Entries

理想のレディを目指す少女と愛の物語――『レディジュエルペット』について

4/2に『プリパラ』がアップデートされるので、それに合わせて新商品がまた色々と出ているんだけど、まさか『プリティーリズム』の時に出ていたヘッドホンをゲームオリジナル楽曲を収録したCDとセットで『プリパラ』のグッズとして販売してくるとは思わなかった……! いやもしかしたら違うのかもしれないが、形状的には似てるんだよな……。いや別にプリリズの時に使ってたのは壊れてるからいいのだが。
しかしファルルの「morning」や、ドレッシングパフェの「ガムシャランホイ」はともかく、『劇場版プリパラ』で使用されたそらみスマイルの「GoGoプリパライフ!」ぐらいはちゃんと出して欲しかったな。まあ六月に出るサントラに収録するよりかはずっといいのだが。
しかしこの一年ぐらいはドアサが面白すぎたと思う。『レディジュエルペット』は言うまでもなく、シリーズの傑作選だった『プリティーリズム・オールスターセレクション』や七月からスタートした『プリパラ』も面白すぎたぜ。来期からは『プリパラ』はそのまま二期が、ジュエルペットは『ジュエルペットマジカルチェンジ』がスタートするけど、さてどうなるかな……。スタジオコメットが制作から外れて、スタジオディーン制作になるみたいだけど、ちょっと先が読めないなー。
まあ何にしてもドアサは毎年面白いので期待したい。



素敵なレディになるために日夜修行に励む少女達とそんな少女達を支え、導くジュエルペットとの絆を描いた『レディジュエルペット』。ジュエルペットシリーズの第六作目として2014年4月から放送開始された本作は、『ジュエルペットサンシャイン』『ジュエルペットきら☆デコッ!』『ジュエルペットハッピネス』とどちらかと言えばコメディ色の強い作品が続いていた中でシリアス色の強い作品となっている。
『幕末Rock』や『戦国BASARA』などの監督で知られる川崎逸朗が監督を、『極上!!めちゃモテ委員長』や『ゆゆ式』などを手がけた高橋ナツコがシリーズ構成を努める一方で、『Fate/EXTRA』のキャラクターデザインを務めたワダアルコがキャラクターデザインに参加しているなど、従来までとは異なった意外性のある人選がされている。
そんな『ジュエルペットてぃんくる☆』以来のシリアス路線となった『レディジュエルペット』だが、先日ついに最終回を迎えた。
ももなとリリアン、二人の少女を中心に描かれてきた本作の一年間の物語を一言で表すことはとても難しい。しかしそれでもあえて一言で本作を表すのなら、本作は「愛の物語」だといえるだろう。
「愛」と言っても本作の「愛」は、何も「恋愛感情」と言う意味合いだけではない。仲間や家族、自分を好いてくれる人、自分が好きな人、それらを全て引っくるめたもの。それが『レディジュエルペット』と言う作品が描く「愛」なのだ。
素敵なレディになるためにジュエルパレスにやってきたももな達。彼女たちはレディになるための試練の中でその多種多様な「愛」を知っていく。それは「一期一会を大事に」や「相手の気持ちに立って考える」といった当たり前の事から、「赤ちゃんとどう向き合うか」といった家族の有り様まで、レディ候補生は「自分が様々な愛情に包まれてきた」ということを知り、そしてレディ達自身も自分なりに愛を表現していく。本作の「自分なりの素敵なレディになる」という自己実現のテーマもここに繋がっていく。
アバンタイトルでレディジュエルは「レディとは努力する人のこと」と語っているが、努力するのは何も「なりたい自分になる」というだけではない。
出会う人、一人一人に敬愛を持つ事。ちゃんと向き合う事。そんな些細な愛情の積み重ねを「努力する」。そんな努力をこつこつと積み上げられる人の事をレディと呼ぶのだろう。
ももなはみずき、かろん、リリアン達と出会って友情を育み、カイエンと恋をする。愛を知り、愛に気づいてももなはレディとして成長を遂げていく。大好きなカイエンの背中を追いかけるために始めた事が、彼女の愛をより強くさせ、彼女自身をとても強い存在へと変えていくのだ。
そういう意味では35話までのジュエルパレス編とは「少女達が愛を知り、気づき、愛を育みながら、成長していく」といった成長の物語だといえるだろう。レディになるための試練の中で育まれていく愛の力は少女達を一人のレディであり人間として強くさせる。しかし「愛」は必ずしも良いことだけをもたらすとは限らない。愛しているからこそ嫉妬は生まれ、失われたことで絶望する。愛があるからこそ負の感情が生まれるのだ。
物語終盤から登場するビーストはまさに愛があるからこそ生まれる負の感情、その象徴とも言える存在だ。
何度消滅させられても必ず復活して世界を滅ぼそうとするビーストだが、なぜビーストは不死身なのだろうか。
それは人間の負の感情は消滅させることが出来ないものだからだ。
自分達に課せられた責任の重さに苦しむ。愛が失われる事を恐れる。自分の方がうまく出来ると思い込む。
それらの負の感情は誰にでも生まれ出るもので、消滅させることは出来ない。どんなに高潔な人間であっても、負の感情――世界を呪うほどの気持ちは生まれてしまう。
エレナがビーストに取り憑かれてしまったり、レディ・レクターがああして暴走してしまったのはそのためだ。
負の感情は誰にも消せない。だから負の感情から生まれるビーストも死なず、何度だって復活してしまうのだ。
人間の心から負の感情は消せない。それは愛があるがために生まれるものだから、消せはしないのである。
ももながビーストを否定し消滅させるという選択肢を取らないのは、愛と負の感情が表裏一体のものであることを知っていたからだろう。
少し意地悪なカイエンに腹を立てたり、そんなカイエンと仲良くしているエレナに嫉妬したりと、この一年間でももなは負の感情を何度も体験している。でもそんな負の感情があったから頑張ってこれたし、カイエンと結ばれた時の喜びやカイエンへの愛情はその負の感情を癒してくれた。その事を経験的に知っていたからこそ、ももなはビーストを肯定し、受け入れられる。ビーストを受け入れて愛することで、人々の負の感情すらも救うのだ。
またビースト=負の感情の不死性に触れた本作だが、真逆に位置する生の感情=愛の不死性についても描かれている。
この世界を救うためにファイナルワンドを使用したももなとカイエンはこの一年間の思い出と育んだ愛情を一度は忘れてしまうのだが、友人達の祝福によって忘れてしまった事を全て思い出しているのだが、この時大事なのはももなとカイエンは記憶こそ失ったものの、一年間で育まれた絆や愛は二人の傍にあり続けたということだろう。
例えば一年間の記憶を失った二人の結婚式を、友人達がより良いものになるように手伝ってくれているとか、忘れてしまった大切なパートナーが二人を巡りあわせてくれているとか。
二人は記憶こそ失ったものの、失った一年間の中で育まれたものまでは消えなかったとすることで、愛の不死性が描かれている。このように負の感情だけが不死なのではなく、正の感情――愛もまた不死であるとして描く事で、両者が表裏一体である事を感じさせてくれる。
また二人を祝福する友人達の「贈り物」が、二人を最後まで信じ続け、巡りあわせてくれたルビーを復活させる鍵になっており、シリーズ共通のテーマである「ジュエルペットとの絆」を感じさせると共に、二人にとって大切な存在である事を思い出させる。
ももなはルビーと出会えたからカイエンや友人達と出会えた。カイエンにとってはルビーがももなを選んだからこそ出会うことが出来た。ルビーは二人にとって始まりを与えてくれた存在だ。
だから記憶が蘇る時にルビーの名前を思い出す事をきっかけにすることで、「ももなとカイエンにとってのルビーのかけがえのなさ」は強調され、二人が結ばれた時に誰よりも祝福していたルビーの復活は、二人の傍に常にあった愛の存在を確かに感じさせてくれるのだ。

