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『プリパラ』デビューライブから見えるファルルの個性について

神撃のバハムート。あまりにも豪華すぎるスタッフとおそらく映画で見ても全く見劣りしない作画に「どうなってんだこれ」と言われ続けた作品だったけど、最終回に山下明彦連れてくる辺りに「やっぱり凄いなこのアニメ」という言葉しか出てこなかった。内容としては王道というか捻りらしいものはなかったものの、この世界に生きるあらゆる存在がちゃんと結束して立ち向かう姿や人間の強かさに敗れ去る黒幕など、見所も多かったし満足度は非常に高い作品だった。
ソーシャルゲームのアニメ化としては今期は『アイドルマスターシンデレラガールズ』があるけれど、『神撃のバハムートGENESIS』が原作ファンがコンテンツに注ぎ込んだお金を還元する方法として「ファンの期待に応えうる映像作品を作る」という道を指し示してくれたことで、「作品の紹介」で終わらない作品が生まれていくといいことかな、と個人的には思うところである。



らぁら達の頑張りによって校長のプリパラ嫌いを解消し、半年にも渡る攻防に終止符が打たれ、初等部の女の子達の元へとプリチケを取り戻すことが出来た『プリパラ』。クリスマスイベントでは第二期が四月より放送開始予定であることが告知され、第一期シリーズは残り一クールほどとなったわけだが、そんな『プリパラ』の年内最後の放送では本作の監督を務める森脇真琴が「ラスボス」と呼ぶ少女、ファルルがアイドルデビューを果たした。
一話のらぁらが初めてライブステージに立った時から登場し、ハロウィンイベントの様子を描いた十七話でスカウトマスコットのユニコンと共に本格的に参戦。そして今回二十六話でようやくらぁら達と同じステージに立ち、鮮烈なデビューを飾った。ファルルのデビューによって第二クール目が終了し、『プリパラ』の第一期シリーズは結末に向かって走り始めたわけなのだが、そんな第二クールの最後を飾ったファルルのデビューライブは圧巻の一言だ。
『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』以降、ほぼ全てのマイソングを手がける三重野瞳が作詞を担当。AKB48にも楽曲提供をしている片桐周太郎が作曲・編曲を務め、ファルルの声優である赤崎千夏によって紡がれる「0-week-old」という楽曲で演出されるファルルのライブだが、見所としては作中でこの楽曲を歌っている「ファルル」と言うキャラクターそのものを印象づける演出がされていることにあるだろう。
ステージに立つファルルの特徴は登場以来、「人造物」であることを意識させるような演出がされている事だ。
例えば密かに登場していた一話のスタッフロールでは「ボーカドール」と記述されていたり、彼女の衣装にはゼンマイの意匠が盛り込まれいるのがそれだ。またファルルは赤崎千夏が演じているものの、十七話やデビューとなった二十六話ではその声にノイズが走るような加工がされており、そもそも片言であることやらぁらの「かしこま!」など同じ言葉を何度も繰り返す挙動、そしてハイライトの入っていない瞳のデザインなども相成って「人造物」であるかのように思わせる演出が心がけられているように描写されている。
ではそんな「人造物っぽさ」がキャラクターを演出する際に軸として展開しているファルルのライブはどうなっているのかというと、まずファルルが行うライブステージは「壁に無数の歯車が備え付けられた王城のエントランス」というステージデザインとなっている。ベースとなっている「王城のエントランス」は、ファルルのお気に入りブランドとして設定されている「マリオネットミュー」のモチーフであるプリンセスを踏まえているのだろう。しかしそんな王城を模したステージであるにも関わらず、壁では無数の歯車達が絶えず回転し続けており、この二つの組み合わせはどこか異様だ。
しかし「人造物」であるかのように演出されているファルルという少女がそのステージに立った時、歯車と王城という二つのモチーフをもつそのステージは、「ファルル」と言う少女を演出するための装置として機能する。
「人造物」のファルルとプリンセスをモチーフとするマリオネットミュー。
二つが組み合わさった「機械仕掛けのプリンセス」というモチーフを持つ「ファルル」というアイドルは、ステージの歯車と王城の二つの要素を組み合わせた際の異様さを魅力に変換している。言ってしまえばこのステージはファルルと言う少女を最大限に活かしきるために設計された、ファルル専用の演出装置なのだ(余談ではあるが、ランウェイの先にあるそのステージはプリティーリズムのターンテーブルを彷彿とさせるデザインとなっている)。
そんな演出装置の中心で歌い踊るファルルは思わず見入ってしまうほどの魅力があふれている。
またメイキングドラマ後のサイリウムチェンジ時には歯車の意匠が盛り込まれており人造物の記号としている点も興味深いが、サイリウムコーデを身にまとったファルルも面白い。なぜなららぁら達のサイリウムコーデと見比べてみると、サイリウムコーデにもファルルとらぁら達の違いが現れているからだ。
らぁら達のサイリウムコーデは「少しづつ色が変化していく」というものになっており、サイリウムコーデが放つ光は一定にはならないような動かし方をしているのだが、ファルルのサイリウムコーデは「AパターンとBパターンを交互に切り替える」という極めて機械的な動き方となっているのだ。そのため、ファルルのサイリウムコーデはどこか無機質な印象を受けるのだが、しかし規則正しくパターンを切り替えるそのコーデは「人造物っぽさ」を持つファルルらしいものだとも言える。こういった点でもファルルの魅力を生かす演出やデザインが心がけられているといえる。
ライブ時のパフォーマンスに目を向けてみると、クラシックバレエを思い出させる振り付けもさることながら、サイリウムチェンジ後にステージがせり上がった後のパフォーマンスが特に面白い。
ソラミドレッシングはセンターのらぁらとシオンが上のステージで、ドロシーとレオナ、そふぃとみれぃは下のステージでパフォーマンスを行っており、六人の振り付けは少しタイミングをずらす事で個性を演出しているのだが、ファルルは自身と全く同じ動きをする影を六つも創りだしてパフォーマンスを行っている。
この描写からは「ファルルがらぁら達が六人で行った以上のパフォーマンスを一人で行っている」という事が伺えるが、それは「ファルルは一人でソラミドレッシングを超えるパフォーマンスが出来るほどの実力を持っている」ということにほかならない。おそらくそのことを念頭においた上で、映像的な説得力を与えるために生み出されたのがあの六つの影なのだろう。「一人で六人を超える実力を持つ」ということを映像だけで見せてしまう辺りが圧巻である。

ランウェイを歩く姿、メイキングドラマへ入る時のポージングがらぁらと全く同じだったり、「かしこま!」を多用したりと、らぁらの個性を学習しているファルル。
彼女の登場によってらぁら達はどうなっていくのだろうか。非常に気になるところだ。
ところでメイキングドラマの「フローズンキャッスルミラージュ」は、アーケードゲーム版プレイ時から「これを映像化したら凄いことになるぞ」と言い続けていた人間なのに予想の遥か上を行く出来だった。一年前の天羽ジュネの時も思ったが、このチームは「ラスボス」と言われる存在に対してリソースをちゃんとつぎ込んでみせてくるので油断できん……。



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1件のコメント

[C1584]

初めてコメントさせていただきます
ざっとブログを拝見させていただいたのですが非常に趣味が自分と合って驚きですw
これからもちょいちょいコメントするかもです
  • 2015-01-05
  • きの子いぬ
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