敗した。そこを対比させるためにあえて二人の大事な一歩目の物語を並べて描いたのだ。
彼女は「何も出来ない、他人の自分」を変えようとして最初の一歩を踏み出したが失敗した。周囲に心配をかけ、自分の無力さを味わった。
ウサギの言われるがままに行動すれば失敗することはない。無力感を感じることはない。
だから彼女は自分の選択したらぁら達との約束を放棄し、ウサギに言われたとおりにらぁらにトモチケを返してしまうのだ。
今までトモチケは友情の証として描かれてきた。だからこそトモチケの返却は=友だち関係の解消として機能するし、とても印象に残るのだが、十一話ではそんなそふぃを諦めきれないらぁらがみれぃと共にそふぃともう一度話を聞くために頑張る姿が描かれた。
この十一話で押さえておきたいものはそふぃの新しいメイキングドラマである『かいほうオトメヴァルキュリア』だろう。
既にゲームでは追加されている技だが、本来の『かいほうオトメヴァルキュリア』は籠の中に捉えられているメンバーを残りのメンバーが鍵を開けて解放するという物語を持つ技だ。そふぃがゲームに追加されると共に追加されたメイキングドラマである事とHolic Trickをブランドとして用いた時にのみ使用できることから「そふぃの物語に絡んでくる」と予想出来るのだが、本編で初めて登場した『かいほうオトメヴァルキュリア』は籠に閉じ込められたそふぃが鍵を開けることが出来ずに閉じ込められたまま叫ぶというものだった。
考案したそふぃは「未完成」と語っているこの技だが、ゲーム版を見ていなくてもこの技が未完成であることは伝わるはずだ。らぁらがメイキングドラマ『プレゼントfor you』を考えた第四話でも言及されている通り、アイドル達の心のメッセージだ。そのメイキングドラマの有り様とはつまりアイドル自身の心の現れに他ならない。
つまりあのそふぃの『かいほうオトメヴァルキュリア』が「籠の中に閉じ込められたそふぃ」となっているのは、そふぃ自身が未だに心の籠に囚われたままになっているからだろう。
彼女がなぜ心の籠に囚われているのだろうか。それはあのメイキングドラマに全てが現れている。
あのメイキングドラマの流れは「籠に囚われているそふぃは落ちている鍵に手を伸ばす→しかし鍵が遠くに転がってしまう→そふぃは届かないことを嘆く」というものだが、ここで大事なのは前回「そふぃは挑戦したが失敗して無力感を味わった」ということで、それがそふぃの考案したメイキングドラマ自体を大きく歪ませているのだ。
つまり「籠に囚われた自分を解き放つために落ちている鍵に手を伸ばす」とは前回、自分自身の力でプリパラへと向かおうとしたそふぃの挑戦そのものなのだ。
しかしそふぃは鍵を掴み損ねてしまい鍵は少し遠くに転がっていく。これが「プリパラに辿りつけなかった=挑戦に失敗したそふぃ」のことなのである。そうして見ていくと「鍵が届かない事に嘆くそふぃ」は「プリパラに辿りつけずに無力感を感じたそふぃ」自身の嘆きということになるのだが、ここで最も大事な事はそふぃは確かに一度は鍵を掴み損ねているのだが、鍵は少し遠くに転がっただけなのだ。もう一度挑戦すれば届くかもしれないのに彼女はもう一度手を伸ばす事はしない。
ここが面白いのだ。
そふぃは自分は何の能力もないと思い込んでいるからこそ挑戦しなかった少女だ。
しかしらぁらとの出会いによって挑戦する事を学び、一度挑戦することで達成感を手に入れることができた。そんな達成感を今度は自分自身の手で勝ち取るために彼女は「自分の成功体験の象徴」とも言えるハンマーをお守りに、一人でプリパラへと向かうという挑戦をする。しかし辿りつけずに無力感を味わってしまい、挑戦することを恐れるようになった。
そふぃが少し遠くへ転がっただけで、もう一度手を伸ばせば届くかもしれないのに手を伸ばさなかったのはなぜか。
それは彼女自身が再挑戦を拒んでいるからだ。一度挑戦してダメだったからこそ、自分の心の中に閉じこもり、親衛隊やウサギが言われるがままに安全な世界を望んだからこそ、籠の中のそふぃは解放されることはないのである。本心は開放されたい。飛び立ちたいという想いを強く持っているにも関わらずだ。
だからあの籠は鳥籠がモチーフになっているのだろう。
しかしみれぃは同じ話の中で「たった一回失敗したからといって諦めるのなら私達には必要ない。最初の一歩は自分で選ぶしかない」という台詞を口にしている。「一度失敗したからといって諦める必要はない」のだ。
そしてその再挑戦もまた大事な一歩だ。だからこそ彼女は「最初の一歩」と表現しているのだが、同時に「選ぶしかない」とも言っている。これは「どのような挑戦をどうするのか」と言う意味でもあるのだろう。
それはたった一人で挑むのかどうかということでもあるし、友達に支えられながら挑むということでもある。
最初の一歩は選ぶしかない。
彼女の一歩がどのような選択によって生まれるのか楽しみである。


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