『レディジュエルペット』は少女達が素敵なレディになっていく成長物語だ。
しかし少女達が一年前とは比べ物にならないほど立派なレディとなれたのは、彼女達自身の努力はもちろんのこと、多くの愛が一人一人を支えていたからだろう。友情、仲間、恋愛、家族。様々な愛に包まれながら、彼女達は自分達の方法でその愛に答えていったからこそ今の彼女達があるのだ。

最後に投げかけられた「誰でもなれる」と言う言葉の意味を信じて、努力すればきっと誰でも本作のキャラクター達のようになれるに違いない。そう思って仲間や愛する人とともに努力する姿こそが、きっと本作が伝えたかった「レディ」の姿なのではないだろうか。


TVアニメ「レディ ジュエルペット」~DVDはレディのたしなみBOX~TVアニメ「レディ ジュエルペット」~DVDはレディのたしなみBOX~
(2015/07/07)
齋藤彩夏、井口裕香 他

商品詳細を見る



Your Love (CD+DVD)Your Love (CD+DVD)
(2014/07/30)
Mスリー

商品詳細を見る
スポンサーサイト
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://ilya0320.blog14.fc2.com/tb.php/2127-497a0c6e

0件のトラックバック

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

魔界戦線


■DREAM WING(C87新刊)


■プリズムアライブ(C86新刊)
44829979_m.jpg
とらのあなで委託中

■スイッチオン!(C85新刊)
アイカツ3
とらのあなで委託してました

■RUNWAY
表紙
とらのあなで委託してました

プロフィール

  • Author:水音
  • tumblrの方が積極的に更新してるマン。
    面倒くさがりなので、Twitterのほうが捕まります。

    魔界戦線



    連絡先  :mizune.moon.sounds@gmail.com
    @を半角にして下さい

カウンター