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『アイカツ!』紅林珠璃の描き方に見る「偉大な親を持つ」という事について

プリパラ。「プリパラ最後の日ってゲッターっぽいタイトルだな」と思ってたら、「中等部校長を兼任することになった大神田グロリア校長によって中等部全員がプリチケを没収されてしまったパプリカ学園。校長の手からプリパラを取り戻すべくドレッシングパフェが立ち上がる」という話になっていて安心した。
今までは初等部の校長だったので、「プリパラ禁止」「プリチケは強制没収」という横暴を何とかしようとするキャラクターは正直らぁらぐらいで、みれぃですらそこまで強い理由を持っていたわけではなかった。しかし大神田グロリアがパプリカ学園の中等部の校長も兼任することになったことで、この問題は「初等部だけの問題」ではなく「パプリカ学園に通う全てのプリパラが好きな人達の問題」へと発展することになった。それはつまり「プリパラ禁止」が「らぁらの問題」ではなく「パプリカ学園全体にも振りかかった問題になった」ということなるのだが、ここで面白いのは最初に立ち上がったのがドレッシングパフェであるということだろう。
らぁらが所属しているソラミスマイルはある意味、常にらぁらの危機が傍にあり、校長の目をくぐり抜けながら活動をしてきたわけで、「校長からプリパラを取り戻す」と言う目的は以前から共有されていたと言ってもいいだろう。しかしドレッシングパフェは全員が中等部ということもあって、「校長の手からプリパラを取り戻す」という目的を共有する必要がなかった。しかし今回自分達にも降りかかってきたことで、彼女達は自分達だけでなくパプリカ学園に通う全てのアイドル達とそんなアイドルが好きな人達のために立ち上がる覚悟を固めている。
自分達のためではなく、パプリカ学園の生徒達のために校長の横暴に立ち向かうドレッシングパフェの姿は凛々しく、そして格好いい。また自信に溢れ、奔放なドロシーがシオン達のプリチケも取り戻した辺りには「三人ならなんとかなる」という意気込みすら感じるし、そういった部分で「レオナ以外はどうでもいい」と言わんばかりの行動や言動をしていたドロシーの成長が垣間見える。
しかしながら大神田グロリアはプリチケではなくプリ券、パキるではなく「チョッキン」と言っていたりと、彼女の心の闇はプリパラによって育まれた感があるのだが、果たして彼女に一体何があったのだろうか。そしてらぁら達はプリパラを取り戻せるのか、ということを考えるとワクワクが止まらないというか、テンションが上がるわぁ。テンションMAXだわ。



