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『アイカツ!』『プリパラ』作画から3DCGへの切り替えにおける違和感を軽減する工夫についてのメモ

スパロボ。『第三次Z天獄編』すら積んでいる中で八月に発売する『BX』の速報を見てしまったのだが、『ガンダムAGE』の参戦に「そうか……フリットさんが……」と妙な気持ちになってしまった。『ガンダムAGE』と言う作品を振り返る上で「フリット・アスノ」と言う男の事を思い出さずに入られない。というのも、ヴェイガンに母親を殺され、愛した人を殺された彼はヴェイガンを殲滅するためなら孫すら利用する復讐鬼と化した彼は長期化したヴェイガンとの戦争が産んだ存在だからだ。
長期化によって凝り固まった彼の復讐心とそこからくるとにかくヴェイガンを殲滅しようとするその姿はいっそ哀れなのだが、だから面白いのはヴェイガンを皆殺しにする大量殺戮犯になる直前で戦争終結に向けて動き出す一連の流れだろう。何だかんだであそこの下りは「戦争を止める方法」と言う一つの結論としては綺麗にまとまっていたように思うのだ。
作品として難がある事は否定しないが、「フリット・アスノ」と言う一人の男の人生の物語もそうだが部分的に見ればかなり面白い作品だったように思う。だからスパロボに参戦した時が楽しみだったのだが、今回『BX』で参戦できてちょっと楽しみである。
ただ今回のスパロボ参戦ではキオ編がメインらしく、アセムのスーパーパイロット宣言など美味しいところが大体カットされてしまうのが勿体無いなー。




現在女児向けアニメシーンでは二つのアイドルアニメが凌ぎを削り合っている。
一つ目は『アイカツ!』。バンダイナムコエンターテイメントが開発した同名のアーケードゲームを原作とするアニメ化作品で、2012年10月に放送開始するやいなや瞬く間に市場を席巻。2014年12月にはファン待望の劇場版アニメ化を果たし、現在は三年目が放送中。大空あかりを主人公にした物語も後輩達を迎えて一年目のクライマックスに向けて動き出している。
そんな『アイカツ!』と相対する陣営が『プリパラ』で、こちらも同名のアーケードゲームが原作となったアニメ化作品である。前作『プリティーリズム』のテーマを受け継いだ後継作として発表された本作は2014年7月の放送開始から劇場版アニメ化に単独イベントの開催など怒涛の展開が続き、7月12日には一周年を記念したイベントが開催されるなど今まさに「旬」というに相応しい作品となっている。
『アイカツ!』と『プリパラ』。
両者とも「アイドルを題材としたアイドルアニメである」「アーケードゲームのメディアミックス作品である」という点では共通だがそれだけではない。本編を作画(2D)、ライブパートを3DCGで制作している点もまた両者は同じなのだ。とはいえ「アプローチの仕方」という点で見れば両者は全くの別物。それぞれ違ったアプローチをする事で、それぞれの作品の魅力を上手く引き出している。
そのアプローチの違いがよく分かるのが手描きから3DCGへ変換される際の一連の流れだろう。
作画から3DCGへの変換はただ置き換えればいいというものではない。作画と3DCGでは情報量の差が存在しているため、ただ置き換えただけではその情報量の差により違和感が生じてしまう。その違和感を軽減するために作品ごとに様々なアプローチが試みられているのだが、今回は『アイカツ!』と『プリパラ』を参考にそれぞれのアプローチの違いについて見て行きたい。

