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『レディジュエルペット』負の感情の肯定と「世界を救う」の意味について

『劇場版プリパラ』ルート2を視聴。『劇場版プリパラ』では週ごとに後半10分ほどの内容が変わるという実験的な試みをしているのだが、ルート2となるパーフェクトスターツアーは「パーフェクト」とタイトルに入れるに相応しい、まさしくパーフェクトな内容だった。歴代プリズムショーの中でもパーフェクトなショーばかりを集めただけのことあって、天羽ジュネや蓮城寺べるの七連続ジャンプなど、各作品にとって重要なプリズムショーばかりが集められている。プリズムショーの数そのものはラブリードリームツアーから減っているものの、それぞれの尺を長めに取ることでじっくり見ることが出来るため、見応えは抜群。
特にジュネ様やみおん様などのプリズムショーは映画館の巨大なスクリーンで見ると本当に素晴らしい出来で、本編でも素晴らしかった「エターナルビッグバンからのビューティフルワールド」などはその破壊力がかなり増しているようにも思う。でもやっぱり最後のグレイトフルシンフォニアが一番涙腺に来たな……。『プリティーリズム』シリーズ三作品はどれも好きだが、『ディアマイフューチャー』が一番好きなので映画館で見るいっちばーん!なグレイトフルシンフォニアは、何回見ても素晴らしいぜ……。
来週からはルート3なのだが、その前にルート4を見に行きたいので先にそっちを見ます。楽しみじゃぜ。



2009年にスタートした『ジュエルペット』シリーズも今年で七年目を迎える事になり、四月からは『ジュエルペットマジカルチェンジ』という新シリーズがスタートする事が既に発表されている。今までのシリーズでも「人間とジュエルペットの絆」はシリーズの根幹にあるものとして重要に描かれてきたものだが、『マジカルチェンジ』ではそこをより強調させる方向への舵取りをしているように見える。ジュエルペットと人間の恋愛は描かれてきたものの、擬人化という事は一度もされてこなかっただけにどういう作品になるのかは未知数だが、何にしても『ジュエルペット』シリーズは挑戦的な試みを幾つも行ってきたからこそ今日の人気があるわけでその新たな挑戦にはやはり期待せざるをえない。
さて現在放送中の『レディジュエルペット』も残すところ、あと二話ということになったのだが、最新話となる「50話 世界を救うのはレディのたしなみ!」は『レディジュエルペット』という作品の集大成とも言える一話だった。

混沌の扉はついに開かれ、世界は滅びへと向かい始める。世界を滅ぼそうとするビーストを倒すにはジュエルアローしかないが、ジュエルアローを使えるのはもはや一人しかおらず、その最後の一人であるももなはビーストを倒してしまうことに迷いを覚え、矢を放つことが出来ない。悩めるももなは仲間達と共に過ごしたこの世界を護るために「使えば大切なモノを失う」というファイナルワンドを使う覚悟を固める――!というこの50話で注目したいのは、何と言っても「ビーストとの決着」だろう。
世界を滅ぼす怪物であるビーストは、人間の負の感情から生まれ出るものだ。だからレディの背負うべき責任の重さを知って怯えてしまうレディ候補生や、愛する人を失ってしまったミウラの自暴自棄な感情が世界を滅ぼすビーストを強くし、混沌の扉を打ち破るだけの存在へと変えてしまう。
そんなビーストに対抗できるのはジュエルアローのみで、皆の思いを集めてジュエルアローでビーストを射ればビーストは確かに倒せる。だが、ここで一つ疑問が生まれる。「はたしてビーストを、負の感情をただ倒してしまうだけでいいのだろうか」という疑問だ。
本作はそんな「負の感情を否定し、倒し、封じ込めてしまう」ということに対して否定的な解答を出している。
ファイナルワンドの力で、ビーストと対峙したももなは「私、貴方を倒しに来たわけじゃないよ」というビーストに対してこう返している。
「やっぱり。貴方は悲しいんだね。ビースト、貴方は皆の良くない考えの集まり。だけど、それは敵じゃない」
確かにももながここに至るまでを振り返ってみると、彼女にだって良くない考え、負の感情を抱いた瞬間というのはないわけではない。作中でも触れられている通り、カイエンがロイヤルパレスへ行くことが決まった時にはやはりショックを受けている姿が描かれているし、カイエンとエレナが仲睦まじくしている姿にヤキモチを焼いている姿は何度も描かれてきたし、そもそも一話を振り返ってみれば従兄のアルトと結婚したダイアナにも若干嫉妬しているかのような描写があったようにも思う(ダイアナを見て納得し、彼女に憧れるようになったのがももながレディを目指そうとした理由だったりもする)。
ジュエルアローを使えるほどの存在となっても、いやそういう存在になれたからこそももなは知っている。世界に溢れる負の感情はけして敵ではない事を。そして世界にある負の感情と同じだけ嬉しい気持ちや楽しい気持ちが溢れていることを。
だからももなはビースト=負の感情を否定しない。負の感情を否定せず、肯定し、受け入れる。
「悲しい気持ちを笑顔で癒せるように皆で頑張る。だから安心して休んでいて」とビーストの世界を滅ぼすほどの憎悪すらも、受け入れてしまうのである。
そんな本編を見た後で「世界を救うのはレディのたしなみ!」というサブタイトルを見ると、このサブタイトルが指す「世界」とは即物的な「この世界そのもの」ではないことが分かるだろう。
誰にでもある「負の感情」。それが世界を滅ぼすビーストを生み出す以上、この「世界」とは自分自身、そして周囲にいる人々の「心」そのものなのだ。そう読み替えると「世界を救うのはレディのたしなみ!」というサブタイトルも「自分の、そして周囲にいる人々の心を救うのはレディのたしなみ!」と読み替える事ができる。
そうして読み替えてみると、ももながこの50話に至るまでに経験してきたこと全てに意味が通ってくる。
嫌な事があっても、誰かが傍にいて一緒に歩んでこれたからこそ、今の彼女があるのだから。

またリリアンが二度と目覚めない事で自暴自棄になったミウラの救済もまた素晴らしいと言えるだろう。
世界が元に戻ったとしても、人形が魔法の力で人間の姿をしていただけにすぎないリリアンは、言ってしまえば「世界から外れた存在」だ。ラリマーの力を持ってしても復活しないことには納得がいく。
だからリリアンを復活させるのはルーアなのだ。ルーアの「リリアンにもう一度会いたい」という思いがリリアンを蘇らせ、愛する人を失ったミウラの心を癒してくれるのである。

自分達の救済を放棄して、友人達と思い出を積み重ね、そして未来があるこの世界と人々を救ったももなとカイエンだが、一人だけ救済されなかったのがルビーだ。二人の帰還を信じるルビーの心の救済が物語の最後に立ち上がってくる辺りに「ジュエルペットと人間の絆」をシリーズを貫くテーマとして描いてきた『ジュエルペット』らしさを感じるところだが、残すところあと二話。51話について監督を務める川崎逸朗は「今までのジュエルペットシリーズで、ある意味タブーな事に挑戦している」というコメントしているが、この一年間の物語に相応しい一話になる事だけは間違いないだろう。


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