いよいよ来週末に劇場版アニメの公開が予定されている『アイカツ!』。
三年目に突入してからもうまもなく1クール近くになるのだが、109話からはOPやEDには登場していたものの事前情報が殆どなかった赤い髪とフラメンコドレスが印象的なアイドル、紅林珠璃が大空あかり達と共にアイドル活動をする仲間として加わった。
子供の頃からアイドル活動を続けてきた新条ひなきと共にアイドル活動をしていた経験を持つものの、諸事情によりアイドル活動から一時は離れていた紅林珠璃。彼女が仲間に加わったことにより、『アイカツ!』はより熱くなっていくことになるのだが、この紅林珠璃と言うキャラクターを描く上で大事なのは「親が偉大な役者であり、自身も役者を目指している」ということだろう。
所謂「二代目」と言うべきキャラクターとして設定された紅林珠璃だが、今まで『アイカツ!』に親が一流のアイドルや役者だったというアイドルがいなかったわけではない。大空あかり達の良き先輩として登場している北大路さくらやあかりがアイドルを志す理由となった憧れのアイドル、星宮いちごもそういった「親が著名な芸能人」というアイドルだった。しかし北大路さくらは父親が歌舞伎役者で双子の兄も歌舞伎の道に進んでいる事など、同じ「芸能」であっても少し方向性は違うし、星宮いちごは一年目の終盤に伝説のアイドルデュオ、マスカレードのミヤが母親であるりんごだということが判明しただけで、その辺りまでのいちごの一年弱の功績はあくまで星宮いちごが自分と仲間達と共に歩み、育んできた実力で築き上げてきたものだった。
そもそも星宮りんご=マスカレードのミヤと言う情報は作中では一般的な情報ではないため、「マスカレードのミヤの娘である星宮いちご」という見方をしているキャラクターは「ミヤ=りんご」と言う情報を知っているキャラクターだけだ。そういう意味では星宮いちごは確かに「二代目」ではあるものの、「自分の後ろにいる偉大な親の姿を見て評価される」という描かれ方はされていない。「マスカレードのミヤ=星宮りんご」という情報を知っている人達も「二代目」「ミヤの娘」ではなく「星宮いちご」として彼女を評価している。
その辺りを考えてみると北大路さくらも星宮いちごも設定の上では二代目であるものの、その辺りを意識させるような描かれ方をしていないといえる。もっとも星宮いちごの場合はあえてミヤ=りんごの公開を終盤に回すことで、「血筋」ではなく「いちご本人の実力」として見せたかったと監督は述べているのであるが。
さて、そんな『アイカツ!』にあえて「二代目」と言う設定を背負わされて登場した紅林珠璃だが、紅林珠璃の描き方を見てみると面白いのは彼女は「二代目だからこその重圧」を背負っていると同時に、「二代目だからこその芸能の道を志す強い理由」が与えられていることに気がつく。
「二代目だからこその重圧」としては「周囲にいる誰もが「紅林珠璃」という人間ではなく、その背中に立っている母親の姿を見ていて、彼女を誰も見ていない」と言う形で表現されており、スターライト学園にやってきて大空あかり達と出会うまで、「母親の評価の恩恵を受けている」という描かれ方をしていた。
「誰も自分を見ておらず母親の姿を見ている」ということに対して苦しみを抱え、そしてアイカツ先生のオーディションの際にも気負いすぎていたのだが、自分を見てくれている大空あかりや新条ひなき、氷上スミレといった仲間達と出会ったことで一つ成長し、オーディションへ合格。母親からも「娘」ではなく「一人の役者」として認められる事となった。王道的ではあるものの、「目指す道の最初の一歩を仲間達と共に踏み出す」というのは『アイカツ!』らしい王道さだろう。
「二代目だからこその芸能の道を志す強い理由」はまた面白い。
確かに紅林珠璃は母親の影に押し潰されそうになっているキャラクターではあるものの、彼女が女優を目指すようになった理由もまた母親だというのである。子供の頃から母親の事もあってアイドル活動をしていた紅林珠璃。母親が役者であったことから、子供の頃から母親と共演していたこともあって漠然と自分も役者になるのだろうと思っていた珠璃だったが、ある日の夜に見かけたのは、母親がとてつもない努力を積み重ね、「役者」という仕事に真剣に向き合っている姿だった。
その姿に衝撃を受けた珠璃は「漠然と母親の後を追って役者になる」ではなく「自分の力で女優となる」と言う夢を抱くのだが、この「母親が役者の仕事にどれだけ心血を注ぎこんでいるかを知った」というのは「女優の娘」という設定が与えられた紅林珠璃だからこそのものだろう。
紅林珠璃にとって母親は物凄く身近な人間だったし、そんな母親に褒められることは彼女にとっても嬉しい事だったのだろう。しかしそれは紅林珠璃の母親が見せる「親の顔」に過ぎない。
普段は自分の演技を褒めてくれる母親だったが、一度演技に入るとそんな母親は「紅林珠璃の母親」ではなく「演じるキャラクター」を演じるために努力を積み重ねていた。そんな母親の「仕事に対する真面目さと真剣さ」を知ったからこそ、紅林珠璃は「母親に褒められるから」のような理由ではなく、「一人前の役者になる」と言う目的を持つようになった。
この「母親の「親」と「役者」の両方の顔を知った事で、自分の甘さを捨てて自分の道を進む覚悟を決める」と言う描き方が素晴らしいのは、「両方が母親である」ということを前提にしていることだろう。
「役者としての母」「紅林珠璃の親としての母」。
どちらも母親の姿で、そして母親を尊敬しているからこそ、彼女は「漠然とした理由で入っていい世界ではない」ということを知り、だからこそ「一人前の役者」としてその世界に入る夢を持つ。
この理由付けと描き方が出来るのは「親が役者」などの設定を持つ二代目だからだろう。
紅林珠璃はそんな「二代目だからこその理由」をもって芸能界へと足を踏み入れ、そして仲間と出会った事でそんな夢への一歩を踏み出す。
初登場となった109話のシナリオ上での描き方は「紅林珠璃」というキャラクターの大切な部分を見事に表現している。

そんな演技に熱い情熱を持つ紅林珠璃を加えて四人で進みだした『アイカツ!』だが、二年間の積み重ねがあったからこそ挑戦しているような設定のように思う。大空あかりの「いつか実ると信じて努力し続ける」というキャラクター造詣などは、一年目では無理な設定だろう。
二年間の積み重ねと実績があったからこそ挑める設定の数々と「あえて」という設定面での挑戦が光る三年目。今後新たに登場するアイドル達はどんな少女達なのだろうか。期待してしまう。


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