大前提として『アイカツ!』『プリパラ』ではライブパートだけが3DCGで製作されているわけではない。厳密に言えばどちらもライブ前の「ステージ衣装を身に纏う」というプロセスから3DCGが担当するパートとなっており、違和感を軽減する工夫は概ねこの「ステージ衣装を身に纏う」という部分に集約されている。
まず『アイカツ!』について見ていこう。
『アイカツ!』ではアイドル達が展開されたアイカツ!システムの中へ飛び込むまでを作画パート、飛び込んだ後が3DCGパートとなっているのだが、ここで注目したいのは3DCGパートに切り替わった直後のアイドル達のCGモデルの状態だ。
よく観察してみると、どのアイドル達も背景と同系統の色のシルエットとなっており、色分けがあえて行っていないのである。なぜ色を載せていないのだろうか。それは意図的に色分けをしない事で、CGモデルの情報量を一旦下げるためだろう。前述したように3DCGと作画では情報量の差が発生してしまうため、単純に置き換えただけでは情報量の差から違和感が生じてしまう。しかし『アイカツ!』のように3DCGに置き換える際に情報量を意図的に下げる工程を挟むと情報量を段階的に変化させることが出来るため、急激な情報量の変化に伴う違和感を可能な限り軽減することが出来るのだ。
『アイカツ!』における段階的な情報量の変化の工夫としては「一気にステージ衣装に着替える」ではなく「アイドル達がトップス→ボトムス→シューズと一つ一つコーデを身につけていく」という事が上げられるが、衣装に着替え終わった後に爪先から頭頂部にかけてをナメるように撮影し、パーツごとの情報量の変化に慣れさせている。
最後にカメラを引いて全身を映して「全体像」を見せる事で情報量の変化によって(そのまま置き換えただけの状態よりは遥かに少ないものの)発生する違和感を、「制服からステージ衣装への変化による違和感」という形に落としこんでおり、それぞれのキャラクターの「アイドルとしての一面」を感じさせてくれる。
このような工夫を凝らしている『アイカツ!』だが、相対する『プリパラ』はどのような工夫をしているのだろうか。
『プリパラ』ではプリチケをスキャンし終わった後の赤井めが姉ぇの「コーデチェンジスタート!」までが作画パート、以降は作画パートが要所で挿入されるものの基本的には3DCGパートとなっているのだが、この「コーデチェンジスタート!」の後でホワイトアウトさせたりと一度画面内からキャラクターが消失する演出が取られている。ホワイトアウトにしろそれ以外にしろ「特殊な空間で衣装を着用していく」と言う形を取るために、一度キャラクターから伝わる情報を一度消失させることで、CGモデルに切り替わった時に記号的な部分からキャラクターらしさを読み取らせる事でキャラクターの同一性を維持させている。
『アイカツ!』がそうであったように、『プリパラ』でも着用する衣装をパーツごとに画面に収める事で情報量の段階的な変化に慣れさせているのだが、『アイカツ!』と比べると着用前は主線すら入っていないシルエットのみであったり、トップスとボトムスが同時に着用させていてテンポが良い分、回転を加える事で背後まできっちり見せており、作品ごとの違いが現れていると言えるだろう。
また『プリパラ』ではコーデ着用後に作画パートでアイドル達のMCや物語が進行する事が多いが、ライブが始まるとズームインやフレームインなどで「画面へ引き込ませる」ような演出がされており、作画から切り替わった時に違和感を感じさせない。この辺りはカット割りの上手さが現れている点でもあり、3DCGチームと密なやりとりを行っている『プリパラ』だからの面白さではないだろうか。

余談だが、『アイカツ!』と『プリパラ』のコーデ着用時の演出の違いは、それぞれが「アイドル活動に何を混ぜているのか」の違いだといえるだろう。『アイカツ!』でコーデ着用時に走っているのはアイドル活動にスポ根を混ぜ込んでいるからで、「走り抜ける」という能動的なアクションになる事でその「スポ根っぽさ」が表現されている。一方の『プリパラ』では「変身」と言う要素が用いられているため、コーデ着用時も必然的に魔法少女物や変身ヒロイン物のような変身に近くなる。
最後にマイクを握るのは魔法少女物における杖のような大事な小道具だからだろう。「アイドルにとって大切なのはマイク」というのはなかなか洒落ていると感じるところでもある。

何にせよ、『プリパラ』にしろ『アイカツ!』にしろ、「凄い」と言われている作品は様々な工夫を凝らされているし、その工夫は作品によって色々と異なっている。その違いがまた面白いところでもあるため、そういった点に注目して見るのも面白いのかもしれない。

 










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1件のコメント

[C1614] ガンダムAGEかぁ

初めまして。
スパロボはA-POTABLEを途中で投げ出してそれっきりの者ですが。
でもって、ガンダムAGEのこと。
自分も「言われるほどに筋を欠いたとは思えないが、メインキャラクターの設定過積載と話のつなぎの甘さはかばいきれない」と思ったのですが、その意見すらネットで通らないくらい、ポジティブな評価(これだって、〆方がネガティブですが)があってはならない作品扱いされているからなぁ。
(「妖怪ウォッチ」に至っては、ネットでの評論は御法度、みたいな扱いだし。)
"BX"でその辺のところに風穴が空くのかどうか、個人的には気になります。
尤も、フリットラスボスルートという、前代未聞(作品の主人公格がラスボスになったのはかつて無かったような)のことをやりそうな気がするのですが。
  • 2015-06-08
  • 雑音領(ざつね・りょう)
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