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『プリパラ』43話に見る勝敗を分けたチーム観とチームの再定義について

『アイカツ!』の楽曲を歌っているSTAR☆ANISの全国ツアー初日に行ってきた。AIKATSU☆STARS!がオープニングアクトとして登場し、先日発売されたばかりのOP曲を含めて三曲歌う辺りで「いきなり飛ばしてくるな」ーと思っていたら、二時間半が一瞬で終わったと思ってしまうほど、攻めに攻めたセットリストで驚かされた。ツアー初日だからといってもこのセットリストはちょっと攻めすぎだ!
しかもその選曲がいちいち渋い。「ダイヤモンドハッピー」や「SHINING LINE*」など「流れたら絶対盛り上がる」という定番的な楽曲はもちろん、「真夜中のスカイハイ」や「ミトレジャーノ」などのドラマ曲に「ダンシングベイビー」などアニメ未使用楽曲まで使用されているし、「硝子ドール」から「Take Me Higher」への繋ぎは絶妙すぎてもう最高としかコメントできない。ああ、最高だった……。
また楽曲それ自体はそこまでテンポが激しい楽曲じゃなくとも、90秒版の中にフルで放り込むことで全くテンションが下がらず、むしろ「次に何が流れるのか」「次の楽曲はフルなんだろうか」と二重の意味で期待させる構成になっていたのも上手い。フルで流れた時は嬉しくて盛り上がり、90秒版だと楽曲で盛り上がったテンションで次の楽曲に移れ、観客のボルテージが全く下がらない。このセットリストを考えた人は観客のボルテージをどうやったら切らさず、そして大いに盛り上げられるかを考えて構成しているのではないかと思う。体力的には相当辛かったものの、観客のテンションは全く切れていない。むしろ後半に差し掛かるに連れて熱を帯びていくため、最後まで駆け抜けた時に熱と爽快感があって、そこがまた面白くてたまらない。
衣装も今回のためだけに制作された衣装で登場していて、全員専用のシュガードレスと力の入れ方も分かっていたが、今回の初日を見た限りでは今回のライブツアーのコンセプトは「STAR☆ANISコンプリート」だったのではないかと思う。だからライブツアー全部を見れば、「STAR☆ANIS」の楽曲は全部聞けるようになっているのではないだろうか。
実際にどうなのかは初日が終わった直後からはわからないものの、今回のライブツアーは参加できて本当に良かったと心から思わされた。アンコールの「輝きのエチュード」の後に出た言葉を大切にしつつ、名古屋以降のライブがより良いものになることを心から祈りたい。
ところでアンコールが「アイカツ!」だったり、ライブ終わった後に「おつかー!」と声を掛け合う姿が見られたりして「アイカツ!世界のライブでもファンはこんなやりとりをしてるのかな」とか思ったでござる。「みんな、おつかー!」って使いやすいよね。



「チームを結成することの意味」というのはそのチームの「らしさ」が現れるものだ。
「なぜこのメンバーとチームを結成したいと思ったのか」「チームをなぜ組まなければいけないのか」など、「チームを結成する事の意味」は自分自身はもちろん、チームメイトになる人達やチームそのものにも常に問いかけられ続ける。だからこそその問いに対して出した解答は「このチームであることの意味」として、そのチームらしいオンリーワンの輝きを宿す。
そんな「チームであることの意味」を改めた問われた真中らぁら、南みれぃ、北条そふぃの三人が再びチームを結成し、そらみスマイルらしいオンリーワンの輝きを宿すまでを描いたのが『プリパラ』43話「ドリームシアター一番乗り!クマ!」である。

長い間工事が続いていたドリームシアターがついに完成。その完成を記念したお披露目ライブで歌うチームを決定するための大運動会が行われることに。ネコの語ったチーム再結成の呪いを恐れるクマとウサギに、チーム再結成の約束を取り付けたそらみスマイルとドレッシングパフェは、優勝を目指して激突する!というこの43話ではついにそらみスマイルが再結成を果たす。
38話でめが兄ぃから一時的な解散を告げられてから短いようで長い時間が過ぎたが、再結成が描かれたこの43話で大切なのは「なぜチームを結成したいのか」「このチームで何がしたいのか」ということだろう。
そもそも一期シリーズにおいてそらみスマイルを結成した理由は「この三人で歌いたいから」だった。
真中らぁらと南みれぃ、そして北条そふぃ。
この三人全員が「この三人で歌いたい」と思ったからこそ、三人は互いに支えあいながら一歩づつ進んでいく「そらみスマイル」というチームになれた。だからめが兄ぃにチームを解体された後、すぐに結成しようとする事は別段間違ってはいない。だが一度解散したからこそ改めて問いかける事ができる事もある。
それが「このチームであることの意味」だ。40話から42話までの三話はらぁら、みれぃ、そふぃにスポットを当てて、一人一人にとって「そらみスマイルの意味」が描き出す。
らぁらにとってのそらみスマイルは「どんな困難があっても一緒にいたいと思えるもの」だし、みれぃにとっては「一人でステージに立つ時でも一緒にいてくれるもの」だ。そふぃにとっては「一緒に頑張りたいと思える存在」で、それぞれの考える「そらみスマイル」の姿は少しづつ違っている。しかしそれぞれの「そらみスマイル」の根底にある思い――「他のだれでもない、この三人だからそらみスマイル」は三人とも同じだ。
その「思い」を三話かけて、一人づつ丁寧に描いてきたからこそ、43話の大運動会最後のレースで三人が互いに支えあいながら一歩づつ確実に進んでいく姿はとても輝いて見える。
「三人でライブがしたい」「誰一人代わりがいない、この三人だからそらみスマイルだ」と言う思いを一つに、一歩づつ駆ける姿はまさしく「そらみスマイル」の輝きだと言えるだろう。
そんな三人の「そらみスマイル」として諦めない姿を見たからこそ、その輝きをマネージャーとして誰よりも最初に見ながらも、再結成の呪いを恐れて逃げ惑うクマに「呪いの恐怖」すらも乗り越える覚悟を固めさせて、三人は再びチームを結成する事が出来たのだ。
このチーム結成で興味深いのは「三人で結成の儀式をしたからチームになる」ではなく、「もうチームだからこそ結成の儀式をする」と構図が逆転していることだろう。
本来なら前者が正しいのだが、既に様々な試練を三人で乗り越えてきたからこそ構図を逆転することに「既にチームである」という意味を持つ。
加えてここまでの物語が「この三人でいること=そらみスマイルでいることの意味を「再定義」するものだ。
だから結成の儀式そのものはあっさり気味に描かれているのだが、しかしそれでも結成の儀式そのものを省略しなかったのは、三人が今一度結成したという事を実感させ、その意味を噛み締めさせるためだろう。
その意味こそが「そらみスマイル」の「らしさ」であり、輝きなのだ。
そして三人が「そらみスマイル」の輝きを宿す存在へとなれたからこそ、「ドリームシアター」というもう一段階上のステージで歌うに相応しいアイドルへとなれたのではないだろうか。そんなオンリーワンの輝きが、ドリームパレードへと繋がっていくのだ。

またレース終盤で描かれたドレッシングパフェとの一騎打ちに視点を向けてみると、そらみスマイルとドレッシングパフェのそれぞれのチーム観が現れている。
「三人でライブがしたい」と思いを一つにして、互いに支えあいながら一歩づつ確かに足を進めるそらみスマイルに対して、ドレッシングパフェは最後の最後でドロシーの独走によって転倒して勝利を逃してしまう。
これはドレッシングパフェが一人一人が、それぞれが強烈な個性を輝かせ合う事でより強い輝きを放つ「相容れない者同士だからこその輝きを宿す」というチームだからだろう。だからこそ今回はチーム同士の結束の強さではそらみスマイルに一歩及ばない。
そんな「ドレッシングパフェらしさ」とも言える姿は障害物競争などでも走者争いと言う形でも描かれているため、この敗北は非常に「ドレッシングパフェらしい」。そんな「ドレッシングパフェらしい敗北」を経て、シオン達が「ドレッシングパフェ」をどのように定義しなおしていくのだろうか。ドレッシングパフェのドレッシングパフェらしい再結成に期待したい。

なおこの43話のライブパートはドリームシアターでのライブであると共に、再結成したそらみスマイルの最初のライブとなっているが、そらみスマイルのライブらしく、三人に均等に出番が与えられ、魅力的な表情による関係性を描写を押さえながらも、全方位に観客がいるドリームシアターの特性を活かしたライブになっている点はとても面白い。
そらみスマイルを中心にした円の軌道を描くカメラワークだったり、ホログラムであること活かした透かした先にあるサイリウムの表現などは従来のステージでは出来なかったもので、ランウェイの表現をバッサリ削るドリームシアターだからこそ出来ることだ。そんなドリームシアターでしか出来ない演出を随所に凝らす事で「ドリームシアターでのライブの可能性」を考えさせてくれるが、しかしそれでもまだこのドリームシアターでのライブは完成形ではない辺りがまた面白い。
これだけ「従来のステージでは出来なかった事」を存分に盛り込んでいるにも関わらず、まだ五人チームを結成していないためにまだ「ドリームシアターでしか出来ないライブ」の半分ほどしか見せられていないのだ。
しかしだからこそ彼女達が五人チームで行うライブに想像と期待を膨らませてくれる。
そらみスマイルとドレッシングパフェ。そしてあろまにみかん。彼女達が五人チームを結成することで見せるドリームシアターでのライブに期待していきたい。

『プリパラ』も第二期に突入した事もあって、食いしん坊の天使系アイドルのみかんに、呪いをかけたがる悪魔系アイドルのみかんなど新たに登場したキャラクター達の魅力に注目されがちだ。しかし第一期から続投されたキャラクター達はキャラクター達で一期の物語を踏まえて、改めて「定義」をし直されることでまた違った魅力を発揮している。
今回のそらみスマイル結成はそんな「定義し直された」からこそ輝きに満ち満ちている。
その一方でドレッシングパフェは今回がきっかけで分裂の危機を迎えているが、それを乗り越えた先にまた新たなドレッシングパフェの姿があるに違いない。そんなドレッシングパフェの姿に期待したい。
ヨーロッパラからやってきたアイドル、緑風ふわりに謎のプリンス、紫京院ひびきなど第2クールから登場するキャラクター達の情報も次々と公開され、ますます盛り上がりを見せる『プリパラ』。
ドリームシアターライブも含めて、第二期だからこその展開を作り込めている作品だ。



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(2015/06/17)
V.A.

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